今回のテーマは、カスタマーサクセスを実現する接客です。
✓ この記事でわかること
- お客の悩みやニーズを反映する売場
- カスタマーサクセスとの共通点
- 「お客の先の相手」 の成功までを実現するのがマーケターの役割
おもしろいと思った、ある百貨店のアクセサリー売場をご紹介し、販売やマーケティングに学べることを解説しています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
百貨店のアクセサリー売場
日経新聞に、興味深い記事がありました。
東武百貨店・池袋店のアクセサリー売場を取り上げた記事です。
以下は抜粋しての引用です。
クリスマスを控えた2021年末、アクセサリー売り場のそばに人気ブランドのネックレス、ピアス、リングを集めたきらびやかなクリアケースが登場した。この3種に特化したのは、顧客の声に耳を傾けた結果だ。
企画担当の今村さんは、妻や恋人へのプレゼントで何を買えばいいのか悩んでいる男性が多いことに着目。来店した女性客に1番欲しいアクセサリーや、うれしかったプレゼントのエピソードなどに答えてもらうアンケートを実施した。
199人から回答が集まり、最も欲しいものがネックレスなどだということがわかった。そこで各ブランドから一押しの商品を集めて展示。アンケート結果も店頭に張り出した。
社内で企画を提案した際も、「男性の思いを後押しできる」 と反応がよかったという。
200人近い来店女性客からアンケートを取り、女性に人気のあるアクセサリーやプレゼントのエピソードから、顧客の声やニーズが反映された売場をつくっています。
お客の先にいる相手
ご紹介したアクセサリー売場で興味深いのは、「お客の先にいる相手」 まで見据えていることです。
商品を買ってくれる目の前のお客さんだけではなく、購買客のさらに奥にいる人も 「自分たちから価値を提供する客」 と捉えています。
アクセサリー販売の場合に当てはめると、次のように整理できます。
- 購買客: プレゼントのためにアクセサリーを買う男性客
- 先にいる相手: アクセサリーを贈られる女性 (恋人や妻)
来店したお客さんと同じ方向を向いて、お客さんと一緒に 「どうすればお客の先にいる相手に喜んでもらえるか」 を考えているのです。
カスタマーサクセスとの共通点
ここまで見てきた話は、カスタマーサクセスと共通点があります。
カスタマーサクセスとは 「お客の成功」 です。カスタマーサクセスで大事なのは、お客さんの成功とは何かを定義し、お客の成功を一緒に実現していくことです。
まず最初にお客さんの成功があり、めぐりめぐって自分たちの成功や成果につながると考えます。
アクセサリー売場の事例に当てはめると、順番は、
- プレゼントをもらった相手 (お客の先にいる相手) がアクセサリーを気に入り、贈られたことに幸せを感じる
- それを見た贈った男性 (アクセサリー購入客) もうれしくなる
- お客とその先にいる相手の両方の成功を実現させることが、自分たちの成功となる
学べること
では最後に、アクセサリー売場の話から学べることを整理してみましょう。
今回の事例からの学びは、視野を広げることの重要性です。視野を広げるとは例えば、目の前のお客さんだけではなく、その奥にも目を向けることです。
具体的には、お客の置かれた状況などの購買背景、商品・サービスの利用シーン、使っている時や前後での気持ちの変化、まわりに誰がいるかの関係性です。こうした1つ1つに対して、時には妄想の域を出ないかもしれませんが、「見えないものを見ようとする意識」 があるだけでも視界は変わります。
地道な取り組みですが、これらを続けるからこそ 「お客の先の相手」 の成功につながるのです。
まとめ
今回は、百貨店のアクセサリー売場の事例から、カスタマーサクセスの観点も入れつつ、マーケティングや販売に学べることを見てきました。
最後にまとめです。
お客の先にいる相手
- 目の前のお客さんだけではなく、その購買客のさらに奥にいる人も 「自分たちから価値を提供する客」 と捉えてみよう
- お客と一緒に 「どうすればお客の先にいる相手に喜んでもらえるか」 を考え、実現させることが自分たちの成功につながる
視野を広げることの重要性
- 見えないものを見ようとする意識を持ってみよう
- お客の置かれた状況などの背景、商品・サービスの利用シーン、使っている時や前後での気持ちの変化、まわりに誰がいるかの関係性
- 「お客の先の相手」 の成功までを実現するのがマーケターの役割
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