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全国のホテル泊まり放題サブスク 「TsugiTsugi (ツギツギ) 」 に見る、サービス開発での PDCA の重要性


今回のテーマは、サービス開発です。

✓ この記事でわかること
  • 全国のホテル泊まり放題サブスク 「TsugiTsugi (ツギツギ) 」 とは?
  • 「旅するような暮らし」 への人気ぶり
  • やってみて初めてわかった課題
  • PDCA からビジネスでの成果へ

おもしろいと思ったホテルの泊まり放題サブスクを取り上げ、マーケティングの視点も入れながらサービス開発に学べることを書いています。

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

ホテルの泊まり放題サブスク TsugiTsugi


今回ご紹介したいのは、全国のホテルが泊まり放題で回遊できるサブスクサービスです。

東急が提供する 「TsugiTsugi (ツギツギ) 」 です (公式サイトはこちら) 。

特徴は、全国にある宿泊施設39拠点をサービス利用期間内であれば、移り住めることです。

出典: ITmedia

TsugiTsugi の世界観


TsugiTsugi は、北は北海道、南は沖縄までと、サービス対象ホテルを自由に渡り歩きながら生活を楽しむことができます。

TsugiTsugi の目指す姿が興味深かったです。

✓ TsugiTsugi が実現する世界観
  • [Phase 1] 旅をするような暮らしをする
  • [Phase 2] ローカルとつながり、「ただいま」 を見つける (気に入った旅先が帰る場所になる)
  • [Phase 3] いくつもの 「ただいま」 と帰る場所を巡る (複数の帰る場所を自由に持つ)

出典: ITmedia

予想以上の人気ぶり


以下は、日経新聞の記事からの引用です。

 「旅するように暮らす」 ―― 。東急はグループのホテルなどに定額で長期滞在できるサブスクリプションサービスを展開している。

 「TsugiTsugi (ツギツギ) 」 と呼ぶサービスで今春、第1弾として30泊 (18万円) もしくは60泊 (36万円) で、39のホテルなどを回遊できるプランを打ち出した。100人限定で売り出したところ、予想を大きく上回る933人から応募があったという。

やってわかった課題と打ち手


東急にとっては、全国の複数ホテルで泊まり放題のサブスクで提供するのは、初めての取り組みです。

新しく何かを始めると、想定外のことは必ずと言っていいほど起こります。

想定外だったこと


以下は、日経新聞の記事からの引用です。

東急が第1弾の終了後に応募者の情報を調べたところ、当初想定と違う顧客の姿が見えてきた。

まず応募者の5割超がテレワークで働く人だった。年齢や性別でさらに分析すると、20 ~ 30代の独身男性が中心とみていたが、実際は女性も約4割いたという。40 ~ 50代や夫婦のみ世帯の応募も多かった。幅広い人がコロナ下の生活を豊かにするためホテルを必要としていることが分かったのだ。

 (中略)

ただ課題も見えてきた。その1つが移動だ。30泊のプランの利用者がホテル間を移動するのにかかる平均費用は約9万円に上ったという。「荷物を持ち歩くのが大変」 といった意見も出た。

第二弾での対策


これが興味深いと思ったことで、東急は初回のサービス提供で見えた課題に対して、すぐに具体的な打ち手をしました。

そこで東急は11月に募集を始めた第2弾で他社との連携を広げた。移動は ANA の子会社と連携し、航空券の購入に充てられる 「ANA SKY コイン」 を泊数に応じて付与するプランを作った。

さらにスタートアップのサマリー (東京・渋谷) と連携し、衣類などを詰めた段ボールを預かってくれる同社のサービスを利用できるようにした。

第2弾ではより長期で滞在したいという要望に応じて日数の幅も拡大し、90泊、180泊のプラン (30泊あたり22万円から) も作った。

学べること


では、TsugiTsugi から学べることを掘り下げてみましょう。

一言で表現をすれば、学びは 「新しい取り組みは小さく始め、教訓を次に活かそう」 です。

東急にとって、全国のホテルを期間内に泊まり放題とするサービスは初めてのことでした。回遊をして 「旅をするような暮らし」 の提供には、やってみないとわからないことが課題として出てきました。

TsugiTsugi の初回サービス提供でわかったことは、移動や手荷物まわりのことは、このままだとお客さんの 「不」 が残り、ここに改善の余地を見出しました。次の11月の第二弾に向けて、外部パートナーとの連携から早急に手を打ちました。


サービス開発と PDCA


学びをより一般化すると、PDCA をまわし続ける重要性です。

TsugiTsugi では第一弾と第二弾で、2回の PDCA をまわしました。初回をサービス提供で Plan を実行 (Do) したからこそ、お客さんや現場従業員からのフィードバックが得られわけです。

初めてのことだったので、時には至らなかったこともあったでしょう。しかし失敗にフタをせず正面から向き合い、経験から学びや教訓を得ました。次の第2弾につなげ、お客への提供価値を上げより良いサービスにしたのです。

PDCA は一般的に知られた方法で、もしかすると今さら感もあり古臭いと思われたかもしれません。しかし PCDC はうまく使えば、今回の TsugiTsugi のようにビジネスでの成果につながります。


まとめ


今回は、全国のホテル泊まり放題サブスク 「TsugiTsugi」 を取り上げ、サービス開発に学べることを見てきました。

最後にまとめです。

サービス開発と PDCA
  • 新しく何かを始めると、想定外のことは必ず起こる
  • 失敗にフタをせず正面から向き合い、教訓を得て次につなげることが大事
  • サービス開発では PDCA をまわし続け、お客への提供価値を上げより良いサービスにつなげよう


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。