出典: @Press
今回のテーマは顧客理解です。どうすればお客さんの視点になれるかという話です。
おもしろいと思ったシャツを取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げていきましょう。
✓ わかること
- パソコンが収納できるシャツ
- 開発のきっかけは 「パソコンをどうするか問題」
- 自分が欲しいもの、お客さんが欲しいもの
- 現実を受け入れた先の顧客視点
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
RAKKU 着るバッグ
出典: @Press
ご紹介したいのはパソコンを入れることができるシャツです。名前は 「RAKKU 着るバッグ」 といいます。
パソコンを収納できるシャツ
以下は日経新聞の記事からの引用です。
「背中にパソコンを収納できるシャツ」 。こんなコンセプトの商品が人気だ。
シンプルなデザインと高い収納力を両立し、身軽に外出したいミニマリスト志向のユーザーの支持を集める。書類やパソコンをシャツに入れて持ち歩く手ぶら通勤がじわり広がっている。
(中略)
住宅関連の情報サイトなどを運営するミクル (東京・新宿) が開発した 「RAKKU 着るバッグ」 (3万3000円) 。2022年5月にクラウドファンディング (CF) の 「CAMPFIRE (キャンプファイヤー) 」 で募集を始めると、1カ月で目標金額の2.5倍の75万円が集まった。現在は同社のオンラインサイトで販売しており、これまでに約70着を販売した。
ポケットは計7つ。ケーブルなどの付属品を収納でき、背中には13インチのパソコンが入る。収納した物の重みを感じにくいよう、シャツの内側にはリュックのように肩にかけるストラップがついている。背中にスリットを入れることでシルエットを保つ。
クラウドファンディングはこちらです。
RAKKU 着るバッグの紹介動画も貼っておきますね。
開発のきっかけ
パソコンが収納できる 「RAKKU 着るバッグ」 の開発背景については、次のように書かれていました。
開発したミクルの田中雄一郎さんはカフェで仕事をすることが多く、トイレなど離席時にパソコンをどうするか悩んできた。「スマホや財布に比べて大きく持って行きにくいが、テーブルに置いていくのは不安」 。背中にパソコンを収納できればトイレに持って行きやすくなると考えて開発した。
カフェで仕事をしている時にトイレなどの離席で 「パソコンをどうするか問題」 です。パソコンはスマホや財布のように持っていきにくく、かといって誰もいない席にパソコンを置きっぱなしにするのは不安になります。
そこでパソコンが背中に入るシャツを作ろうと思ったわけです。
学べること
RAKKU 着るバッグの事例から学べることを掘り下げていきましょう。
自分が欲しいもの
RAKKU 着るバッグの開発のきっかけになったのは開発担当者の困りごとを解決することでした。
仕事をしているカフェで離席するときに手軽にパソコンを持ち運びたいというニーズです。自分を1人のお客さんと見立て自分が欲しいと思う商品を作りました。この段階では 「自分 = お客さん」 です。
他者視点も入れる
マーケティングの観点で大事なのは 「自分ではないお客さんの視点」 も入れることです。
開発の着想が 「自分が欲しいもの」 で問題はないですが、どこかのタイミングで 「これは他の人も欲しいと思うか」 を見極める必要があります。
現実を受け入れた先の顧客視点
顧客視点になるための前提として忘れてはいけないのは 「お客さんと自分は違う他人である」 ということです。「自分 ≠ お客さん」 です。
どこまでいっても自分 (マーケター) は他人であるお客さん自身になることはできません。
この現実から目をそむけることなく正面から向き合う姿勢が大事です。自分はお客さんにはなれないという現実を受け入れ、その上でどうするかです。
他人に乗り移りシンクロして憑依するようになお客さん視点を少しでも得ようとする気概がマーケターには求められます。お客さんはどう思うのだろうか、どのように感じるか、お金を払ってでも欲しいと思ってくれるか。こうした問いに愚直に向き合った先に本当の顧客視点があります。
まとめ
今回は、パソコンが収納できるシャツ 「RAKKU 着るバッグ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 現実を受け入れた先にある顧客視点
- どこまでいっても、マーケターは他人であるお客さん自身になることはできない
- この現実を受け入れ、その上でお客さん視点を少しでも得ようとする姿勢が大事
- お客さんはどう思う・感じるか、お金を払ってでも欲しいと思うかと愚直に向き合った先に顧客視点になれる
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