お客さんによって求めるニーズは異なり、提供すべき価値は変わります。
マーケティングにおいて、お客さんが望んでいることをいかに見極め、どうすれば価値をもたらすことができるのでしょうか?
今回は LOGOS (ロゴス) のユニークなキャンプ施設の事例から、この問いを解き明かしていきます。
LOGOS の冷暖房完備の室内キャンプ
出典: ITmedia
今回の話題はキャンプです。ホテル内で快適な環境でキャンプができるという事例です。
アウトドアブランド 「LOGOS (ロゴス) 」 が運営する 「LOGOS LAND」 (京都府城陽市) にあるホテルでは、冷暖房が完備された室内でキャンプができます。
部屋はテントタイプとコテージタイプの2つから選べます。屋根付きのバーベキューテラス、大浴場、フリースペースも用意されています。また、子ども向けに駄菓子屋さんまであり、レジの背丈を子どもに合わせて低く設計するなど、小さい子どもにも楽しめる工夫が施されています。
初めてキャンプをするファミリー層も気軽に楽しむことができる場所です。
学べること
ではロゴスの室内キャンプの事例から、学べることを掘り下げていきましょう。
キャンプへの捉えられ方
自然豊かな環境でバーベキュー (BBQ) をしたり、テントを張って夜を過ごしたりというのが一般的なアウトドアでのキャンプの楽しみ方です。快適な環境から一時的に離れ、利便性はなくても自然を楽しむのが醍醐味と考える人も多いでしょう。
キャンプが好きな人のこうした観点からすると、冷暖房完備の部屋におけるキャンプ体験や、天候に左右されにくい BBQ テラスでの食事、嫌な虫が発生しないキャンプは "過保護" に映り、ともすると邪道なものとなります。
室内キャンプの価値
しかしキャンプの初心者にとっては、冷暖房完備のホテルでの室内でのキャンプはありがたい存在です。
というのは、キャンプというアクティビティに初めて触れる人には、自然の中には多くの不安要素があるからです。予想できない天候、虫、装備、テントや食事の準備といった多くのことが不慣れで、これらがキャンプに行く心理的なハードルになってしまうでしょう。
ロゴスランドの屋内キャンプ施設は、そうした心理的な障壁を取り除き、初心者でも安心して過ごせる空間を提供しています。小さい子どもがいるファミリー層にとっては、子どもが安全に楽しめる環境が整っているのも魅力的です。
顧客設定と価値定義
ここから言えるのは、お客さんによって求める価値が変わるということです。
キャンプによく行く中上級者と、初級者ではキャンプに求める価値が変わります。中上級者は高度な装備や厳しい自然環境でのキャンプをしたいと思うでしょう。一方の初級者や家族連れの人は手軽さや安全・安心なキャンプを重視します。
このように、ターゲットとするお客さんが変わればニーズも変わります。
ロゴスランドはファミリー層をターゲット顧客にしています。屋内で安心して楽しめる環境、簡単な装備や準備でキャンプができること、ロゴスの商品も試せるという点もターゲット顧客に合った体験価値につながっています。
マーケティングで重要なのは 「自分たちのお客さんは誰か」 です。顧客設定が最初にやるべきことです。
お客さんのニーズに応じて適切な商品やサービスを提供することがビジネスを成功させるための基本です。多様化する消費者ニーズに対応するためには、ターゲット顧客を明確にし、お客さんが本当に望むことに合わせて価値を定義することが大事です。
まとめ
今回は、ロゴスの冷暖房完備の室内キャンプ施設を取り上げ、学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
- ターゲットとするお客さんが変わればニーズも変わる。例えば中上級者と初級者では求める価値が異なる
- マーケティングでは 「自分たちのお客さんは誰か」 という顧客設定を明確にする。お客さんが本当に望むことを見極め、商品やサービスを提供することで、お客さんのニーズを満たす価値をもたらす
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