価値のあるコンテンツとは何かを考えます。
エントリー内容です。
- 価値のあるコンテンツの3つの条件
- ビジネスでの価値のある文章を書く方法
価値のあるコンテンツとは
以前に同僚と、ニュース記事などのウェブコンテンツで 「どういうものが価値のあるコンテンツなのか」 を議論したことがあります。
ここで言う価値のあるコンテンツとは、ページビューなどのアクセス数が多く、たくさんの人に見てもらえるものです。
価値のあるコンテンツの3つの条件
同僚との会話で整理できたのは、価値のあるコンテンツのための3つの条件でした。
- Useful:役に立つ情報
- Repeat:サイトへまた見に来たいと思える
- Share:誰かに伝えたくなる
以下で、それぞれについてご説明します。
1. 役に立つ情報 (useful)
- 読み手にとって自分に役に立つかどうか。役に立つ情報が多かったり、そのコンテンツを楽しむことができれば、それだけ価値があるコンテンツだと言える
- 「役に立つ」 というのは、文章や映像などの情報コンテンツを提供する側にとってではない。あくまで受け手にとって役に立つか
2. また見に来たくなる (repeat)
- コンテンツへの訪問者が役に立ったと思えるだけではなく、また訪れたいと思ってもらえるかどうか。商品やサービスで言うところの、リピート購入やリピート利用につながるか
- もう一度見に来たいと思えることは、それだけ読み手にとっては有用な情報と言える
3. 誰かに伝えたくなる (share)
- オンラインのコンテンツであれば、Facebook や Twitter などで共有したいと思ってもらえるかどうか
- ソーシャル経由で誰かに知らせたいと思ってもらえれば、それだけコンテンツの情報としての価値は高いと言える
仕事でのレポートに当てはめると
価値のあるコンテンツの3つの条件は、仕事で作成されるレポートや報告書、プレゼン資料にも当てはまります。
自分のつくったレポートや企画書が読み手に役に立つ情報かどうかは、常に意識したいことです。
3つめの条件である 「誰かに伝えたくなるかどうか」 も、例えば良い調査レポートであれば、関係各位にレポートが転送され次第に広がっていくでしょう。それだけレポートとしての価値があるわけです。
ビジネスでの価値のある文章を書く方法
では、特にビジネスでレポートや文章などを、「価値のあるコンテンツ」 にするにはどうすればよいのでしょうか?
ヒントになるのは 入門 考える技術・書く技術 という本です。この本には、読み手にとってわかりやすい文章にするにはどうすればよいかが、具体的に書かれています。
「考えるプロセス」 と 「つくるプロセス」
本書で強調されているのは 「考えるプロセス」 と 「書くプロセス」 を分けて考えることです。
もしあなたの報告書がわかりにくければ、その原因のほとんどは書く前の段階、すなわち、伝えるべき考えを明快に表現するという 「考えるプロセス」 にあるのです。
具体的にどのようなメッセージを伝えようとしているのか。なぜそう言えるのか。そのような考えが明快に表現され構成されていて初めて、わかりやすい説得力のある文章となります。
(引用:入門 考える技術・書く技術)
OPQ 分析で読み手の知りたいことを書く
わかりやすい文章を書くために紹介されている考え方が 「OPQ 分析」 です。文章を書き始める前に、次の3つを考えます。
- Objective:読み手にとっての理想的な状況 (ゴールイメージ設定)
- Problem:ゴールと現状のギャップ (= 問題)
- Question:その問題を解決するために読み手が抱いている疑問は何か
OPQ の例として、営業職の自分と、上司である部長に営業提案企画の文章を書くケースです。主語は営業部長です。
- Objective:ゴールは年間での売上目標を達成すること
- Problem:当初は順調な売上であった。しかし、一転して下半期は厳しくなり、目標達成が難しい状況になってきた
- Question:売上目標を達成するためにはどうすればよいか?
この OPQ 分析から、あなたが伝えるために書くメッセージは 「売上目標を達成するためには、XXX をすべきである」 です。書くことは、あくまで読み手の部長が持つ疑問 「目標を達成するための方法」 への答えです。
もし部長の疑問が 「なぜ下半期の売上が減ってきているのか」 であれば、売上減少の原因を書きます。
ポイントは、読み手の Objective, Problem, Question と、書き手の伝える内容に一貫性があるかどうかです。疑問は減少の理由なのに、いきなり達成方法を書くことは飛躍しています。
本書で徹底されているスタンスは、読み手の関心や疑問に向かって書くことです。自分本位に、ただ書きたいことを書くのではありません。