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2016年6月1日、オンライン証券会社 One Tap BUY (ワンタップバイ) が正式にローンチしました。ネット証券の新規参入は、日本では10年ぶりです。
参考:10年ぶりの新規参入、スマホ証券 「One Tap BUY」 が今日ついにローンチ | TechCrunch Japan (2016年6月1日)
One Tap BUY とは
ワンタップバイの特徴を一言で言うと 「手軽さ」 です。株の売買のプロセスを徹底してシンプルに、わかりやすく作られています。
One Tap BUY サイトのタイトルは 「株式は”もっと”身近になれる」 です。
自分たちのことをオンライン証券ではなく 「スマホ証券」 と書いてあるように、スマホに特化しています。名前が 「ワン "クリック" バイ」 ではなく、タップとしていることからもわかります。
一般的に、株を買ったり売るプロセスは独特の仕組みがあります。オンライン証券でネットから手元でできるとはいえ、初めてやる人にとっては難しいと感じるでしょう。
ワンタップバイでは、株をあたかもアマゾンで手軽に買う感覚で売買取引ができます。例えば、株を買う操作はアプリで、銘柄選択 → 購入金額の入力 → 購入 と3ステップで完了します。
株の購入は
ワンタップバイの提供価値は、株式を買うと売るという体験をシンプルにし、海外の有名企業の株主になれることです。
株式投資を始めるためのハードルを下げるために、マニュアルがアプリ内にマンガで用意されています。ワンタップバイの使い方、資産運用について、取扱い銘柄の説明など、文章ではイメージしにくいことも、マンガであればわかりやすいです。
One Tab BUY のターゲット顧客
ワンタップバイのターゲットユーザーは、若年でこれまで株式投資をやったことがない人でしょう。
スマホアプリで簡単にでき、まんがのマニュアル、
実際にアプリをダウンロードすると、起動すぐの最初のデモ画面でワンタップバイの体験ができます (ダウンロード:Android (Google Play) / iPhone (App Store)) 。
株式投資に興味はあっても自分には難しそうだと思っていた人が、ちょっとやってみようかなと思える印象です。
One Tap BUY の強みの源泉
ワンタップバイは、株式売買で従来はあった面倒な部分をサービス側で吸収しています。その分だけユーザーは手軽に使えます。株を買うのに3ステップ、最低
これを実現するためにワンタップバイは、法令要件や税務要件を満たしつつ金融庁と調整を進めてきたようです。この取り組みは時間と労力がかかるとすると、2016年時点では他の証券会社にはない手軽な株式売買をマネをしようと思っても、他社には簡単にはできないのかもしれません。
また、ワンタップバイは証券期間システムを自社開発をしています (Amazon のクラウドサービス AWS を使用) 。自社開発により、従来のネット証券とは異なるユーザー体験を実現しています。
One Tap BUY を使わない理由
ワンタップバイは他社にはないユニークな価値を提供しています。
興味深い証券会社だと思う一方、私自身はワンタップバイは使おうとは思っていないです。理由は、個別株の売買はしないという自分の資産運用の方針に合わないからです。
One Tap BUY の今後の課題
確かにワンタップバイのシンプルな操作性はおもしろいです。ただし、やっていることの本質は、投資する個別株を自らの判断で選び、売買するタイミングも自分で決めることです。この点は、他のネット証券からの個別株運用と同じです。
実際に使ってみて、その後の運用状況がどうなるかは誰にもわかりません。ワンタップバイのアプローチは興味深いと思うものの、株の投資を始めるハードルを下げ、売買をしやすくすれば、後は投資は成功するとは限らないのです。
ワンタップバイのユーザーの中には、興味があり簡単そうだからやってみたけど、損をしたのでやめてしまう、という人も出てくるでしょう。ワンタップバイが投資を始めるためのハードルを下げたことは評価できますが、投資を 「続ける」 ための仕組みは十分には見えません。
例えば今後、ユーザーごとの関心に沿った銘柄推奨、売買のタイミングをすすめてくれるなどの機能が出てくると継続しやすくなるでしょう。
ワンタップバイの UI から株の売買をする体験は、ともすればゲームをやっているような感覚になりそうです。投資ではなく投機的な売買にもつながりかねません。
せっかく、他社とは異なる価値をつくったのだからこそ、日本でも普通の人が資産運用をするようになり、続けられるインセンティブができるサービス提供をワンタップバイには期待しています。
最後に
ワンタップバイに興味のある方は、こちらをご参照ください。
One Tap BUY のサイト
Android アプリ (Google Play)
iPhone アプリ (App Store)