
Free Image on Pixabay
イシューからはじめよ - 知的生産の 「シンプルな本質」 という本に書かれていることのポイントは、問題解決にあたっての 「問題設定の重要性」 です。
問題を見出すという発想
問題は与えられるものであり、最初から設定されているという考え方ではありません。そもそもの問題をどう捉えるか、その問題を解き答えを出すことが本当に今必要なのかを考えます。
問題を設定するにあたって、2つの視点があります。
- 問題設定として適切であり (本書ではイシュー度が高いと表現)
- その問題を解決した時のインパクトが大きい
問題解決と問題設定の2つにおいて、この本で強調されているのは後者です。そもそも問題として捉える価値があるのか、本当に答えを出すべきことなのかを徹底的に掘り下げて考えることです。
その問題に答えが出せるか (解決できるか)
問題設定におけるポイントとして、2つあります。
- 本当に答えを出すべき問題か
- 問題に対して答えが出せるか
見落とされがちなのは後者です。前者のこの問題を解決できれば価値は高いかどうかの判断基準だけではなく、後者のそもそも答えを出せそうだ (解決方法がある) という見込みが必要です。答えが出せないということは、いくら労力や時間を使っても価値が出せないからです。
データ分析における問題設定
以上の考え方は、データ分析の仕事にも当てはまります。
価値のあるデータ分析のために、分析課題が適切か (本当に取り組むべき課題か) を確認します。具体的には以下がチェックポイントです。
- 分析の問題設定として、自分はどんな問題を解決するために取り組むのか、それはなぜ解く必要があるのか、解決すれば誰にとってどう役に立つかを明確にする
- 分析課題をさらに分解し、各課題に対して仮説を立てる。課題と仮説は文章に落とし込む。言語化すれば自分の理解や考え方の曖昧な点がわかる (言葉にできない時は考えが浅い)
- 課題と仮説に対して、アウトプットイメージを考える。どんなグラフや見せ方をすれば適切に説明ができるか
- アウトプットイメージを並べてストーリーをつくる。各課題とデータ結果 (この時点では仮説) をどんな順番で並べると、読み手にとってわかりやすいかの視点で考える
- 分析に使うデータは分析課題を解決するために使えるか。イシューがあってのデータで、その逆ではない。目的と手段を混同しないようにする
データ分析は、以上のような集計や分析の着手前に加え、分析後にアウトプットをどこまで活用できたかで価値は決まります。
データ分析結果と、そこからの考察や提案がいかに有益に活用されるかです。こちらについては、下記のエントリーで考えています。
データ分析者として大切にしたい 「データ分析をする時の4つの問い」