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ビジネスでのデータ分析についてです。価値のあるデータ分析とは何か、どうすれば価値を出せるかを考えます。
エントリー内容です。
- 寿司職人とデータ分析
- 価値のあるデータ分析とは
- データ分析で価値を出すために
寿司職人とデータ分析
データ分析の力 - 因果関係に迫る思考法 という本に、データ分析に必要なことが、寿司職人に必要な技術を例にして説明されています。
寿司職人の3つの技術
美味しいお寿司を提供するために必要なことは、3つあると言います。以下は本書からの引用です。
美味しいお寿司を提供するのには最低限必要な3つのことがあるそうです。
1点目は、素晴らしいネタを仕入れること。
2点目は、そのネタの旨味を生かせる包丁さばきができること。どんなに素晴らしいネタを仕入れることができても、ネタをどのような角度で切るかという技術が身についていないと、口にしたときの旨味は出ないそうです。
また、3点目は、目の前のお客さんが求めている味や料理を提供できているのか、という点です。
(引用:データ分析の力 - 因果関係に迫る思考法)
データ分析の3つのスキル
腕のいい寿司職人の3つのスキルは、データ分析に当てはめることができます。
- 分析に必要なデータを手に入れる
- 高い知識や豊富な経験に基づいたデータ分析をする
- 目的に沿い依頼主の役に立つ考察や示唆を提示する。適切なアウトプットに落とし込む
3つのどこで価値を出すか
データ分析を仕事にする身として重要だと思うのは、3つのうちどこで差別化をするかです。先ほどの3つの、データ入手・分析・アウトプットにおいて、他のデータ分析者や機械と比べて、どこで自分ならではの価値を出せるかです。
私が考えるのは、3つ目のアウトプットでいかに差別化できるかです。
データ分析の依頼主に役に立つ示唆やアウトプットをつくるためには、依頼主のことを理解することが求められます。分析の背景や目的を依頼主と共有できているかです。
具体的には、ビジネスを取り巻く状況、これまでの取り組み、何が問題でどう解決するか、その解決にデータ分析がどう役に立つかです。
価値のあるデータ分析とは
データ分析を業務でやっていると、分析自体が目的化してしまうことがあります。本来、分析は手段です。データ分析結果を使って何かを達成するという目的があるはずです。
価値のあるデータ分析は、アクションにつながることです。
アクションにつながるデータ分析を行うためには、事前のプランが大切です。実際のデータ集計に入る前にどれだけ準備ができるかです。準備において、アウトプットでいかに価値を出すかの視点が重要です。
データ分析で価値を出すために
では、どうすればデータ分析のアウトプットで価値を出せるのでしょうか。ポイントは3つあります。
- データ分析結果の受け手は誰か
- 相手が知りたいことは何か (何に答えを出すか)
- アウトプットは何のために使われるか
以下、それぞれについてご説明します。
1. データ分析結果の受け手は誰か
結果の受け手はデータ分析の依頼主です。しかし、直接の依頼主だけとは限りません。
分析結果を求めているのはその背後にいるキーパーソンの可能性もあります。最初に明確にすべきことは、データ分析結果の本当の受け手は誰かの具体化です。
同じデータから集計・分析をし、考察や提言を加えたレポートをつくる場合も、誰に読んでもらうかによって、データ分析プロセスとレポートの中身が変わります。
2. 相手が知りたいことは何か (何に答えを出すか)
ターゲットとなる受け手が何を知りたいかを見極めます。どのようなビジネス課題に対して、データ分析から答えや示唆を出すかです。
受け手が知りたいことを明確にするには、まずは現時点で相手が何を知っているかを理解します。すでに知っていることを提示しても、受け手にとっては価値はありません。相手がまだ知らないことで、かつ、その情報が相手に役に立つかどうかの見極めが重要です。
3. アウトプットは何のために使われるか
自分がデータ分析から提供するレポートなどのアウトプットが、どう使われるかです。
何のために活用され、具体的にどう有益なのかです。アウトプットの実際の利用シーンがイメージできるかどうかです。自分が作り出すアウトプットの価値を具体的に把握することが大事です。