
Free Image on Pixabay
新卒で入社した会社の新人研修で学んだことの1つが、ゴールイメージを決めることです。ゴールという終わりから逆算して考え、仕事を進めるやり方です。
今回はゴールイメージを先に決め、逆算して進める仕事の仕方をご紹介します。
エントリーの内容です。
- ゴールドリブンな仕事の仕方を、具体例でご紹介
- メール
- 会議
- プレゼン
- レポート
- プロジェクトマネジメント
- ゴールイメージとはビジョンを描くこと
ゴールドリブンな仕事の仕方を、具体例でご紹介
ゴールイメージを決め、逆算して進める仕事のやり方を、具体例で5つご紹介します。
具体例 1: メール
メールを書く前に、ゴールイメージを決めます。
メールのゴールイメージとは、メールを受け取った人が、読んだ後にどうなってほしいか、何をしてほしいかです。
何かを依頼するメールなら、相手に必要な情報を伝えるだけではなく、依頼内容に沿って行動してもらっている状態です。メールで質問するなら、ゴールイメージは自分が知りたいことが質問の答えとして返信をもらい、わからないという問題が解決することです。
ゴールイメージから逆算して、メール本文と件名を書きます。
メールでは自分が書きたいことを、そのままの順番で書いてしまいがちです。しかし、ゴールイメージを達成するためには逆です。相手にどうしてほしいか、そのために相手が知りたいことは何か、相手が読みたくなる件名は何か、という視点でメールを書きます。
具体例 2: 会議
自分が会議オーナーの場合は、何を話すかの議題を設定します。
議題を決めるにあたって、ゴールイメージをまずは固めます。会議でのゴールイメージとは、会議が終わった後に、その会議の状態がどうなっていれば望ましいかです。
会議の種類によって異なります。ゴールイメージ以下のようになります。
- 意思決定:A 案か B 案について議論され、どちらが良いかが決まっている
- ブレスト:新規企画へのアイデアを出し合い、有力候補として3つ以下に絞られている
- 情報共有:報告会の出席者が議題で話された情報を新しく知った。その情報を元に、各自が自分のやるべきことが明確になっている
ゴールイメージを達成するために逆算し、会議設計をつくります。具体的には、会議目的、議題の順番、出席者、所要時間、会議場所と日時です。
具体例 3: プレゼン
プレゼンでもゴールイメージを先に決めると、話す内容が見えてきます。
本質的にプレゼンは、話し手と聞き手の情報や知識のギャップを埋めるためにあります。つまりプレゼンのゴールイメージは、聞き手とのギャップが埋まり、内容を理解してもらい、聞き手が望ましい行動に移れる状態になることです。
この状況から逆算して、プレゼンのストーリーを組み立てます。
プレゼンの各スライドでも、ゴールイメージからつくります。プレゼンでは、1つのスライドに1つのメッセージが基本です。メッセージというスライドのゴールイメージを理解してもらえるよう、スライドの見出し・チャート・補足情報を決めます。
具体例 4: レポート
データ分析や調査のレポートも、最初にゴールイメージを決めると書きやすくなります。
レポートにおけるゴールイメージとは、まとめとして書く提言や示唆を読み手が受け取り、読み手が行動を起こしている状態です。
ゴールイメージから逆算し、読み手が理解しやすいレポートストーリーを描きます。ストーリーには、読み手にとって重要な論点をイシューとしてを設定し、論点に答る形をとります。
調査レポートであれば、調査を実施する前の段階では調査課題に対する答えは仮説です。調査課題と仮説から、最後の結論までを、ゴールイメージから逆算してレポートの骨子をつくっておきます。
すでにレポートのドラフトができているので、調査が走っている時、終わった後の分析、レポート作成時のぞれぞれの段階で、ドラフトのストーリーやゴールと照らし合わすことができます。
これにより無駄なタスクはなくなり、本当にやるべきことに集中できます。
具体例 5: プロジェクトマネジメント
プロジェクトでは、どうなればプロジェクトは完了したと見なせるのかを定義し、プロジェクトメンバーで認識を共有することが大事です。プロジェクトの完了定義は、ゴールイメージを決めることです。
プロジェクトに着手する前に 「どのような状態になれば、このプロジェクトは成功なのか」 と、うまくいかない状況を想定し 「どうなれば失敗と見なし終わらせるか」 を具体的にイメージします。
プロジェクト全体のゴールイメージから、プロジェクトのプロセスを分解したフェーズを設定します。プロジェクトの各フェーズでも完了定義を明確にします。そのフェーズはどうなれば完了し、次のフェーズに進めるかです。
ゴールイメージとはビジョンを描くこと
ここまで、ゴールイメージをまずは決め、逆算するやり方をご紹介しました。
より一般化すると、ゴールイメージとは 「ビジョンを描くこと」 です。
ビジョンとは、自分 (たち) が考える理想の世界観です。理想的なあるべき姿です。ビジョンは why に当たります。
ビジョンからミッションが生まれます。ミッションとは、理想世界を実現するために自分は何をするかの宣言です。ビジョンが why であり、ミッションは what です。
ビジョンを持つことの大切さで思い出すのは、楽天創業者の三木谷浩史氏の言葉です。著書 成功の法則92ヶ条 には次の言葉が書かれています。
「月に行こうという目標があったから、アポロは月に行けた。
飛行機を改良した結果、月に行けたわけではない。」
自分たちが月に行っているゴールイメージを具体的に決め明確にしたからこそ、アポロ計画は成功したのです。