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キッズライン を使ってみました。キッズラインは、0才から15才までの子どもを見てくれるベビーシッターサービスです。
今回は、キッズラインを使って思ったことを書いています。エントリー内容は、以下です。
- キッズラインを使った目的
- 使ってみて思ったこと
キッズラインを使った目的
キッズラインを使おうと思った理由は、次の通りです。
- キッズラインがどんなサービスか試してみたかった (好奇心)
- 子どもに、普段から接する人とは違う大人と遊ぶ機会を提供したかった
- 見てもらっているサポートの間に、自分の時間を確保したかった
2つめの補足です。
子どもに遊ぶ機会を提供したいというのは、子どもにとって普段とは違う遊びの時間になればいいと思ったことです。親でも保育園の先生でもないキッズラインのサポーター (ベビーシッター) の方との遊びからです。
親と一緒にやる自宅での遊びでも、遊び相手が変われば、子どもにとっては普段とは違った経験になると考えました。
使ってみて思ったこと
キッズラインを初めて使って思ったことです。7つあります。
1. 直接的には子どもを見てくれるが、間接的に親もサポートしてくれる
キッズラインが提供するのは、指定した時間に子どもを見てくれることです。その間は親がいなくても、自宅でのケア、保育園や学校への送迎、公園で子どもと遊んでくれます。
直接は子どもを見てくれますが、親へのサポートもしてくれるサービスです。サービス時間の間は、家事も含む育児をしなくてもよいので、自分の時間が確保できます。
2. 親の子育てへの負荷やストレスが減れば、子どもや家族全体に良い効果がある
子どもにとって、キッズラインのサポーターと遊んだり、お稽古や勉強を見てくれることは、良い経験になります。そして、親にとっても上記のようにキッズラインからの恩恵があります。
思ったのは、子どもが幸せになるのは、親 (特に母親) の笑顔がある環境だということです。親が笑顔でいて幸せであれば、子どもにも伝わり、家族全体も笑顔になれます。
3. 信頼できる大人と全力で遊べる時間。教育の観点からも良い
キッズラインの利用目的の1つが、「普段とは違う大人と遊ぶ機会を子どもに提供すること」 でした。
キッズラインのサポーターの人は、子どもだけを相手に、全力で遊んだり見てくれます。親でもなく、保育園や学校の先生とも違う第三者の大人と、充実した時間を過ごせます。
子どもにとっては普段とは違う体験ができ、子どもへの教育という視点から良い機会です。
4. キッズラインは子どもとサポーターのマッチングサービス
キッズラインは、子どもを見てほしい時間や依頼内容をサポーターに伝え、サポーターと合意が取れれば、予約が完了します。
やり方は2つあります。
- ユーザーが希望条件を入力し、検索結果に表示されたサポーターから選ぶ方法
- 条件を提示しサポーターから選んでもらう方法 (サポーター募集)
いずれも、決まる前にあらかじめ希望する依頼内容があり、お互いに納得した上で決定します。
キッズラインを使って思ったのは、ユーザーとサポーターが直接やり取りをする仕組みが整っていることです。それによって、子どもとサポーターのマッチングが機能しています。キッズラインは、マッチングサービスと見ることができます。
5. 評価と信頼が蓄積する仕組み
キッズラインは、ユーザーとサポーターが相互でレビューをします。AirBnB (エアビーアンドビー) と同じ仕組みです。
レビューは以下の流れで行われます (2018年6月現在) 。
- サポート完了後に、子どもの様子やどういったやり取りがあったかのレポートが、サポーターからユーザーへ送られる (アプリで見られる)
- ユーザーはレポートを確認し、サポーターへのレビューをする。「やりとりの丁寧さ」 「全体の満足度」 などの5つの項目で5点満点で評価、および自由記入でのコメント
- サポーターからもユーザーの評価がされる。「依頼内容の正確さ」 「やりとりの丁寧さ」 など4項目で5点満点およびコメント
サポーターにとっては、ユーザーからの評価は自分の仕事の実績です。レビューの平均点数や、親からの感謝のコメントが並ぶので、自分の評価と信頼が蓄積する仕組みです。ユーザーも同様に、丁寧なやりとりができる人なのか、依頼は正確にするかが可視化されます。
サポーターの評価を見て思ったのは、保育士などの資格情報よりも、その人が信頼でき、自分の子どもを預けたいと思える人かどうかの判断基準になることです。
キッズラインを使うというのは、相手への評価と信頼に基づいて提供サービスにお金を支払うことです。信頼や評価経済とは、どういうものかを肌で感じることができました。
6. レビューが過大評価にならないか
一方で、キッズラインのレビュー方式で思ったのは、レビューが過大評価にならないかということです。
ユーザーとサポーターが、お互いに顔を知っている間で相互にレビューをすることによって、無意識にも良い評価が付きやすいと感じました。
アマゾンでは、ユーザーから出品者や商品への一方向のレビューです。ユーザーにとっては、出品者は会わない相手なので、対応に少しでも気になったり不満があれば厳しい評価を付けるでしょう。
しかし、キッズラインでは多少気になったことがあっても、一方向へのレビューに比べ双方向では良い評価が付きやすいです。お互いに直接会っていること、自分に良い評価を付けてほしいという気持ちからです。
1つ1つは小さくても蓄積されれば、キッズライン全体ではレビューが過大に付いている状態です。これが良いか悪いかはわかりません。実態との乖離が大きすぎれば、評価と信頼に基づいた仕組みが成立せず、やがてはユーザーが離れます。サービス提供者であるサポーターも魅力を感じなくなります。
キッズラインは、相互でレビューをするインセンティブがうまく設計されています。相手がやってくれたことに好意を抱き、返したくなるという返報性の原理が見えます。
レビューの中身が実態を正確に示すような設計は、工夫のしどころがあります。
7. 「ベビーシッターのキッズライン」 という打ち出し方でよいのか
キッズラインが掲げているのは 「日本にベビーシッター文化を根付かせる」 というミッションです。キッズラインは、子育て環境を少しでも良くしたいという思いから、社会問題を解決する素晴らしい会社です。
キッズラインは 「業界最安値で安心安全のベビーシッターサービス」 というメッセージを出しています (2018年6月現在) 。子どもの対象年齢は、産前ケアも含めて0歳から15歳までです。
ベビーシッターを誰もが気軽に使えるようになることを使命にし、描いているビジョンは、子育てを社会で共有し、子どもと親も社会も幸せになる世界です。私はビジョンとミッションに共感し、一人のユーザーとしてキッズラインを応援したいです。
一方、もったいないと思うのは、自分たちのことを 「ベビーシッターのキッズライン」 と限定してしまっていることです。
ベビーシッターから抱くイメージは、見てもらうのは赤ちゃんだけになってしまうからです。ベビーシッターと聞いて連想する対象年齢は、私は0歳から3歳程度の子どもです。自分の子どもが10歳の親にとっては、キッズラインをベビーシッターと思われると機会損失になります。
実際のサービス内容を見ると、サポーターによっては家庭教師のような勉強を教えてくれたり、ピアノや絵画などの習いごとの代わりをやってくれる人もいます。
15歳まで対応できることを伝えるには、ベビーシッターと表現するよりも、例えば 「子どもサポーターのキッズライン」 としたほうがよいと思います。
最後に
今回は、キッズラインを初めて使い、思ったことを書きました。
これまで家事代行サービスは使ったことがありましたが、ベビーシッター自体が初めてでした。サポーターを探しマッチングされ、事前のやりとり、当日のサポーターさんと子どもが遊ぶ様子を見るなど、全てのキッズライン体験が興味深かったです。
サービス内容も満足でき、必要に応じてまた使いたいと思えます。また、同じような環境の親の友人や知人にもおすすめしたいサービスです。
最後に、キッズラインの関連エントリーです。よろしければ、ぜひご覧ください。