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ビジネスモデルについてです。筋の良いビジネスモデルかどうかを見極める考え方をご紹介します。
エントリー内容です。
- 筋の良いビジネスモデルを見極める視点
- Google に当てはめた解説
- まとめ
筋の良いビジネスモデルを見極める視点
見極める視点をご紹介する前に、まずは前提です。
ビジネスモデルの要素
ビジネスモデルを見るための要素についてです。以下の3つです。
- 誰が顧客なのか
- どんな価値を提供するのか
- お金の流れはどうなっているのか
3つめのお金の流れについて補足です。
お金の支払いは、顧客に提供する価値への対価としてです。しかし、全ての顧客から必ずしもお金をもらわなくても、ビジネスモデルは成り立ちます。
どの顧客からお金をもらうかと同時に、どの顧客からはお金をもらわないのもポイントです。
筋の良いビジネスモデルを見極める3つの視点
ビジネスモデルが筋の良いものかを見極める視点は、以下の3つが成り立っているかどうかです。
- 価値:主体者や仲介者から、顧客へ提供される価値は何か。関係プレイヤー全員に win-win が成立するか
- 価値の収益化:ビジネスモデルの主体者や仲介者には、提供価値を通して持続的な収益がもたらされるか
- 価値の源泉:提供価値を生み出す源泉は何か。希少性があり真似されにくいか
Google のビジネスモデルに当てはめると
グーグルのビジネスモデルを例に見てみます。先ほどの3つの視点でご説明します。
1. 主体者や仲介者から、顧客へ提供される価値は何か
関係プレイヤー全員に win-win が成立するか
グーグルの収益は、2018年6月現在は大半が広告事業からです。グーグルの広告ビジネスでは、大きく3つの顧客がいます。
- グーグルユーザー (生活者)
- 広告主または広告会社
- コンテンツ保有者
3つの顧客それぞれに、グーグルは以下の価値を提供しています。
- ユーザーへの提供価値:検索サービス、グーグルマップ、YouTube 等の便利なサービスを提供。全て無料で使える
- 広告主への提供価値:広告配信機能。検索広告、バナー広告、YouTube での動画広告など。広告主は自分たちのことを知ってほしい生活者に広告を表示できる価値
- コンテンツ保有者への提供価値:コンテンツの収益化に寄与。例えば、自分のサイトや動画に広告を表示し、成果に連動してグーグルからお金が支払われる
全員に win-win が成立しています。
2. ビジネスモデルの主体者や仲介者には、
提供価値を通して持続的な収益がもたらされるか
ビジネスモデルを見るポイントの1つは、お金の流れです。何の価値に対する対価として支払われるのか、誰から誰にお金が渡るかです。
グーグルのビジネスモデルを収益の観点で見ると、以下のようになります。
- 広告主からお金をもらう
- ユーザーに無料でサービスを提供
- コンテンツ保有者へはお金を支払う (広告主からの収入を分け合う)
グーグルが提供するサービスのユーザーが増えるほど、検索や YouTube などのグーグルのプラットフォームは広告媒体としての価値が上がります。広告主やコンテンツ保有者には、グーグルへの魅力が高まります。好循環で、相乗効果があります。
3. 提供価値を生み出す源泉は何か
希少性があり真似されにくいか
グーグルが提供する価値の源泉は、複数あります。高い技術、投資により構築したインフラ (サーバー等) 、優秀な社員、視座の高い経営層などです。
いずれの源泉もグーグルだけが持っているわけではありませんが、希少性があります。グーグル以外の他社が、ゼロから同じ水準まで短期間で築き上げることは難しく簡単には真似できません。
グーグルと同じビジネスモデルをつくることへの、参入障壁になっています。
まとめ
最後にまとめです。筋の良いビジネスモデルを見極める視点は、以下の3つです。
- 価値:主体者や仲介者から、顧客へ提供される価値は何か。関係プレイヤー全員に win-win が成立するか
- 価値の収益化:ビジネスモデルの主体者や仲介者には、提供価値を通して持続的な収益がもたらされるか
- 価値の源泉:提供価値を生み出す源泉は何か。希少性があり真似されにくいか