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世界最先端のマーケティング という本をご紹介します。読んで思ったことを書いています。
エントリー内容です。
- 本書の内容
- ポイントは 「顧客接点」
- 顧客接点からマーケティングの変革へ
最後にまとめを書いています。
本書の内容
以下は、本書の内容紹介からの引用です。
アマゾンはなぜリアル店舗を展開するのか?ネット & リアル融合の最前線で何が起きているのか?
「世界最先端のマーケティング企業」 の戦い方を多角的に解説する待望の1冊。3つのフレームワークと最新理論で、これからの戦い方を捉える。
ポイントは 「顧客接点」
本書を読んで思ったキーワードは、「顧客接点」 です。
顧客接点とは、消費者と接する場所で、お店、ウェブページ、アプリなどです。広告を出して顧客に見てもらうことも顧客接点に含めます。
アマゾンなどの EC サイトのオンラインを主体にしていた企業が、リアル店舗というオフラインに進出する意図は、顧客接点を増やしたいからです。
なぜアマゾンは顧客接点を増やすのか
アマゾンがアメリカで積極的にリアル店舗に接点を広げています。高級スーパーのホールフーズの買収、レジ無し店舗のアマゾン・ゴーを始めました。
顧客接点という文脈で、私が考えるアマゾン・ゴーの意味は2つです。
- ユーザー体験の向上:レジに並び待たなくても支払いができる快適な買いもの
- ユーザー理解:店舗にアマゾンアカウントでログインし (ユーザー認証) 、店内で商品を選んだり何を買ったかのデータ収集
顧客接点が広がるほど、顧客への提供価値が増え、同時に顧客を知る機会も増えます。
背景は消費者の変化
顧客接点を多様化させる背景は、消費者の行動や生活スタイルが変わってきているからです。
買うものを調べたり実際に買う時に、オンラインとオフラインを行ったり来たりしていることです。ネットかそうではないかは、あくまで、より便利なところを使っているにすぎません。
極論を言えば、オンラインかオフラインかはどちらでもよく、購入体験のより良いところに来ているだけです。
顧客接点での 「対話」
顧客接点の役割は、消費者との 「対話」 です。対話とは、顧客接点のそれぞれで消費者を知り理解すること、そして、消費者に価値を提案し提供することの、双方向のつながりです。
消費者理解は、価値を提供するための源泉になります。
顧客接点で、直接の消費者とのコミュニケーションやユーザーデータの収集によって、その人がどういう人なのか (プロフィール情報) 、実際に商品やサービスをどのように選んで買い、利用したのか (行動情報) がわかります。
対話で重要なのは、提供されることの価値がデータを収集されることよりもメリットがあると、ユーザーが感じられることです。
顧客接点から消費者を知ることによって、消費者に適切な提案ができ、より高い価値を提供することができます。顧客接点で消費者とつながり、対話をすることの意味です。
顧客接点を点から線へ
消費者の購買行動は、買うものを選び、実際に買い、買った商品やサービスを使います。「選択 → 購入 → 利用」 です。
本書が指摘するのは、顧客接点からの対話が購入だけという点から、選択・購入・利用のいずれでも顧客とつながり、対話をすることです。顧客接点を点から線にします。
顧客接点からマーケティングの変革へ
本書に書かれているのは 「チャネルシフト戦略」 です。顧客接点を消費者の行動に合わせて多様化し、マーケティングそのものを変えていくアプローチです。
ポイントは、次の3つです。
- オンラインを基点としてオフラインに進出する
- 顧客とのつながりを創り出す
- マーケティング要素自体を変革する
3つめのマーケティンそのものを変えるとは、顧客接点ごとにマーケティング施策である 4P (promotion, place, plice, product) を最適化することです。
これまでの実店舗というオフラインのみ、もしくはネットのオンラインのみで行なっていた 4Pを、オフラインとオンラインの両方で、それぞれで一貫性をもたせることです。
重要なことは、ビジネスを展開する企業側は、顧客接点ごとに意図を持ってマーケティング施策を行えるかです。
まとめ
今回は、世界最先端のマーケティング という本を読み、思ったことについてでした。
まとめると、以下となります。
- 消費者はオンラインとオフラインを行ったり来たりしながら 「選択 → 購入 → 利用」 のプロセスを経ている
- 企業はこの変化に合わせて顧客接点を多様化し、接点ごとに対話を行なう必要がある (点から線へ) 。対話とは、消費者理解と、理解に基づく価値の提案と提供
- 顧客接点ごとにマーケティング施策 (4P) を最適化させる。つながりと対話から、意図を持ってマーケティングをデザインできるかが問われる