Menu

業務プロセス改善プロジェクトの相談回答。着眼点は目的に立ち返り 「手段の目的化」 が起こっていないか


Free Image on Pixabay


1122回目のブログ更新です。今回は、企業の業務プロセス改善についてです。

  • 自分が関わっている業務プロセスには無駄が多いと思う
  • もっと効率よくプロセスにしたい
  • 業務プロセス改善はどうすればいい?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事で書いているのは、会社での業務プロセスを改善するにあたって、どんな着眼点を持てばよいかです。

記事の背景は、知人から相談を受けたことです。その時に答えたことを、ブログ記事でも残しておき、読んでいただいた方の役に立てばと思い、書きました。

ぜひ、最後まで読んでみてください。

以下は、記事の内容です。

  • 知人からの相談 (業務プロセス改善)
  • 目的に立ち返る
  • 変化とリスクテイク


知人からの相談 (業務プロセス改善)


知人から、自社での業務プロセス改善のプロジェクトに参加することになったという話を聞きました。

プロジェクト発足の背景は、単純作業をひたすらやってる裏方の人が多くいて、その人たちがもっと簡単にやれる方法があるのではないかという疑問からのようです。

社内には色々なシステムがあるが一元的運用されておらず、ばらばらで動いている、この無駄を解消したいと有志が立ち上がったとのことです。

様々な業務フローで、未だにアナログなやり方が残っているとのことでした。例えば、以下のようなやり方です。

  • 業務依頼は未だに紙ベース。FAX でのやり取りが多い
  • FAX の内容をエクセルに打ち直して仕入先に発注するという無駄な作業がある
  • 自動化できるものも、人がわざわざ数えて発注している

聞いていると確かに効率が良いとは思えませんでした。二度手間が発生していたり、そもそも本当に必要なのかどうかと思うものもあります。

知人が言っていたことで印象的だったのは、「手間のかかることをやり続けることが仕事だと勘違いして、自分たちの業務が大変だ大変だと言ってる」 でした。


目的に立ち返る


一般論として私がアドバイスしたのは、業務プロセスのそもそもの目的に立ち返ることです。

プロセスは、あくまで目的を達成するための手段です。しかし、目的はいつしか意識されず忘れられ、手段であることをやること自体が目的になってしまうことがあります。手段の目的化が起こっていないかを、あらためて目的に戻ることによって把握します。

今のそのプロセスは、できあがった当時は目的を達成するために最も良い方法だったのでしょう。しかし、環境が変わり、したがって本来はその手段も変化に合わせてアップデートされるべきでした。

手段はずっと同じままで、かつ手段の目的化が起こってしまったために、次第に目的を果たすための最適な手段ではなくなったのです。

業務プロセスの見直しで大切なのは、そのやり方だけを見て表面的に改善をするのではなく、あらためて目的に立ち返ることです。

目的自体が形骸化してしまったのであれば、手段であるそのプロセスはそもそもは不要であるという結論になります。


変化とリスクテイク


長年の積み重ねである業務プロセスを変えることは、リスクが伴います。手段の目的化が起こってしまっている場合はなおさらです。

人は本質的には変化をすることを避ける動物です。本能として、これまでの方法でやってきたのだから、わざわざ変えることは生き残れないという不確実性を高めるからです。

しかし、外部環境は常に変わるので、自分たちも変化に合わせて適応しないと変化に取り残されます。変化についていけないことによって、自分たちが生き残れなくなります。

リスクをいかに適切に取るかです。リスクを見極め、取れる範囲でリスクテイクをします。

なお、変化とリスクテイクについては別のエントリーで書いています。よろしければ、ぜひご覧ください。




まとめ


今回は、業務プロセス改善の相談と、その時に答えた内容をご紹介しました。

最後に今回の記事のまとめです。

  • 今のそのプロセスは、できあがった当時は目的を達成する最も良い方法だったかもしれない。環境が変わり、手段も変化に合わせてアップデートされるべきだった。
    しかし、手段はずっと同じままで、かつ手段の目的化が起こってしまったために、次第に目的を果たすための最適な手段ではなくなったのではないか

  • 業務プロセスの見直しで大切なのは、そのやり方だけを見て表面的に改善をするのではなく、あらためて目的に立ち返ること。
    目的自体が形骸化してしまったのであれば、手段であるそのプロセスはそもそもは不要であるという結論になる

  • 長年の積み重ねである業務プロセスを変えることは、リスクが伴う。手段の目的化が起こってしまっている場合はなおさら。
    外部環境は常に変わるので、自分たちも変化に合わせて適応しないと変化に取り残される。変化に適応しないと、自分たちが生き残れなくなる。
    リスクをいかに適切に取るか。リスクを見極め、取れる範囲でリスクテイクをする


最後に


今回は、知人から相談を受けた企業での業務プロセス改善について考えたことを書きました。

大切だと思ったのは、目的と手段の見極めです。目的にあらためて立ち返った時に、本来は手段にすぎないことに 「手段の目的化」 が起こっていないかです。

目的から照らし合わせてゼロベースで見た時に、本来の目的は今も妥当なものなのか、目的を達成するために最も適切なやり方は何かです。急がば回れで考えることが、業務プロセス改善につながります。

最新記事

Podcast

多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。