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1121回目のブログ更新です。今回は、マネジメントとプロダクトマネージャーについてです。
- マネジメントは 「管理」 ではない。マネジメントの本質は?
- プロダクトマネージャーの役割は?
- プロダクトマネジメントを成功させるポイントは?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事で書いているのは、マネジメントとは何か、プロダクトマネジメントについてです。
プロダクトマネージャー (PM) の役割と、私が業務で PM をやっている中でマネジメントで大切にしていることをご紹介しています。ぜひ、最後まで読んでみてください。
以下は記事の内容です。
- マネジメントとは何か
- プロダクトマネージャーの役割
- プロダクトマネジメントで大切にしていること
マネジメントとは何か
マネジメントは日本語では 「管理する」 と訳されますが、ビジネスにおいては管理と捉えるとマネジメントの本質を見誤ります。
管理というよりも、マネジメントとは制約条件のある状況において 「なんとかやりくりすること」 です。こちらを立てればあちらが立たないという場合でも、最適解を見い出すことです。
チームや部下のマネジメントは、単に人や組織を管理するだけではありません。時には相反する制約の中で、チームの目標を立て、解決すべき問題を設定し、どう人や組織を成長させるかです。
マネジメントには、次の4つがあります。
マネジメントの4つの要素
- ビジョンを描き、目的に落とし込む [Why]
- Why を実現するための戦略をつくる [What]
- 戦略を実行するために PDCA をまわす [How]
- 人と組織の成長に貢献する [Who]
プロダクトマネージャーの役割
ここからは、プロダクト開発や運用を主導するプロダクトマネジメントについてです。
プロダクトマネージャーの役割は、大きくは次の3つです。
プロダクトマネージャーの役割
- 開発するプロダクトを定義する
- 関係者と意思疎通や合意形成をする
- ユーザーと対話をする。フィードバックから学び、プロダクト開発や運用に活かす
プロダクトの開発やサービス運用も含めて 「管理する」 だけでは、プロダクトマネージャーは務まりません。
マネジメントはクリエイティブなことです。ユーザーが抱えている問題、潜在的なニーズ、関係者からの開発要望などの、様々な要件に対してなんとかやりくりをして、目指すプロダクト像を実現します。
プロダクトマネージャーとして問われる資質は何かを考えると、以下があります。
- 構想力
- 決断力
- 意志力
- 実現力
- 人間力
これらの要素は、マネージャー全般に当てはまることです。
プロダクトマネジメントで大切にしていること
私が仕事でプロダクトマネージャーを担うにあたって、マネジメントでのポイントを挙げるならば、以下の3つがあります。
プロダクトマネジメントのポイント
- いかに一体感のある開発チームをつくれるか
- Must have と Nice to have を見極める (やらないことを決める)
- 時には前提や制約条件を問い直して最適解を見い出す
以下、それぞれについて補足します。
[ポイント 1] いかに一体感のある開発チームをつくれるか
プロダクトマネジメントとは、プロダクトというモノのマネジメントだけではありません。プロダクトマネージャーが求められるのは、開発エンジニアといかに一体感のあるチームをつくれるかです。
チームのマネジメントには以下の観点があります。
チームのマネジメント
- ビジョン:プロダクトのビジョンを示す。開発するプロダクトが実現したい世界観は何か。存在意義は何か [Why]
- 戦略:開発において何をやって、何をやらないのか。どこにリソースをかけるか。特にやらないことは何かを決める [What]
- オペレーション:開発スプリントをまわすなどの開発のオペレーションのマネジメント。いかに PDCA を早く的確にまわせるか [How]
- 人・組織:開発エンジニアとの密なコミュニケーション。開発関係者 (例: 営業・マーケティング・経営陣) との意思疎通。エンジニアに成長の機会を与えられるか [Who]
[ポイント 2] Must have と Nice to have を見極める (やらないことを決める)
プロダクトマネージャーの役割の一つは、開発するプロダクトを定義することです。
定義をつくるために大事なのは、優先順位を明確にし何をやって何をやらないかを決めることです。優先順位とともに、Must have と Nice to have の境界線はどこかを見極めます。
Must have とは、開発に必須なことです。例えばその機能がないとプロダクトとして成立しないようなことです。一方の Nice to have とは、もちろんあれば望ましいが必ずしもなくてもプロダクトとしては機能するものです。
開発リソースに限りがある中では、全ての開発要件を満たすプロダクト定義は現実的ではありません。どこかで、何かを捨てる線引きが必要です。プロダクトマネージャーの役割は、その線をどこで引くかの判断と意思決定です。
特にプロダクト開発初期において、MVP という実用最小限のプロダクトを開発し、ユーザーのニーズを満たすかどうかの市場性を見極める段階では、MVP は Must have に絞って開発をします。
始めからあれもこれもと開発要件を積み上げてしまい開発リソースをかけたにもかかわらず、万が一に開発するプロダクトがマーケットに受け入れられないと、開発初期の限られたリソース状況においては死活問題です。
ユーザーにとって本当に必要なことは何かという視点から、Must have と Nice to have を見極めます。別の言い方をすれば、やらないことを決めることです。
[ポイント 3] 時には前提や制約条件を問い直して最適解を見い出す
マネジメントとは、相反する制約条件下においてなんとかやりくりをして最適解を見い出すことです。
時には前提や制約条件そのものを問い直すことも大事です。そもそものところを見直せないかを問う姿勢です。この場合は A か B かではなく、制約条件を外し A でも B でもない C を出せるかです。
まとめ
今回は、プロダクトマネジメントを例にマネジメントとは何かを考えました。
最後に今回の記事のまとめです。
- マネジメントとは制約条件のある状況において、なんとかやりくりすること。こちらを立てればあちらが立たないという場合でも、最適解を見い出す。
マネジメントには4つの要素があり、
- ビジョンを描き、目的に落とし込む [Why]
- Why を実現するための戦略をつくる [What]
- 戦略を実行するために PDCA をまわす [How]
- 人と組織の成長に貢献する [Who]
- プロダクトマネージャーの役割は、
- 開発するプロダクトを定義する
- 関係者と意思疎通や合意形成をする
- ユーザーと対話をする。フィードバックから学び、プロダクト開発や運用に活かす
- プロダクトマネジメントのポイント (自分が大切にしていること) は、
- いかに一体感のある開発チームをつくれるか
- Must have と Nice to have を見極める (やらないことを決める)
- 時には前提や制約条件を問い直して最適解を見い出す