Free Image on Pixabay
1125回目のブログ更新です。
今回は、仕事でのコミュニケーションツールについてです。
ビジネス向けメッセージサービスの Slack を取り上げ、仕事でのオンラインのコミュニケーションは、今後はメールではなくメッセージツールが中心になるということを書いています。
エントリー内容です。
- スタートアップとコミュニケーションツール
- Slack の特徴 (使いやすい理由)
- メールからメッセージ・チャットへ
スタートアップとコミュニケーションツール
フリーランスとして独立し、スタートアップ企業の業務支援をしています (2019年1月現在) 。
私の知る範囲では、社員規模が50人未満程度のベンチャー企業では、社内のコミュニケーションツールは Slack や ChatWork などのメッセージサービスが主流です。メールよりも使われています。会社によっては、社内コミュニケーションは Slack だけで成立しているところもあります。
前職ではメールが中心で、必要に応じてメッセージを補足で使う程度でした。Slack だけでのコミュニケーションや情報共有に始めは慣れませんでしたが、今はメッセージサービスを中心にしたやり取りのほうが、メールが主流よりも仕事がしやすいです。
Slack の特徴 (使いやすい理由)
オンラインでのコミュニケーションツールで Slack が使いやすいと思う理由は、次の通りです。
- ダイレクトメッセージとチャネルが分かれている
- リアクションボタンがつけられる
- 通知のコントロールができる
- スレッドで会話のフローが分岐できる
- API 連携が充実している
以下、それぞれについての補足です。
1. ダイレクトメッセージとチャネルが分かれている
ダイレクトメッセージでは、少人数のグループで会話ができます。相手が1人の場合の2人グループと、3人以上の複数人のグループです。
ダイレクトメッセージは、一時的なコミュニケーションで利用します。一定期間がすぎればリストから非表示になります。リスト内で増え続けることがなく管理しやすいです。
一方のチャネルは、参加している限りリスト内に表示され続けます。チャネルでは、例えば以下のようなグループでコミュニケーションや情報共有ができます。
- 全社での業務連絡
- 全社会議の連絡 (全体朝会やスプリントなど)
- ニュース記事などの共有
- 部署などの組織ごと
- プロジェクトごと
- 役員以上、マネージャー以上などの特定のレイヤー
- 顧客情報共有 (訪問や来訪の報告の場)
- その他 (例: ワイン好き、ゲーム部などの集まり)
Slack はダイレクトメッセージとチャネルの UX が異なるところに特徴があります。
ダイレクトメッセージの使い方は、従来のメッセージサービス (例: Google Hangout) やフェイスブックメッセンジャーと同じです。チャネルは、オンライン掲示板に近い使い方です。
メッセージはいずれもフローとして流れていきますが、よりフローの要素が強いのがダイレクトメッセージです。
Slack が便利なのは、コミュニケーションの意図によってダイレクトメッセージとチャネルを使い分けられることです。
2. リアクションボタンがつけられる
Slack にはリアクションボタンという機能があります。Facebook のいいねボタンのようなもので、多くのリアクションが用意されています。自分たちでつくったボタンを追加することもできます。
メッセージ内容によってはテキストで返すほどのものではなくても、リアクションボタンで気軽に反応することができます。自分の投稿メッセージにリアクションボタンが付くだけでも、うれしいと感じることもあります。
コミュニケーションのスピードが上がり活性化してくれるのが、リアクションボタンです。
3. 通知のコントロールができる
Slack での参加チャネルが多くなると、全てのチャネルの新着メッセージをその都度確認していると、仕事での集中が妨げられる要因になります。
Slack では通知のコントロールができ、チャネル内の全てのメッセージに通知が来るようにするか、自分へのメンションが来た時だけ、または必要に応じてミュートにすることもできます。パソコンとスマホで通知を分けることも可能です。
4. スレッドで会話のフローが分岐できる
Slack にはスレッド機能があります。スレッドを使うと、チャネル内の特定の人だけでの会話ができます。
例えば、その相手だけに質問をすれば事足りるとき、「了解です」 などの一言メッセージで済む場合は私はスレッドのほうを使っています (文字すらも不要だと思えばリアクションボタンで返します) 。
そのやり取りに関係ない人からすると、メッセージのやりとりをチャネル内で長く続けられるより、スレッド上でやってくれるほうがよいのではと思います。
5. API 連携が充実している
Slack の特徴は他のサービスと API で連携できることです。
例えば、Google Drive や Evernote 、プロダクト開発のツールであれば Jira や GitLab とつなぐことができます。API 連携により、他のツールでの更新情報が自動で Slack のチャネル内に流れてくるので情報の一元管理ができます。
メールからメッセージ・チャットへ
社内でのコミュニケーションが活発な企業や組織で思うのは、メールではスピード感に追いつけないことです。Slack のようなメッセージツールに比べ、メールはコミュニケーション速度が遅く、会話の密度も低いです。
メールの設計思想は、手紙からのアナロジーで作られています。対してメッセージツールは会話からのアナロジーです。
長い文章であればメールは便利ですが、スタートアップでの社内のオンラインコミュニケーションを見ていると、自然とメールは淘汰され、Slack のようなメッセージツールが中心になっています。会社によっては、Slack だけで完結しています (メールは社外の人とのやり取りのみ) 。
メール文化は今後は最適なものではなくなり、メッセージやチャットのサービスが主流になっていくのではないでしょうか。
最後に
今回は、ビジネスでのオンラインコミュニケーションについて書きました。
前提としては少なくともベンチャー企業や中小企業の規模では、Slack のようなメッセージが使いやすいように思います。大企業でも同じなのかは興味深いテーマです。