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1142回目のブログ更新です。今回は、会議のファシリテーションについてです。
業務で、ファシリテーションの仕事を依頼されることがあります。ファシリテーションを担当するにあたって、気をつけていることや心がけていることをご紹介します。
もしファシリテーションをされることがあれば、参考になれば幸いです。
エントリー内容です。
- 会議は準備が8割
- ファシリテーターが会議中にやること (始め方・会議中・終わり方)
会議は準備が8割
私の会議への考え方は、準備が大事だということです。ファシリテーションを受ける場合も、事前にどれだけ準備ができるかがポイントです。
会議の準備では、具体的には以下を整理します。
- 目的とゴールイメージ (どういう状態になれば会議目的を達成したか) が明確か
- アジェンダをどう設定するか、必要な資料は何を用意するか
- 会議形式は適切か、参加者設定は適切か、時間設定は長すぎず短すぎないか
覚えやすいフレームは、次の4つの P で会議設計をします。
- Purpose: 目的とゴール (目的の達成地点) を設定する。何のための会議かを明確にする
- People: 参加者を決める。参加してほしい人は誰か、誰と議論すべきか
- Process: 議題は何か、時間配分はどれくらいか。各議題に対してシナリオをつくる (どう進めたらスムーズに議論できるか)
- Property: 必要な資料、会議室、ホワイトボードやパソコン画面の投影器材があるかなど、議論をするために必要なものは何か
ただし、会議当日では事前準備にこだわりすぎないことです。
大事なのは、議題ごとのシナリオを事前に考えるプロセスです。会議のシミュレーションがあらかじめできていれば、会議中の不測の事態にも対応しやすくなります。
ファシリテーターとしてやること
ここからは、ファシリテーターとして会議中に心がけていることをご説明します。
大きくは時系列で3つのフェーズに分かれます。
- 会議の始め
- 会議中
- 会議の終わり
以下、それぞれについて解説します。
1. 会議の始め方
私が大事にしているのは、会議の始め方です。本格的な議論に入る前に、メンバーの会議への認識や温度感を合わせます。
認識を合わせるために、事前準備でつくった会議設計の内容をあらためて共有します。ホワイトボードやスライドで、文字で示しながら伝えると効果的です。
会議設計は以下の3つのフレームです。
- Why: 会議の目的、ゴール設定 (どういう状態になれば目的を達成するか)
- What: 何を話す会議なのか。会議のアジェンダ
- How: 所要時間。どんな形式の会議か
なお、特にブレストなどの時間を取っての会議では、本題に入る前に 「チェックイン」 をします。チェックインでは、例えば以下のようなことを1人1分程度で全員に他のメンバーに話してもらいます。
- 自己紹介 (初対面の場合。名前や所属部署だけではなく、趣味など人柄がわかる情報も入れる)
- この会議に期待すること、意気込み。併せて不安に思っていることも言ってもらうとよい
- 前回の振り返り (会議が前回からの続きで2回目以降であれば)
チェックインの役割は、アイスブレイク、ウォーミングアップです。
始めにメンバー全員が話す機会をつくり、他のメンバーが自分の話すことを聞いてくれることによって、その後の本題での議論が活性化されます。
2. 会議中
ファシリテーションで、会議中に意識してやるようにしていることは、以下があります。
発言の可視化
- ホワイトボードに書き留めていく
- 無理にまとめようとしない。公開メモを取るイメージ
- 必要に応じて図も使う
発言を促す
- 質問を使ってメンバーの発言を促す
- よく使う質問は、どう思うか、なぜ、それはどういう意味か (抽象的な言葉などについて) 、具体的に言うと、他には
発散と収束を切り替える
- 議論が発散するのはよいが、収束させるタイミングをいつにするかは意識する
- ただし会議が活性化しているなら、無理にまとめようとしなくてよい
会議を俯瞰する
- 一歩引いた立場で会議を俯瞰できるとよい
- 今どんな話をしているのか。それは全体やゴールから見て、どのあたりにいる話なのか (抽象度のレイヤー、ゴールからの距離)
3. 会議の終わり方
議論が盛り上がっても、私の原則は会議は時間通りに終わることを優先します。
最低でも会議終了時刻の5分前には会議のクロージングに入るようにします。クロージングでは、以下を確認し会議の成果物としてメンバー間の認識を合わせます。
- 決まったこと。決まらなかったこと (次回への持ち越し、参加者以外に確認が必要なもの等)
- タスク (何を・誰が・いつまでに)
- 今後の進め方や次の会議日程
認識をきっちりと合わせるためには、会議オーナーやファシリテーターの声 (音声情報) だけではなく、ホワイトボードや画面共有による文字での視覚情報を使うとよいです。
最後に
今回は、会議でのファシリテーションについて書きました。
自分がファシリテーションをする時のスタンスは、ファシリテーターが一人で重荷を背負わないと考えることです。ファシリテーターだけが会議のまとめ役をするよりも、会議は参加者の皆でつくっていくものです。
会議を効率的に行ない生産的な場にするためにも、会議の準備と運営で今回ご紹介したことが参考になればうれしいです。