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1141回目のブログ更新です。
今回は、直感についてです。直感とは何か、直感とどう向き合い、直感力を鍛えるにはどうすればよいかを考えます。
エントリー内容です。
- 直感とは何か
- 羽生善治氏の直感論。直感はどうやって生まれるのか
- 直感力の鍛え方
直感とは何か
私自身の経験からすると、直感はおおむね正しいです。
なんとなくこうだと思う、おもしろそう、自分に合っていそう、自分とは違う気がする、合わないと思ったことは、後から振り返ってもその通りとうことがよくあります。
そもそも直感とは、何でしょうか?
私が思う直感の特徴は、以下です。
- 直感はなんとなくだが合っていると思う。ただし、自分でもなぜそう感じたか、思ったかがわからない
- 直感は暗黙知。潜在意識にあったものが顕在化しかかっている暗黙知である
- 後から振り返ると、直感は何かしらの自分の経験や知識によって生まれていると気づくことがある
羽生善治氏の直感論
将棋の羽生善治氏とサッカーの岡田武史氏は、対談本である 勝負哲学 において、直感を次のように語っています。
岡田:答えを模索しながら思考やイメージをどんどん突き詰めていくうちにロジックが絞り込まれ、理屈がとんがってくる。ひらめきはその果てにふっと姿を見せるものなんです。
(中略)
羽生:さきほど十手先も読めないという話をしましたが、では、どうやって手を絞り込むかといえば、まさに直感なんです。平均八十通りの手から直感的にふたつか三つの候補手を選び、そこからさらに歩を動かすと桂馬を飛ぶといった具体的なシミュレーションをするのですが、このとき残りの七十七 ~ 七十八の可能性を検討することは基本的にはしません。
直感によるオートフォーカス機能を信用して、直感が選ばなかった他の大半の手はその場で捨ててしまうんです。最近のカメラには自動焦点機能がついていて、カメラが自動的にピントを合わせてくれますが、直感の作用はあれによく似ています。
(引用:勝負哲学)
羽生氏は、直感はヤマカンとは異なると言います。
何もないところから思い浮かぶものではなく、もっと構築的なもので、今までの経験や努力の積み重ねを通して得られると表現します。
岡田氏も直感やひらめきの後ろには、たくさんのものが詰まっていると述べています。直感とロジックの関係について、「直感はロジックを超えるものだが、同時に直感はロジックによって支えられている」 と説明しています。
直感はどうやって生まれるのか
直感が生まれるプロセスを自分なりに整理すると、
- ロジックの上にできる。普段から考えていることの積み上げた上にできる
- 自分の過去の体験・経験・知識の様々が結びつき生まれる (ただし具体的にどれによってできたのかはすぐにはわからない)
直感は今までの自分の行動や思考という経験の総体から生まれるものです。別の表現をすれば、これまでの自分の形式知を基に新しい暗黙知として得られたものです。
直感力の鍛え方
直感が形式知から暗黙知への創造だと捉えれば、直感の鍛え方に示唆があります。
私が思う直感力の鍛え方は、
- 直感に向き合う
- 暗黙知の形式知化
- 人間力を高める
[鍛え方 1] 直感に向き合う
- 自分の直感に敏感になる。直感を信じてみる (直感に従って決める、行動する)
- 直感が得られたら、なぜ自分はそう感じたのかを深掘りする
- 直感に従った行動の振り返りをする。注意点は、もし直感に沿った行動が間違っていたとしても、直感を信じて行動したこと自体は否定しない
[鍛え方 2] 暗黙知の形式知化
- 普段から自分の暗黙知を形式知化する
- 直感とは形式知から新しく暗黙知として生まれるもの。形式知化し直感が生まれる土台をつくっておく
- 具体的な方法は、なんとなく感じたこと・まだ頭の中で整理されていないことを、人に話したり紙に書き出す (内省 → 言語化 → アウトプット)
[鍛え方 3] 人間力を高める
- 直感は思考を通さずに心で判断する。よって心がいかに正しくあるか、清くあるかが問われる
- 真っ当な心であるために人間力を高める。具体的には、人が見ていなくても自分を律した振る舞いが取れるか、自分に嘘はつかずに自分自身を誇れるか
まとめ
今回は、直感について考えました。まとめると、以下になります。
- 直感は 「なんとなく」 としか言えないが、正しいと思うもの。後から振り返ると、おおむね正しいことが多い
- 直感はロジックの上にできる。これまでの行動と思考の積み重ねによって生まれる。形式知から新しい暗黙知として得られるもの
- 直感の鍛え方は、直感に向き合い、普段から暗黙知の形式知化を習慣にし直感が生まれる土台をつくっておく。正しい心であるために人間力を高める