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1182回目のブログ更新です。
今回は、ビジネスでのゴール設定についてです。ある本に書かれていたゴール設定から思ったことを書いています。
このエントリーで読んでいただきたい内容は、以下です。
- 5段階のゴール設定
- 会議への応用
- プロジェクトへの応用
5段階のゴール設定
エンジニアリング組織論への招待 - 不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング (広木大地) という本に書かれていて興味深いと思ったのは、5段階のゴール設定です。
以下の5つで、下に行くほど強く明確なゴールの描き方です。
- 願望: 「~ であればなぁ」 [Wish]
- 義務: 「~ しなければいけない」 [Must]
- 欲求: 「~ したい」 [Want]
- 意思: 「~ するぞ」 [Will]
- 必然: 「~ になっている」 [Be]
印象的だったのは、最後の5つめです。
ゴール設定を必然として表現することです。「~ になっている」 とゴール設定の時点ですでに達成したかのような確信を持って、ゴールが頭の中で描けています。
会議への応用
必然でのゴール設定は、仕事で応用ができます。例えば会議のゴール設定です。
私は会議の準備を大事にしています。「準備が8割」 だと考えています。会議の準備では、次のことをやります。
- 目的
- ゴール設定
- 議題と論点、時間配分
- 参加者の選定
- 資料準備、事前依頼、会議室の確保
以上から会議設計をし、急な当日の会議以外は少なくとも24時間前までに関係者に連絡を入れます。
会議のカレンダーにも会議設計は記入します。少なくとも上から3つの 「目的」 「ゴール設定」 「議題」 は入れます。
このゴール設定の書き方で、先ほどの5段階のゴール設定を活かせます。
欲求のレベル、例えば 「この案件の意思決定をしたい」 ではなく、必然である 「意思決定をしている」 とするのです。
会議オーナーである自分の中でだけ必然として描くだけではなく、会議参加者の全員にゴール設定が必然になっているとよいです。あえて 「今日のゴール設定は、xxx していることです」 と言い切ります。
会議招集の連絡と、会議の冒頭での参加者と会議の位置付けの認識をそろえる際にも、必然の表現でゴール設定を言葉で伝えます。
プロジェクトへの応用
必然でのゴール設定は、プロジェクトマネジメントにも活かせます。
プロジェクトのゴールイメージを欲求や意思の段階ではなく、必然で考えます。プロジェクトが成功に終わった状況を確信を持って 「~ になっている」 と言い切ります。
ゴールを必然で設定することによって、
- メンバーのゴールイメージの認識がそろう
- モチベーションが高まる
もちろん、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーは、成功を確信すると同時に、頭の中では悲観的なシナリオを想定しておくことも大事です。
What if という 「もし ~ が起こったらどうするか」 を常に考えます。不確実要素に対して最悪のケースも想定し、同対応するかの代替案 (プラン B) を持っておきます。
まとめ
今回は、ゴール設定について考えました。最後にまとめです。
- ゴール設定の5段階は、願望、義務、欲求、意思、必然。順番に強くなり、最後の必然では 「~ になっている」 と確信を持ってゴールイメージを描く
- 会議への応用は、会議設計でのゴール設定を例えば 「この案件の意思決定をしている」 と言い切る。会議の冒頭でも言葉で伝え、参加者のゴールへの認識をそろえる
- プロジェクトの応用では、プロジェクトが成功に終わった状態を必然で表現する。プロジェクトメンバーのゴールへの認識が揃い、モチベーションも上がる。ただし、プロジェクト責任者は、順調にいくシナリオだけではなく、What if を考え、起こった場合の代替案を用意しておくこと
エンジニアリング組織論への招待 - 不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング (広木大地)