今回は、新規事業の立ち上げについてです。
- ベンチャー企業では、新規事業の立ち上げをどう判断している?
- 3つの判断軸で Go / No Go を決める方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、ベンチャー企業での事業規模で新規事業を立ち上げる時に、どのような判断軸で意思決定をするかです。
新規事業に Go を出すかを決断するために、汎用的に使える判断軸をご紹介します。ぜひ記事を読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。
新規事業の判断軸
今回のご紹介するのは、新規で事業を立ち上げるかどうかの判断軸です。
前提として、ベンチャー企業の経営規模を想定しています。具体的には、年間の売上が5億から30億円の規模です。
意思決定のための判断軸は3つ程度に絞ります。シンプルな運用にするためです。
具体的には、次の3つの判断軸です。
新規事業の立ち上げを決める判断軸
- 市場の魅力
- 自社がやる意味合い
- 責任者 / 担当者の熱意
では、3つを順番に解説していきます。
[新規事業の判断軸 1] 市場の魅力
1つ目の判断軸は、戦場をどう見立てているかです。以下の3つから、市場がどの程度で魅力なのかを見極めます。
市場の魅力
- 顧客かを見極め市場を定義。市場の成熟度合い
- 競合との競争環境。自分たちの勝ち筋 (勝てるか)
- 勝てるだけではなく儲かるか
市場の魅力とは、規模感と市場変化の早さ、「勝てるか」 と 「儲かるか」 です。
勝てるかと儲かるかを分けているのは、市場で勝てたとしても (シェアを取れても) 、収益性が見込めなければ持続的な事業にはなり得ないからです。
収益見込みは、最初から精緻な事業計画に落とし込まれている必要は必ずしもないですが、コスト構造と収益構造をどう見るかで、市場の魅力が見えてきます。
[新規事業の判断軸 2] 自社がやる意味合い
他社ではなく、なぜ自分たちがやるのかです。
ちなみに私の前職のグーグルでは、よく 「Why Google」 という言葉を使っていました。新規事業ほどの大きなプロジェクトでなくても、その業務を自分たちがやる意味、本質的にグーグルがやる意味はどこにあるのかを常に議論していました。
話を戻して、自社がやる意味合いは、次の判断軸から見い出します。
自社がやる意味合い
- ビジョンの実現につながるか。ミッションに沿っているか
- バリュー (価値基準) を体現するか
- 既存事業とのシナジーはあるか
たとえ市場がどんなに魅力的でも、自社のビジョンやミッション、バリューにそぐわなければ、新規事業として参入するのは勧められません。短期的には売上や利益が出るとしてもです。
判断軸に、「自分たちらしさ」 を入れての新規事業の立ち上げ判断を入れるとよいです。
[新規事業の判断軸 3] 責任者 / 担当者の熱意
3つ目の判断軸は熱意です。
具体的には、次の観点から判断します。
責任者 / 担当者の熱意
- 当事者意識。上げてきたプランを自分がやり切る覚悟を持っているか
- 現場メンバーはワクワクしているか
共感度の扱い
なお、判断のために 「共感度」 を入れるかどうかの補足です。共感度とは、まわりや経営陣がその新規事業に共感するかです。
私の考え方は、新規事業チーム以外の外部メンバーが広く共感するかは、立ち上げ判断軸には入れなくてよいというものです。
新しい事業アイデアについて、当事者以外は、その意味や可能性の何がすごいかを理解できない場合があります。当事者であるリーダーやチームメンバーは実現したい世界観を描けても、外部には同じ世界観をすぐには共有できないのです。
広く共感されることを判断軸にしてしまうと、とがったアイデアを実行できない可能性が出てきます。立ち上げを判断する評価者に 「共感度」 という、ある種の多数決を安易に入れないほうがよいと考えます。
それよりも、3つの判断軸の最後で見たような、責任者や担当者の熱意にフォーカスして、圧倒的な当事者意識があるかどうかを見るようにします。
まとめ
今回は、特にベンチャー企業の規模感での新規事業の立ち上げへの判断軸をご紹介しました。
最後に今回の記事のまとめです。
新規事業の立ち上げを決める判断軸
- 市場の魅力
- 自社がやる意味合い
- 責任者 / 担当者の熱意
[新規事業の判断軸 1] 市場の魅力
- 顧客かを見極め市場を定義。市場の成熟度合い
- 競合との競争環境。自分たちの勝ち筋 (勝てるか)
- 勝てるだけではなく儲かるか
[新規事業の判断軸 2] 自社がやる意味合い
- ビジョンの実現につながるか。ミッションに沿っているか
- バリュー (価値基準) を体現するか
- 既存事業とのシナジーはあるか
[新規事業の判断軸 3] 責任者 / 担当者の熱意
- 当事者意識。上げてきたプランを自分がやり切る覚悟を持っているか
- 現場メンバーはワクワクしているか