
今回は、ビジネスセンスについてです。
この記事でわかること
- ビジネスセンスとは何か
- センスとスキルの関係
- ビジネスセンスの磨き方 「具体と抽象の往復運動」
スキルとセンスという視点は、自分の専門スキルやキャリアを振り返る、これからを考える時のレンズになります。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアでの参考にしてみてください。
スキルとセンスの違い
皆さんはもし、「スキルとセンスの違いは何か?」 と聞かれれば、どのように答えるでしょうか?
スキルとセンスについて考えるきっかけになったのは、戦略読書日記 - 本質を抉りだす思考のセンス を読んだからです。
スキルとセンスを、学校の教科に当てはめると、次のようになります。
スキルとセンスの違い
- スキル: 国語, 算数, 理科, 社会, 英語
- センス: 課外活動
ビジネスセンスとは
そして、ビジネスセンスとは、以下です。
ビジネスセンス
- 頭の中の引き出しの多さ
- その状況で適切に引き出しを使える
引き出しの多さは、場数からです。
ビジネスでセンスがあるためには、引き出しが多いだけでは十分ではありません。それぞれの文脈において、数ある引き出しの中から最適な引き出しを選べる能力です。
もう少し掘り下げると、ビジネスセンスは 「その人らしさ」 の総体です。総体は、経験、知識、立場、価値観、人格が全て合わさってでき上がります。
もう少し、スキルとセンスについて掘り下げてみます。
スキルとセンスには、どのような関係があるのでしょうか?
スキルとセンスの関係
私の一言は、スキルとセンスの関係は 「基本と応用」 です。
建物でたとえると、1階がスキル、2階がセンスです。
スキルとセンスの関係
- スキルの上にセンスがある
- センスはスキルがあるからこそ発揮できる
- スキルだけでは差別化しにくい。スキルの応用であるセンスに 「自分らしさ」 が出る
スキルとセンスの関係は、論理と直観に似ています。
直観は論理を積み上げた先に生まれます。ロジックを突き詰めたからこそ、直観を得るのです。
では、センスは鍛えることができるのでしょうか?
センスとは一部の人だけにしかない、持って生まれた才能なのでしょうか?それとも後天的に鍛えることができるのでしょうか?
私の考えは、後者の 「センスは鍛えることができる」 です。
それでは、ビジネスセンスの鍛え方を掘り下げてみましょう。
ビジネスセンスを鍛える方法
ビジネスセンスとは、引き出しの多さと、数ある引き出しを的確に使えることでした。
ここから、ビジネスセンスを鍛える方法が見えてきます。
ビジネスセンスを鍛える方法
- 体験を多く積む (疑似体験でもいい)
- 抽象化して引き出しにする
- 引き出しを使う機会をつくる
鍛え方の補足
3つの流れは、「具体 → 抽象 → 応用 (具体) 」 です。体験から始まり、具体と抽象の往復運動です。
引き出しを多くするためには、どれだけ場数を踏んでいるかです。直接の体験だけではなく、疑似体験も含めてです。疑似体験の例は、その人だったらどうするかのシミュレーションを考えるロールプレイング、読書からの追体験です。
大事なのは、体験を体験で終わらせないことです。
要するにどういうことかと掘り下げ、体験の本質を考え抜きます。本質化によって具体である体験が抽象化されます。抽象化されれは、頭の中で引き出しになります。
引き出しはつくって終わりではありません。
ビジネスセンスとは、置かれた状況で適切な引き出しを選び、その場で活かせることです。引き出しがホコリを被って錆びつかないように、いつでも使える状態にしておきます。
まとめ
今回は、スキルとセンスについてでした。特にビジネスでの、ビジネスセンスを掘り下げました。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
スキルとセンスの違い
- スキル: 国語, 算数, 理科, 社会, 英語
- センス: 課外活動
2.
ビジネスセンスがあるとは、引き出しの多さと、数ある引き出しを的確に使えること。ビジネスセンスは 「その人らしさ」 の総体。総体とは、経験・知識・立場・価値観・人格が全て合わさってでき上がる。
3.
ビジネスセンスを鍛える方法 (具体と抽象の往復運動)
- 体験を多く積む (ロールプレイングや読書からの疑似体験でもいい)
- 抽象化して引き出しにする
- 引き出しを使う機会をつくる
戦略読書日記 - 本質を抉りだす思考のセンス (楠木建)