
今回は、コンサルティングと提案についてです。
この記事でわかること
- 大前研一さんのコンサルタント論
- コンサルティングと提案
- 提案とは 「答え合わせ」
- ビジネスパーソンが学べること
記事ではまず最初に、大前研一さんのコンサルタント論をご紹介します。
そこから着想を広げ、コンサルティングと提案について掘り下げていきます。最後に、ビジネスパーソンが学べることを提案の観点から書いています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。
大前研一のコンサルタント論
楠木建さんと大前研一さんが、 「好き嫌い」 と経営 という本で対談をしています。
大前さんが、コンサルタントの本質とは何かを語っています。
以下は、大前さんの発言からの引用です。
何社かと競合させて選ぶというのは、私に言わせるとでかい態度ですよ。
コンサルタントというのはカネを払って雇うものではありません。ある意味でブレーンのパートナーじゃないですか。コンサルタントの本質というのは、寝ても覚めてもその会社のことを考えることです。社長よりもその会社のことを考えないと、いい答えなんて出てこない。
それなのに 「カネを払って雇っている」 という意識の相手とは絶対にうまくいかないから、そう感じた瞬間、私はやらない。やれるわけがありませんよ。
(引用: 「好き嫌い」 と経営 (楠木建) )
コンサルタントに問われるのは、クライアントである相手以上に深く考えたことを、提案までしているかです。
コンサルティングと提案
ここで言う提案は、次の三つに因数分解ができます。
提案
- 現状把握
- 問題設定
- 解決方法 (実行プラン)
そしてクライアントへの提案で、ぜひ入れたい観点が二つあります。新規性と具体性です。
価値のある提案
- 新規性: 相手が気づいていなかった・考えていなかった着眼点がある (広さ)
- 具体性: 相手が整理・構造化・言語化していなかった内容。より高い解像度で具体的に掘り下げている (深さ)
もう少し提案の意味合いについて掘り下げてみましょう。
提案とは 「答え合わせ」
コンサルタントが求められるのは、クライアント以上に経営や事業を考えているかです。大前研一さんは、「寝ても覚めても社長以上に考えているか」 と語っています。
提案とは、深く相手以上に考えたであろう内容が、相手に価値があるかどうかの 「答え合わせ」 です。
提案の時点ではまだ仮説に過ぎません。自分はこう思うという内容を具体化したものです。
それに対して相手は何を思うか。「ぜひやりましょう」 「これで進めましょう」 なら、適切に考えられたということです。
提案しなければ宝の持ち腐れ
自分がクライアント以上に深く考えたとしても、提案というアウトプットを相手に提示しなければ、価値を生み出せていません。
どれだけ良いものが自分の頭の中にあったとしても、相手がそれを知らなければ宝の持ち腐れです。
この関係は、戦略と実行と同じです。
戦略とは、つくった段階ではまだ仮説です。仮説が本当に正しいかは、実行によって検証されます。戦略は実行されることによって、初めて価値になります。逆に言えば、実行されない戦略は絵に描いた餅です。
戦略と実行を常にセットで考えるように、提案についても同じ意識を持っておきたいです。
考えたことは形にし、相手への提案と、その後の実行までをやり抜く。提案と実行から価値を生み出そうとしているかは、コンサルタントに限らず、すべてのビジネスパーソンに当てはまります。
まとめ
今回は、コンサルティングと提案についてでした。
ご紹介した提案の考え方は、ビジネスパーソンにも当てはまります。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
コンサルタントはブレーンのパートナー。寝ても覚めても、社長よりもその会社のことを考える。
コンサルタントに問われるのは、クライアントである相手以上に深く考え、提案までしているか。
- 現状把握
- 問題設定
- 解決方法 (実行プラン)
2.
提案とは、相手以上に深く考えたであろう内容が相手に価値があるかの 「答え合わせ」 。相手が気づいていなかった着眼点 (新規性) 、整理・構造化・言語化していなかった具体性があるとよい。
提案に対して相手が 「ぜひやりましょう」 「これで進めましょう」 なら、適切に考えられたことになる。
3.
自分がクライアント以上に深く考えたとしても、提案で相手に提示しなければ価値を生み出せていない。自分の頭の中だけでは宝の持ち腐れ。考えたことは形にし、相手への提案と実行までをやり抜く。提案と実行から価値をつくる。
「好き嫌い」 と経営 (楠木建)