今回は戦略と組織についてです。
✓ この記事でわかること
- 「組織は戦略に従う」 or 「戦略は組織に従う」
- 一般的には前者 (戦略 → 組織)
- 創発的戦略では後者
- 「戦略が組織に従う」 の掘り下げ
この記事で書いているのは戦略と組織の関係です。
掘り下げていくと、戦略を理解することにもつながります。2つにはどのような関係があるのでしょうか?
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
戦略と組織の関係
よく言われることに 「組織は戦略に従う」 があります。まず戦略があって、戦略に基づいて組織がつくられるという考え方です。
一方の逆もあります。「戦略は組織に従う」 です。組織がまずあって、組織の形態によって戦略がつくられていきます。
2つは全く逆のことを言っています。どちらが本当なのでしょうか?
この問いへの持論は、基本的には 「組織は戦略に従う」 、しかし状況によっては逆の 「戦略に組織は従う」 もあり得ます。
ではまずは前者の 「組織は戦略に従う」 から見ていきましょう。
一般的には 「組織は戦略に従う」
その前にまずはそもそも戦略とは何かです。あらためて戦略とは何でしょうか?
私の一言は、戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。最初に目的があり、順番は 「目的 → 戦略 → 実行」 です。
戦略は実行されなければ価値を生みません。実行が伴わない戦略は絵に描いた餅です。
組織は実行するためにあります。いくら良い戦略でも実行をやり抜いてこそです。組織は戦略に従って実行することが求められます。
これが 「組織は戦略に従う」 です。順番は 「目的 → 戦略 → 実行 (組織) 」 なのです。
始めに実行がくる場合
では、「戦略は組織に従う」 のはあり得るのでしょうか?
これを掘り下げていくために、戦略には二種類に分けられることを見ていきましょう。意図的戦略と創発的戦略です。
意図的戦略とはあらかじめ計画的につくられた戦略です。先に戦略があり実行されます。この意味で 「戦略 → 実行」 です。
創発的戦略とは、始めは戦略はなくやってみると筋が良さそうだとわかり、後から戦略になっていくものです。創発的戦略では、戦略になる前に実行があります。順番は 「実行 → 戦略」 です。
戦略を意図的戦略と創発的戦略に分解することによって、「戦略は組織に従う」 が見えてきました。
そうです。「戦略は組織に従う」 とは、戦略が創発的戦略の場合に起こるのです。
組織の実行方法が戦略へ
もう少しここまでの 「戦略は組織に従う」 を掘り下げてみましょう。
新しく何かに取り組む時には、まだ明確な戦略がなくてもまずは試しにやってみる姿勢が大事です。
ここには自由な探索で試行錯誤が伴います。効率さを求める世界とは違います。
実行を続けているうちに、創発的に戦略が最初はおぼろげながらも見えてきます。この時点ではすでに組織メンバーによって実行からの勝ち筋も見出し始めています。
ここから戦略をつくっていく時に、組織メンバーの特性や実行方法、仕組みが戦略に色濃く反映されます。この状況で起こるのが 「戦略は組織に従う」 です。
戦略と組織の関係性を見よう
ここまでを整理してみましょう。
一般的には 「組織は戦略に従う」 です。ただし、状況によっては逆の 「戦略は組織に従う」 にもなります。
例えばベンチャー企業の特に起業して間もない会社や、大企業でも新規事業開発の部署は 「戦略は組織に従う」 が実際のところもあるでしょう。
大事なのは 「組織は戦略に従う」 か 「戦略は組織に従う」 で、唯一の絶対的な正解があるわけではなく、状況によって柔軟に捉えることです。それにより、今の自分たちの状況における戦略と組織の関係性も見えてきます。
まとめ
今回は戦略と組織についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
組織と戦略の関係
- 基本的には 「組織は戦略に従う」 。目的 → 戦略 → 実行 (組織)
- しかし状況によっては逆の 「戦略に組織は従う」 もあり得る
創発的戦略と実行
- 創発的戦略は始めは戦略はなくただやってみると筋が良さそうだとわかり、後から戦略になっていく。戦略になる前に実行がある
- 組織メンバーの特性や実行方法、仕組みが戦略に色濃く反映される。この状況で 「戦略は組織に従う」 が起こる
戦略と組織の関係性を見よう
- 大事なのは 「組織は戦略に従う」 か 「戦略は組織に従う」 に唯一の絶対的な正解があるわけではない
- 状況によって柔軟に捉える。自分の状況でおける戦略と組織の関係性も見えてくる