今回は戦略についてです。
✓ この記事でわかること
- 戦略の本質
- 肝は 「やらないこと」
- 「一見さんお断り」 と 「ぼったくりバー」 の戦略
この記事で書いているのは戦略とは何か、戦略のポイントです。具体例も入れて掘り下げています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
戦略とは
あらためてですが、戦略とは何でしょうか?
私の一言の定義は、戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。
もう少しこの戦略の考え方について掘り下げてみましょう。
戦略の上位には目的があります。目的を達成するために最も良いと考える方針が戦略です。
戦略をつくる時のポイントの一つが 「目的が明確か」 を考えることです。戦略は目的を達成するためのあくまで手段だという認識が大事です。
戦略の肝とは
では、もう少し戦略とは何かの深いところに入ってみましょう。
戦略とは 「目的を達成する “やること” と “やらないこと” の決めごと」 でした。
ここでポイントになるのが 「やらないこと」 です。戦略を決めるとは、やらないことを明確にすることでもあります。
戦略とは何かをビジネスっぽい表現をすれば、目的達成のためのリソース配分の方針です。リソースとは組織や企業なら人・物・金です。個人のレベルでも同じで、あなたご自身が持っているお金や時間、エネルギーです。いずれも貴重で有限です。
やることを 「あれもこれも」 と増やしてはリソースがいくらあっても足りません。戦略の肝は 「何を捨てるか」 です。「あれかこれか」 の引き算の発想です。
順番はやらないことをまず意思を持って決めます。やらないことが明確だからこそ、残ったやることに貴重なリソースを投入し注力できるのです。
重要なので繰り返しておくと、戦略の肝は 「何をやらないか」 です。これはぜひ覚えておいてください。
* * *
ではここからは、具体的な例で戦略の 「やらないこと」 を掘り下げてみましょう。
一見さんお断りのお店、ぼったくりバーです。
一見さんお断りの戦略
あまり馴染みはないかもしれませんが、一見さんお断りのお店のイメージはどんなものでしょうか?
小説やドラマの世界でしか見ないものかもしれませんよね。
実は私自身も実際には本当の一見さんお断りの店には足を入れたことはないです。ただ学生時代に京都に住んでいたこともあり、京都の祇園まわり、特に先斗町 ( 「ぽんとちょう」 と読みます) には、そうした雰囲気のあるお店も多く、なんとなくの身近の感じで懐かしさもあります。
話を戦略に戻しますね。
戦略で 「何を捨てたか」 の観点から、一見さんお断りの店は興味深いです。
一見さんお断りとは、新規のお客の敷居を非常に高くしています。極論、全くの新規顧客は増やさなくていいくらい振り切っています。
新しいお客になるためには常連客からの紹介が基本です。これにはいくつ理由があり、素性の知らない人を受け入れるとお店の雰囲気が変わってしまう、相手のことをよく知らない客には最高のサービスを提供できないといった背景です。
戦略に当てはめれば新規顧客を増やすのではなく、固定のリピート客で売上と収益を持続的に得る方針です。やらないと決めたのは新規顧客の開拓と獲得で、一方のリピート客を重視しています。
では、一見さんお断りの対極のようにある 「ぼったくりバー」 の戦略を見てみましょう。
ぼったくりバーの戦略
最近はあまり聞かなくなったように感じますが、新規顧客だけで売上をつくる戦略をとっているのが 「ぼったくりバー」 です。
名前に 「ぼったくり」 とついているように、お客は想定外の値段を請求されるので騙されたと気づけば二度とそのお店に来ることはないでしょう。つまりリピート客にはなりません。
初回のたった1回だけで、1人当たり売上の最大化を狙います。お客を騙してでもです。
ぼったくりバーは戦略としてリピート客を捨てています。もちろん褒められる行為ではありませんが、「何を捨てたか」 という戦略の観点から極端に振れていて興味深いです。
まとめ
今回は戦略について、肝は 「やらないこと」 という内容でした。
最後に今回の記事のまとめです。
戦略の本質
- 戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと
- 戦略を決めるとは 「やらないこと」 を明確にするため
- やらないことが明確だからこそ、残ったやることに貴重なリソースを注力できる
一見さんお断りの戦略
- 新規のお客の敷居を高くしている
- 新規顧客を闇雲に増やすのではなく、固定のリピート客で売上と収益を持続的に得る方針
- やらないと決めたのは新規顧客の開拓と獲得。重視しているのはリピート客
ぼったくりバーの戦略
- 新規顧客を狙う
- 初回のたった1回だけで、1人当たり売上の最大化を狙う (お客を騙してでも)
- 戦略としてリピート客を捨てている