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目標に固執しすぎることの弊害。目標の罠にハマらない方法


今回は、目標設定についてです。目標を設定する時の注意点を解説しています。

✓ この記事でわかること
  • 目的と目標の関係
  • 目標にこだわりすぎることの弊害
  • 目標の罠にはハマらない方法 (一歩引いて目標を疑おう)

目標に向かって進むことは大事ですが、一方で目標に固執することには弊害があります。この記事では、目標の弊害とは何か、どうすれば 「目標の罠」 にハマらないかを解説しています

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

読んでいただきたい方


この記事を読んでいただきたい方は、マネジメント職で組織やチームの目標設定をしている方です。

もちろんのビジネスパーソンは何かしらの目標はあるので、マネジャー職以外の方にも参考になればと思います。

この記事からわかることは、そもそも目標とは何かを目的との関係性、そこから目標にこだわりすぎることの弊害と解決方法についてです。


目的と目標


いきなりの質問ですが、「目的と目標の違いは何か」 と聞かれれば、どのようにお答えになるでしょうか?

それぞれの定義


2つは同じではなく、違うものですよね。私のそれぞれの一言の定義は、

✓ 目的と目標
  • 目的: 成し遂げたいこと
  • 目標: 目的達成のために必要で重要な成果

目的と目標の関係は、目標をクリアした先に最終的に目指す目的があります。図でイメージ表すと、

出典: Surpass

ここまではまだ抽象度の高い内容なので、具体例で目標設定を見てみましょう。

目標設定の具体例


では目標設定の具体例をマーケティングと営業で2つご紹介します。

✓ マーケティングでの目標例
  • [目的] ブランド A を事業の柱にする
  • [目標 1] ターゲット顧客での認知率が 70% 以上
  • [目標 2] 認知者における次回購入意向が 60% 以上
  • [目標 3] NPS を 50 以上 (NPS は他者への推奨度スコア (Net Promoter Score) )

もう1つ営業の例でご紹介すると、

✓ 営業での目標例
  • [目的] 顧客満足度と売上の両方を高める
  • [目標 1] 新規顧客への商談数が1ヶ月で1人5件以上
  • [目標 2] 既存顧客の6ヶ月以内でのリピート案件獲得率が 80% 以上
  • [目標 3] リピート案件の案件単価が120万円以上


目標は変わり得る


繰り返しになりますが、目標とは 「目的達成のための必要で重要な成果」 です。

目標は設定した時点では目的の達成のために必要なことですが、一方であくまで仮説にすぎません。その目標が重要ではなくなったり、後から新しい目標ができることもあります。

例えば先ほどのマーケティングの目標例で、目標が変わってしまうことを見てみましょう。

マーケティング目標での例


目標として設定した3つ 「認知」 「次回購入意向」 「NPS (他者への推奨度) 」 には、目的達成のために入れていなかった指標がありました。店頭要因です。

なぜここへ来て重要になったかと言うと、新しい競合商品が発売されたからです。店頭の売場 (棚) の目立つところを占領するように競合商品が置かれてしまいました。自社商品も店頭で売られていますが、消費者に店頭で手にとってもらいやすい場所ではなくなりました。

このままでは目的を達成することはできないので、目標設定を変える必要があります。

具体的には店頭について単に自社商品が店に置かれているだけではなく、次のような目標設定をします。

✓ 新しい目標を設定
  • 棚の目立つ位置に置いてもらう (下から3つ目か4つ目)
  • フェイス数 (棚に並んでいる列数) が2以上

目標に固執しすぎることの弊害と対策


目標とはあくまで目的を達成するためにあります。一度設定した目標にこだわって目的が達成されないのは本末転倒です。

目的に対して目標が変わるのは、前提が変わるからです。前提の変化とは先ほどのマーケティング例に当てはめると、競合の出現による店頭状況が変わったことです (外部環境の変化) 。

目標に向かって邁進することは大事です。しかし、一方で 「その目標は今も本当に目的達成のために必要で重要な成果なのか」 は建設的に疑うといいです。目標への前のめり、一歩引いた俯瞰の視点の両方です。


まとめ


今回は目標設定についてで、目標にこだわりすぎることの弊害についてでした。

最後にまとめです。

目的と目標
  • 目的: 成し遂げたいこと
  • 目標: 目的達成のために必要で重要な成果
  • 2つの関係は、目標をクリアした先に最終的に目指す目的がある

目標は変わり得る
  • 目標は設定時点では目的達成に必要だが、一方であくまで仮説にすぎない
  • その目標が重要ではなくなったり、後から新しい目標ができることもある

目標に固執しすぎることの弊害と対策
  • 目標とはあくまで目的を達成するため。度設定した目標に固執しすぎて目的が達成されないのは本末転倒
  • 前提が変化すると目標も変わる
  • 目標に邁進することは大事。一方で 「その目標は今も本当に目的達成のために必要で重要な成果なのか」 は建設的に疑おう


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。