出典: PR TIMES
今回のテーマは顧客理解です。「尖った人の使い方にヒントあり」 という話です。
おもしろいと思ったゲーミングボトルをご紹介し、お客さんの使い方からチャンスを見つける方法を掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- ピーコック魔法瓶のゲーミングボトル
- プロゲーマーの観察からわかったこと
- 尖った人の使い方にヒントあり
- 顧客理解からチャンスを見つける方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ピーコック魔法瓶
ピーコック魔法瓶の社長へのインタビュー記事を読みました。
1950年創業のピーコック魔法瓶工業 (大阪市) がユニークなボトル開発に注力している。
マグカップのように使える飲み口の広いボトルや、ゲームをしながら使う 「ゲーミングボトル」 を発売。9月の 「東京ガールズコレクション (TGC) 」 では公式ボトルに肩掛けできるカラフルな水筒が選ばれた。
企画を先導する4代目の山中千佳社長に背景を聞いた。
代わり映えしない品ぞろえだった
ピーコック魔法瓶ではそれまではマーケティング部がなかったとのことで、マーケティングの部署がなかったことによる弊害が語られていました。
―― それまでマーケティング部門がなかったのですか。
「驚くことになかった。各営業担当者がバラバラに、感覚的に販促物をつくってバイヤーに提案していた。商品企画も参考にするのは消費者の声ではなく、バイヤーの声。結果的に代わり映えしない品ぞろえになっていた」
「ボトル業界はここ数年で異業種の参入が相次いでいる。容量120ミリリットルのミニボトルで話題になった『ポケトル』(18年発売) も異業種。少量のボトルが売れるなんて思ってもみなかった。これまでと同じ製品を作っているだけでは勝ち残れない」
ゲーミングボトル
出典: PR TIMES
マーケティング部を設立し新しい取り組みとして開発された1つがゲーミングボトルです。
―― 「ゲーミングボトル」 もユニークです。
「22年2月に発売したゲーミングボトルは複数のプロゲーマーに取材して開発した。画面から目線を外さずに飲めるようにストローを付けたり、ヘッドセットが邪魔にならないようにストローを長めにするなど細かい工夫をしている」
ピーコック魔法瓶のゲーミングボトル (出典: PR TIMES)
プロゲーマーの観察から
小売のバイヤーだけではなく自社商品の利用者 (エンドユーザー) に目を向け、プロゲーマーへの取材から着想を得たのがゲーミングボトルです。
直接の観察からボトルに反映されたのは、
- ゲーム中に画面から目線を外さずに飲めるようにストローを付けた
- ヘッドセットの邪魔にならないようにストローを長めにした
ゲーミングボトルはゲーム中に使うのに最適化されたボトルです。
学べること
では今回の事例から学べることを掘り下げていきましょう。
尖った人の使い方にヒントあり
ゲーミングボトルの開発を一般化すると、普通とは違う尖った人の使い方をヒントにするアプローチです。
エクストリームユーザーという極端な (extreme) 人の使い方を見つけ、そこから学び、自分たちの商品開発に取り入れたわけです。
顧客理解からチャンスを見つける方法
エクストリームユーザーがやっていることは、ともすると作り手や売り手が想定していない使い方だったり、あるいはそもそもユーザーとして思ってもいなかった人たちです。
想定外の使い方を邪道なものとして排除せず、正面から向き合い積極的に取り入れたのがゲーミングボトルを開発したピーコック魔法瓶でした。
これまでの延長線上にないアイデアは自分たちの外側にある異質なものとつながることによって生まれます。既存のアイデアとの組み合わせで新しいアイデアができます。
外側に目を向け自分たちの想定や社内など今いる世界やコミュニティから抜け出し、自ら知らない世界のことを取りに行くといいです。尖った人の使い方にはマーケティングや商品開発のヒントがあります。
まとめ
今回はピーコック魔法瓶のゲーミングボトルを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 尖った人の使い方にヒントあり
- 従来の延長線上にないアイデアは、自分たちの外側にある異質なものとつながることで生まれる
- エクストリームユーザーという尖った人の使い方にはヒントがある
- 想定外の使い方を邪道なものとして排除せず、積極的に取り入れてみよう
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