#マーケティング #顧客理解 #デザイン
マーケティング活動で成功するには、どうすればいいのでしょうか?
実は、意外なスキルが成果を生み出すかもしれません。それは、デザインセンスです。「えっ、デザイン?でも私はマーケターで...」 、そう思った方こそ、このブログ記事をぜひ読んでください。
デザインセンスを磨く方法がマーケティング力を高めるために応用できます。ぜひ一緒に学びを深めていきませんか?
デザインセンスを向上させる方法
デザインはビジネスにおいて欠かせない要素となっていますが、デザイナーのプロではないビジネスパーソンにとって、デザインのセンスを獲得するのは難しいことに感じるかもしれません。
しかし、デザインセンスを磨くことは決して難しいことではありません。むしろ、日常的な習慣と意識の変化から始められるのです。
では、どうすればデザインのセンスを高めることができるのでしょうか?
本当に見ている?
まず重要なのは、私たちの周りに溢れているデザインを 「本当に見る」 ことです。
多くの人は日常的な環境において、デザインのことを実は見ていません。例えば、毎日通っているオフィスの壁の色や材質を正確に思い出せますか?
ほとんどの人は答えられないでしょう。なぜなら、単に目に映っているだけで、思考や感情を通して認識していないからです。
実はデザイナーの人たちは常にまわりを意識的に観察し、その印象や効果を考えています。例えば、多くのデザイナーは 「このオフィスはいい壁の色をしているな」 、「このカフェのテーブルの素材は重厚な雰囲気で、すてきだな」 というように、自分の思考や感情で存在を認識しながら本当に対象物を見ています。
そこから発想は進み、「あのカフェは、テーブルの素材にこだわっていて、使い心地がすばらしいだ。だから自分はあのカフェが好きで通っているのだな」 というふうに考えるわけです。
こうした 「本当に見る」 という姿勢を身につけることが、デザインセンスを磨く第一歩となります。
積極的なインプット
次に、デザインに関する基本的な知識を積極的にインプットすることが大切です。
色彩理論や形態の基本、タイポグラフィ (文字を美しく読みやすく見せるためのデザイン手法や文字を主体にしたデザインの総称) などの知識は、デザインを判断する際の基準となります。また、感性的価値や美的要素についての理解を深めることで、より豊かなデザインの発想ができるようになります。
デザインへの分析的な姿勢
さらに、デザインを分析的に見る力を養うことが重要です。
優れたデザインに出会ったとき、ただ 「なんとなくいいかも」 と感じて終わるのでなく、そのデザインを 「いいな」 と感じた要因はなぜなのかを掘り下げてみましょう。
使われている色の組み合わせ、形の特徴、素材の質感など、個々の要素に注目し、それらがどのような印象や機能をもたらしているかを考察します。
このような分析的な見方を習慣化することで、デザインへの理解が深まり、自身のお仕事にも活かせるインサイトが得られるでしょう。
習慣的な実践
ここまで、デザインセンスを高めるための視点や方法を見てきました。
これら実践するために、日常生活の中でデザインを意識的に観察するといいでしょう。
例えば、街を歩くとき、買いものをするとき、お店で食事をするときなど、あらゆる機会をデザイン学習の場として活用できます。気に入ったデザインを見つけたら、その要素をひとつずつ丁寧に観察し、なぜ印象に残ったのかを考えてみるとういふうにです。
こうしたアプローチを継続的に実践することで、徐々にデザインセンスが磨かれていきます。
顧客理解への応用
デザインセンスを向上させるために普段からできるポイントは、ビジネスにおける顧客理解に応用できます。
そこで後半のパートでは、デザインの話からマーケティングへの横展開について詳しく見ていきましょう。
本当に見る
デザインセンスを磨くためには、ただ目に映るものを見ているだけではなく、意識的に観察し、感情や思考で認識することが重要でした。
この姿勢は、マーケティングでの顧客理解においても同じです。
顧客理解でも 「表面的なデータ」 や 「既存のパターン」 を見るだけではなく、お客さんの行動や感情の背後にある本当の意図を理解する必要があります。
例えば、購買データやアンケート結果からお客さんの行動を単なる数字として捉えるのではなく、お客さんの選択や発言の裏にある心理的な動機や生活環境、置かれた状況、何に価値を見出すかの価値観に着目し、「なぜそのように行動しているのか」 を深く掘り下げます。
背後にある感情や動機を理解しようとする姿勢が、顧客理解では大事です。
分析的思考
デザインを分析的に見る姿勢は、顧客データの解釈にも適用できます。
デザインの個々の要素 (例: 色, 形, 配置など) を分析するように、お客さんの行動や特性を細分化して深掘りすることで、より深い洞察が得られます。
成功事例や失敗事例をケーススタディとして取り上げ、「なぜその施策が成功したのか」 や 「なぜそのアプローチが顧客に受け入れられなかったのか」 といった視点で分析することも重要です。
例えば、ある商品の売上が伸びているとき、「売れてよかった」 と喜ぶだけでとどめず、どの顧客層が、どのような状況で、なぜその商品を選んでいるのかを詳細に分析することによって、より効果的なマーケティング戦略を立てたり、新しい施策アイデアを生み出す源泉となります。
お客さんとの接点やマーケティング活動で得られるデータや反応も、現象として捉えて終わりにせず、分析的に考察することによって、次のアクションに活かすことができます。
感性の要素
デザインセンスを向上させるためには、色や形が人々に与える感情的な影響を理解し、活用することが大事です。同様に顧客理解においても、お客さんの感情や感性による直感的な反応を理解し、マーケティングに反映させることが求められます。
人は、商品やサービスに対して機能的な価値だけでなく、感情的な価値や体験も求めています。お客さんがどのような感情的なニーズを持ち、それに応じた体験や価値を提供できるかを考えることで、より深い顧客理解につながります。
全体的な調和と細部へのこだわりのバランス
優れたデザインは、全体的な調和と細部へのこだわりのバランスによって成り立ちます。
同じように、効果的な顧客理解とマーケティング活動も、マクロな市場トレンドとミクロな個別でのお客さんのことの両方を捉えることで実現します。
マクロトレンド分析によって大局的な市場トレンドを理解することは、長期的な戦略立案に不可欠です。同時に、ミクロ分析から個々の顧客や状況や細かなニーズにも注目します。
顧客データ分析においても、このように全体的な傾向パターンと個別の行動事象の両方に注目することが大切です。これは、優れたデザインが全体的な美しさと細部へのこだわりを両立させているのと同じ原理です。
まとめ
今回は、デザインという切り口でマーケティングでの顧客理解をどうやって深めればいいかを考えました。
最後にポイントをまとめておきます。
- デザインセンスの向上は、「本当に見る」 という観察力と分析力を磨くことから始まる。マーケティングにおいても、お客さんの置かれた状況、その状況下での行動や感情を観察し、その背景にある人間心理を深く理解することが重要
- デザインの要素分析と同様に、顧客理解においても分析的思考が大切。成功事例や失敗事例を分析し、成功や失敗の要因を深く掘り下げることで、新たな知見が得られる。常に 「なぜ」 を問い続け、表面的な現象の背後にある本質を見抜く姿勢を持つ
- デザインにおける感性の重要性は、マーケティングにおけるお客さんの感情的価値の理解に通じる。また、マクロトレンドとミクロ事象の両方を把握することで、包括的なマーケティングにつなげられる
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