
今回は 「How 思考の落とし穴」 を取り上げます。
落とし穴とは、手段である How に過度に目が向いてしまうことによる弊害です。
✓ この記事でわかること
- 過度な How 思考に注意
- How の前に大切なこと
- マーケティングの Who と What
- 問題解決の Where, Why, What
- 戦略の Why と What
How 思考に気をつけたいポイントを、マーケティング、問題解決、戦略を例に掘り下げています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
How 思考の落とし穴
今回の文脈での How とは手段のことです。
人は具体的なやり方や方法には目が向きがちです。目の前の方法に集中しているのは良いことですが、弊害もあります。方法や手段の前提になる 「大切なこと」 が頭から抜けてしまうことです。大切なこととは後から詳しく書いていますが、例えば目的です。
自分が過度な How 思考に落ちていないかは注意が必要です。
では How 思考の落とし穴と、どうすれば避けられるかを具体的な話で見ていきましょう。マーケティング、問題解決、戦略の3つでの 「How の前に大切なこと」 です。
マーケティングでの How の前
マーケティングを大きく2つに分けると 「売りモノ」 と 「売り方」 があります。
マーケティングの 4P のフレームに当てはめれば、売りモノは Product 、売り方は残りの3つである Place (販売のチャネル) 、Price (価格) 、Promotion (広告や販促) です。
マーケティングでの How とは売り方です。手段である売り方の前に大切なのは Who と What です。
Who は 「誰に対して (ターゲット顧客) 」 、What は 「顧客への提供価値 (商品・サービスが顧客にもたらす便益) 」 です。
これら2つが明確だからこそ、How である売り方が決められます。裏を返せば、Who と What があいまい、または意識から抜けている状態では、How は機能しなかったり、そもそもつくることはできません。
マーケティングで大事なのは How の前の Who と What です。
問題解決の How の前
How とは解決方法です。問題の解き方です。
How の前に重要なのは問題の設定です。問題設定を分解すると Where, Why, What の3つです。
✓ 問題設定の分解
- Where: 問題箇所の見極め (どこが問題か) 。真因を追求する切り口・領域を決める
- Why: 問題の本質 (なぜ問題か) 。問題が起こっている事象から背後の構造要因、さらに奥にある問題の真因を追求する
- What: 問題解決のための方針 (何をやるか) 。課題設定
ここまでやって初めて How という具体的な解決策をつくります。「イシューから始めよ」 で、順番は問題設定から解決策です。
戦略の How の前
How とは戦略の実行プランです。戦略に対する戦術に当たります。
How の前にある重要なものは Why と What です。Why は目的、What は戦略です。
戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。順番は 「目的 → 戦略 → 戦術」 です。
いくら戦術レベルで正しくても、戦略やそもそもの目的が間違っていれば戦術は意味がありません。間違った方向に突き進んでしまいリソースと時間を無駄にします。目的や戦略が正しくない中での戦術の実行は弊害ですらあります。
まとめ
今回は 「How 思考の落とし穴」 を、マーケティング・問題解決・戦略を例に掘り下げました。
最後に記事のまとめです。
過度な How 思考に注意
- How とは手段
- 人は具体的なやり方や方法には目が向きがち。方法や手段の前提になる大切なことが頭から抜けてしまう
- 自分が過度な How 思考に落ちていないかは注意しよう
マーケティングで How の前に大切なこと
- マーケティングでの How とは売り方。Place (販売のチャネル) 、Price (価格) 、Promotion (広告や販促)
- How の前に大切なのは Who と What
- 誰に対して (ターゲット顧客) 、顧客への提供価値 (商品・サービスが顧客にもたらす便益)
問題解決で How の前に大切なこと
- How とは解決方法 (問題の解き方)
- How の前に重要なのは問題の設定 (Where, Why, What)
- 問題箇所の見極め (どこが問題か) 、問題の本質 (なぜ問題か) 、問題解決のための方針 (何をやるか)