出典: 日経
今回のテーマは、コラボレーションからの価値のつくり方です。
おもしろいと思ったドコモとメルカリの取り組みをご紹介し、マーケティングの観点から学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- ドコモとメルカリの共同実験
- コラボレーションの狙いとは?
- コラボを実現させる方法
- 大事なのは 「お客への提供価値」 はあるか
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ドコモショップとメルカリの共同実験
NTT ドコモとメルカリが、ドコモショップでメルカリの出品を支援する実証実験を始めました。
店舗でできること
店舗名は 「ドコモ・メルカリコンセプトストア」 で、関東と東海エリアの5店舗で、2022年2月25日から2022年8月31日 (予定) とのことです。
出典: mercari
ショップではメルカリのアプリの使い方を教えてもらえたり、商品の出品から梱包、発送までを店舗内で済ませられます。
共同実験の狙い
両社の狙いは、お互いが相手と組むことで利用者の増加、来店やサービス利用の頻度向上です。
✓ 共同実験の狙い
- ドコモ: 来店の機会をつくる。ドコモの携帯契約の維持、他社からの乗り換え
- メルカリ: メルカリへの出品や発送する機会の提供
コラボレーションの意味合い
自分たちだけでは難しいことでも、他社と組むことでできることの可能性が広がります。
コラボレーションを実現させるためにはお互いにメリットがあることが大事です。コラボを思いついた側は、自分にメリットがあるから持ちかけるわけですが、協業する相手側のメリットを明確にし提示することが必要です。
では、どうすればメリットを見つけ、コラボから相乗効果を発揮できるのでしょうか?
メリットの見つけ方
着眼点になるのは、お互いの持っている資産は何かです。大きくハード資産とソフト資産があります。
今回の事例に当てはめると、「ドコモ・メルカリコンセプトストア」 に活用されたドコモとメルカリの資産はそれぞれ次のようになります。
✓ ドコモ
- 人々が行きやすい場所にある実店舗 (ドコモショップ)
- 比較的スペースに余裕のある店内空間
- 携帯電話という難しい内容の説明に長けているサービススタッフ
- 日本での三大キャリアの1つ。保有する顧客基盤
✓ メルカリ
- フリマアプリでは最も利用者が多い
- 様々なモノが日々取引されているプラットフォーム
- メルカリユーザーのサービス利用頻度 (携帯電話ショップへの来店機会 (例: 機種変更や修理) に比べて多い)
これらのハードとソフトの資産が組み合わさることによって、自社だけではできない来店者・利用者の増加、利用頻度の向上が期待できるわけです。1 + 1 が 2 となるのではなく、相乗効果によって 3 にも 4 にもできる協業です。
コラボからの価値提供
最後にもう1つ付け加えたいのが、コラボレーションによって 「結局のところは、お客さんにどんな価値をもたらしているか」 です。
コラボによってお互いにメリットがあったとしても、エンドユーザーに価値がなければコラボをする意味はありません。コラボとはお客さんに価値を提供するための手段だからです。
ドコモとメルカリのコラボでは、メルカリに馴染みのない人、出品したくてもうまくできない人が自分1人ではやれなくても、ドコモショップに行けばサポートしてもらえるメリットがあります。何よりも出品したものが売れて、金銭面や身も心もすっきりできる価値を提供しています。
このように、まず最初に考え、そして最終的にも意識して持っておきたい問いかけは 「自分たちがやっていることから、お客さんへのメリットや提供価値は何か」 です。
まとめ
今回はドコモとメルカリの共同での取り組みから、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
コラボの実現
- コラボレーションを実現させるためには、お互いにメリットがあることが大事
- お互いのハードとソフトの資産が組み合わさることで、メリットが生まれる
コラボからの価値提供
- コラボでお互いにメリットがあっても、エンドユーザーに価値がなければ意味がない。コラボとはお客さんに価値を提供するための手段
- まず最初に考え、そして最終的にも問いたいのは 「自分たちがやっていることから、お客さんへのメリットや提供価値は何か」
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