今回は、イノベーションと働き方についてです。
- イノベーションを起こす3つの領域とは?
- 3つの領域から、個人の働き方へのヒントとは?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、イノベーションについてと、個人に当てはめた働き方へのヒントです。
記事の前半では、イノベーションを起こす3つの領域をご紹介します。そして後半では、3つの領域を個人のレベルにも当てはめ、働き方やどうすれば仕事に活かせるかを書いています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
イノベーションを起こす3つの領域
最初にご紹介したい本があります。
SHIFT - イノベーションの作法 という本には、イノベーションを起こす3つの領域とは何かが書かれています。
以下が、3つの領域です。それぞれの英語での頭文字をとって BTC です。
イノベーションを起こす3つの領域
- ビジネスモデル
- テクノロジー
- コンシューマーエクスペリエンス
2つ目のテクノロジーとは、商品やサービスに関わる技術全般です。生産方式までも含めた技術的な要素です。
3つ目のコンシューマーエクスペリエンスとは、商品やサービスを使って得られるユーザー体験 (UX) です。
イノベーションという観点では、3つのうち1つでも多くの領域で革新的な要素が含まれるほど、大きなイノベーションにつながります。
かつては技術が新しく画期的であればよかったですが、今はテクノロジーだけでは十分ではありません。ビジネスモデルの革新さ、ユーザー体験の革新性がなければ独自性のある競争優位は得られず、イノベーションにもつながらないのです。
BTC の例
イノベーションを起こす3つの領域である BTC を、Google に当てはめてみます。
Google の BTC
- ビジネスモデル:無料でユーザーにサービスを使ってもらう。ユーザーからはデータを集め、サービス向上や広告事業に活かす。主な収益源は広告主からの広告費
- テクノロジー:世界最先端の高い技術を持つ。AI やクラウドが基盤
- コンシューマーエクスペリエンス:Google でしかできないユーザー体験を提供。例えば、検索、地図、YouTube
BTC をさらに一般化
イノベーションを起こす3つの領域の BTC をさらに一般化してみます。
BTC の順番を変え、テクノロジー、ビジネスモデル、ユーザー体験の順に見ていきます。
テクノロジーとは、事業や商品・サービスの技術的な優位性をつくるベースです。この意味で技術要素は源泉です。
ビジネスモデルは仕組みです。事業を持続可能なものにし、顧客やユーザーに商品・サービスを届け価値を提供し、収益化を実現するメカニズムです。
3つ目のユーザー体験は提供価値です。源泉であるテクノロジー、仕組みであるビジネスモデルにより、ユーザー体験を通して顧客やユーザーに提供される価値です。
ユーザーからすると、見えたり体感できるのはユーザー体験です。
ビジネスに関わる人間として意識したいのは、UX の奥にあるビジネスモデルという 「仕組み」 、実現させている技術的な 「源泉」 は何かです。
自分が良いと思った UX から、背後にある仕組みや源泉は何かを深掘りすると、自分の仕事へのヒントが得られます。
個人の働き方・キャリアへのヒント
イノベーションを起こす3つの領域は、個人にも当てはまるフレームワークです。
テクノロジー、ビジネスモデル、ユーザー体験の3つは、それぞれ次のように個人に転用できます。
個人の働き方への転用
- テクノロジー:専門スキル、ノウハウ、知見など
- ビジネスモデル:スキルやノウハウを仕事に活かす方法。自分のどんな資源を使い、誰に対して仕事をし、どうやって価値を提供するか、お金を稼ぐかのプロセス
- ユーザー体験:実際に相手 (自分にとっての顧客) が得る価値。アウトプットから相手が得るベネフィット
BTC がイノベーションを起こすためのチェックポイントになったように、個人の働き方・キャリアをどうつくっていくかのチェックやヒントになります。
自分はどこに長所があるのか、または足りていないかです。
例えば、専門スキルはあっても、活かしきれていなく提供価値につながっていなければ、個人としてのビジネスモデルをより磨く必要があることがわかります。
まとめ
今回は、イノベーションと働き方・キャリアについてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
イノベーションを起こす3つの領域 (BTC)
- ビジネスモデル
- テクノロジー (商品やサービスに関わる技術全般)
- コンシューマーエクスペリエンス (商品やサービスを使って得られるユーザー体験 (UX) )
イノベーションを起こす3つの領域をさらに一般化すると、
- テクノロジーは 「源泉」 、事業や商品・サービスの技術的な優位性
- ビジネスモデルは 「仕組み」 。顧客やユーザーに商品・サービスを届け価値を提供し、収益化を実現するメカニズム
- ユーザー体験は 「提供価値」 。源泉と仕組みから顧客やユーザーに提供される価値
個人の働き方への転用
- テクノロジー:専門スキル、ノウハウ、知見など
- ビジネスモデル:スキルやノウハウを仕事に活かす方法。自分のどんな資源を使い、誰に対して仕事をし、どうやって価値を提供するか、お金を稼ぐかのプロセス
- ユーザー体験:実際に相手 (自分にとっての顧客) が得る価値。アウトプットから相手が得られるベネフィット
イノベーションを起こすためのチェックポイントになったように、個人の働き方・キャリアをどうつくっていくかのチェックやヒントになる。
例えば、専門スキルはあっても提供価値につながっていなければ、個人としてのビジネスモデルをより磨く必要がある。
SHIFT - イノベーションの作法 (濱口秀司)