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報告書の書き方についてです。一般的な考え方とは逆の発想のやり方をご紹介します。
エントリー内容です。
- 仮説だけで報告書をつくる
- 3つのメリット
仮説だけで報告書をつくる
何かの報告書、例えば調査であったり、出張報告書は、事後で書かれるものです。調査報告書とは、ある調査の目的があり、調査結果を関係者に報告し共有するためにあります。報告書の作成者は、調査を実施し、そのまとめとして報告書作成に取りかかります。
今回は、あえて逆の発想をしてみます。
報告書を事後で作成する一般的なケースに対して、報告書をあえて 「事前に」 つくることを考えてみます。調査を企画する段階で調査結果を仮説として予測し、仮説ベースで報告書概要を書いてしまうのです。
そもそもとして、調査を実施するということは、あらかじめ持っている仮説を検証するのが目的です。その仮説をもとに調査報告書としてまとめておくわけです。
3つのメリット
調査をする前に仮説だけで報告書を書いておくことは、3つメリットがあります。
- 仮説が明確になる
- 調査結果の質が上がる
- 報告書の質が上がる
以下では、それぞれについてご説明します。
メリット 1: 仮説が明確になる
1つめのメリットは、報告書を書くプロセスを経て、仮説が整理されることです。書く前は曖昧であった仮説も、報告書のストーリーを考える中で、具体的に何が明確で何が曖昧なのかがわかってきます。
さらに、仮説の曖昧な部分が見えてくるだけではなく、曖昧な部分をどうすれば明確になるかが事前報告書を書く中でわかります。調査の前に報告書を書くためには、半ば強制的に仮説をクリアにせざるを得ないのです。
メリット 2: 調査結果の質が上がる
2つめのメリットは、調査結果のクオリティが上がることです。事前に仮説ベースで報告書をつくってしまっているので、調査結果の分析や考察において何をすればよいかが見えています。
当然、事前に書く仮説報告書の内容 (仮説) が、調査結果と異なる場合も起こります。
なぜ仮説と違ったのかを考える中で、仮説を考える際のどの前提が違っていたのか、より深い検証と考察ができます。事前に仮説だけで報告書を書いておくプロセスで、仮説が明確になっているからこそです。
こうしたことを調査結果をまとめる中で何度も行なうことになります。その過程を経て、調査結果の分析や考察、結論がブラッシュアップされます。
大切なのは、仮説が間違っていてもいいので、何かしらの仮説を調査前に持っておくことです。仮説がない中で調査を実施すると、どこまで調査し検証するのかが調査中や調査後の分析時にあやふやになってしまいます。ゴールを見失ってしまうのです。
メリット 3: 報告書の質が上がる
3つめのメリットは、事後の報告書の質も上がることです。
ゼロから報告書を書き上げるよりも、事前に仮説をもとにつくった報告書があるので、それをアップデートする中で報告書自体も磨かれるのです。
最後に
これら3つのメリットは、要するに 「仮説をつくる → 検証する」 というサイクルを細かく何度もまわせることです。
調査前に仮説ベースで報告書を書けば、報告書という形にできるくらい仮説をクリアにできます。
調査が始まり、進んでいく過程で事前報告書の仮説と結果を照らし合わせ、仮説検証がしやすくなります。新しく見えてきた仮説を、さらに調査し検証することもできるでしょう。
調査後の報告書を書いていく中でも、当初の仮説と新たにわかったファクトのずれを考えれば、ここでも検証プロセスをまわすことができます。
仮説を考え検証することは、1周では終わりません。細かいサイクルを何度もまわします。これを繰り返し、よりブラッシュアップされるのです。