投稿日 2025/12/17

Anker Store & Cafe 。あえてターゲット顧客を広げる戦略

#マーケティング #顧客設定 #新規顧客

マーケティングでは 「ターゲット顧客は絞るべき」 と言われますが、本当にそれだけが正解でしょうか?

もちろん、限られた資源で効率的に成果を出すには有効な考え方です。しかし、その前提が逆に、まだ見ぬお客さんとの出会いを遠ざけているかもしれません。

今回は、充電器ブランドのアンカーがあえてターゲットを広げたことによって、どのように新しい顧客との接点を生み出したのかを紐解きます。

この事例には、注力顧客をあえて広げることで新たな市場をつくり出す、マーケティングのヒントがあります。

投稿日 2025/12/16

老舗鉄鋼メーカー大和鋼管工業のデジタルマーケティング。目指したい営業とマーケティングの相乗効果を生む組織連携

#マーケティング #情報発信 #営業とマーケティング

BtoB (法人向けビジネス) 企業でマーケティング部門が立ち上がっても、営業との連携がうまくいかず、せっかくの施策が頓挫してしまうケースは少なくありません。

 「営業は目先の売上しか見ていない」 「マーケは現場を知らない」 。そんな対立構造に陥っていないでしょうか?

老舗鉄鋼メーカーの大和鋼管工業 (だいわこうかんこうぎょう) は違いました。最初は営業部門からの反発を受けながらも、5年間愚直に情報発信を続けた結果、月間アクセス数を20倍に増やし、年間4500万円の商談をつくりだすことに成功しました。

今回は、大和鋼管工業の事例から、営業とマーケティングが本当の意味で協力し合い、全社一丸となって成果を生み出すためのヒントを探ります。

投稿日 2025/12/15

小説 「新人 OL 、社長になって会社を立て直す」 に学ぶ、一貫性のあるマーケティングと戦い方

#マーケティング #戦略 #本

日々の業務で打ち出す施策が、どうも場当たり的になっている。
戦略を立てたはずなのに、成果に結びつかない。

そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは少なくないでしょう。その原因は、戦略に 「一貫性」 が欠けているからかもしれません。

今回ご紹介する書籍 「新人 OL 、社長になって会社を立て直す (佐藤義典) 」 は、マーケティングの本質を物語形式で楽しく学べる本です。


マーケティング理論を学びたいけれど、専門書は難しくて挫折してしまう。そんな人にぴったりの一冊です。

投稿日 2025/12/14

価値は誰に届ける?トヨタ GR に学ぶ、顧客文脈を捉え、選ばれる "鍵" をつくるマーケティング

#マーケティング #顧客定義 #鍵穴と鍵

優れたマーケティングは、お客さんが持つ 「本当に求めていること」 を見つけ出し、それにぴったり合う 「価値 (選ばれる理由) 」 を届けます。

今回は、トヨタのスポーツカーブランド 「GR」 を取り上げます。

トヨタ GR は、既存ファン、潜在層、そして販売店という3つの "顧客" を定め、それぞれの顧客文脈にぴったり合う価値を届け続けています。トヨタ GR をケーススタディにして、マーケティングの本質に迫ります。

投稿日 2025/12/13

高級自動車 「ベントレー」 に学ぶブランディング。顧客体験と好ましい感情からブランドをつくる方法

#マーケティング #ブランディング

多くの商品が並ぶ中で、なぜあるブランドだけが熱狂的に愛されるのでしょうか?

強いブランドをつくるには 「好ましい感情」 と 「気持ちいい記憶」 がカギとなります。

今回は、超高級車 「ベントレー」 を例に、お客さんから 「これがいい」 と指名で選ばれ続けるブランドの本質を紐解きます。

投稿日 2025/12/12

ドンキ 「ディスプレイの鉄人」 に学ぶ、SECI モデルから組織ノウハウ構築と実践

#マーケティング #組織開発 #SECIモデル

あなたの会社では、現場の優秀なスタッフが持つ 「コツ」 や 「技術」 が、その人だけの知識になってしまっていませんか?

 「見て学べ」 「背中を盗め」 と言うだけでは、貴重なノウハウは組織に根付かず、個人の頑張りに依存したままです。

企業が抱える課題のひとつが、個人の暗黙知を組織全体で活用できる形式知に変換し、継続的に事業能力を向上させる仕組みづくりです。属人的なノウハウが蓄積されても、組織の競争力向上につながらなければ、せっかくの知識が埋もれてしまいます。

ご紹介したいドン・キホーテの社内コンテスト 「ディスプレイの鉄人」 は、この課題を解決する興味深い取り組みです。従業員同士で競い合うイベントを通じて、個人の経験や感覚を組織全体の知識として昇華させています。

ドンキの事例を知識創造の 「SECI モデル」 に当てはめると、組織学習の理想的な循環が見えてきます。

投稿日 2025/12/11

フリマアプリ 「スニーカーダンク (スニダン) 」 。ジョブ理論で紐解く人気の理由

#マーケティング #ジョブ #価値実現

高額な商品をフリマアプリで買うとき、「本当に本物だろうか?」 と不安になったことはないでしょうか?

実際、「新品のはずが中身がすり替えられていた」 といったトラブルは後を絶ちません。偽物の品質も向上し、素人目では判断がつかないケースもあるようです。

ご紹介したいスニーカー特化型フリマ 「スニーカーダンク」 は、この問題を解決しようとしています。今回は、事例を通して、マーケティングのジョブ理論から急成長を遂げるフリマアプリの人気の要因を紐解きます。

投稿日 2025/12/10

花王メリット 55年目の転換。ブランディングとパーセプションチェンジからの V 字回復

#マーケティング #ブランディング #パーセプションチェンジ

どんなに愛されているブランドでも、時代とともにお客さんとの関係性は変化しています。

55年の歴史を持つ花王のシャンプーブランド 「メリット」 も例外ではありませんでした。「家族みんなで使える」 というイメージが10年間で 70% から 40% へ大きく減少。売上は毎年前年比 90% 台という状況が続いていました。

しかし、たった一文字の違いによるブランドコンセプトの再定義によって、メリットは再び成長軌道に乗りました。リブランディング後わずか1ヶ月で前年比 19% 増を達成したのです。

メリットの挑戦から、ブランドを蘇らせるヒントを紐解きます。

投稿日 2025/12/09

映画 「鬼滅の刃 無限城編」 。ガラパゴス化を突き抜け、独自の 「審美眼」 で価値をつくっての世界的な大ヒット

#マーケティング #違い #審美眼

鬼滅の刃の映画が、世界で大ヒットした要因のひとつが 「圧倒的な美しい映像」 です。

その背景には、日本独自の審美眼を貫き、他と違うことを恐れずに突き詰めた勇気がありました。

ここから鬼滅に学べる価値創出へのヒントを考えます。

投稿日 2025/12/08

ABC クッキングスタジオのタブレットレッスン。「眠っている資産」 を宝に変え、顧客価値と収益を両立させる

#マーケティング #ビジネスモデル #顧客価値

新しい顧客を獲得するため、全く新しいサービスを開発しなければならない。そう思い込んでいませんか?

新しい商品や事業を立ち上げる必要性を感じつつも、ゼロから何かを生み出す難しさに直面している企業は少なくありません。しかし、実はヒントは自社の中、それも 「当たり前」 の業務にこそ隠れているのかもしれません。

ABC クッキングスタジオが始めた 「タブレットレッスン」 は、既存のスタジオ、レシピ、講師という既存資産を使いながら、新しい顧客層を開拓しました。

その秘訣は、注力顧客の 「隠れた望み」 を見つけ、自社の資産に 「新しい使い方」 を見出したことにあります。今回は、この事例から今あるものを活かして、新しい価値を生み出す方法を紐解いていきます。

投稿日 2025/12/07

ネット断ち (齋藤孝) 。「心の漏電」 をなくし、「沈潜」 で自分を取り戻す方法

#マーケティング #沈潜 #本

スマホを手にしてネットを見ていたら、気づくと何時間も経っていたという経験はないでしょうか?

SNS の通知が来ると気になって集中できない、いいねの数で一喜一憂してしまう、そんな毎日を送っていませんか?

実はこうした状況は 「心の漏電」 という状態です。電力が絶えず流れ出すように、私たちの精神的エネルギーが知らず知らずのうちに消耗し続けているのです。では、どうすればこの現代病から抜け出せるのでしょうか?

この文脈でご紹介したい本が、ネット断ち - 毎日の 「つながらない1時間」 が知性を育む (齋藤孝) です。


こちらの本から、心の消耗を止め、自分自身を取り戻すための方法について、ぜひ一緒に考えていきませんか?

投稿日 2025/12/06

花王のブランド改革。視座を変え 「消費者」 から 「生活者」 の目線へ

#マーケティング #顧客目線 #生活者

お客さんの声を聞いているはずなのに、相手に本当に響く方法がわからない。その原因は、施策の巧拙 (こうせつ) ではなく、もっと根本的な 「顧客の捉え方」 にあるのかもしれません。

4期連続の減益に苦しんでいた花王が、2024年に V 字回復を果たした背景には、ある視点の転換がありました。それは 「消費者」 から 「生活者」 へというシフトです。

商品の機能を磨き続けても売上が伸びない。顧客データを分析しても新たな需要が見つからない。そんな行き詰まりを感じている場合には、花王が実践した 「生活者」 という視点の転換が突破口となるかもしれません。

投稿日 2025/12/05

ジャパネットたかたに学ぶ 「売れる伝え方」 。二段階ベネフィット訴求でハッピーな未来を描く

#マーケティング #顧客理解 #価値訴求

商品やサービスの魅力をどう伝えれば、お客さんの心に届くのでしょうか?

売れる伝え方には工夫が必要になります。今回ご紹介するのは、テレビ通販でおなじみのジャパネットたかたが実践する 「二段階のベネフィット訴求」 です。

商品の機能説明からさらに一歩踏み込み、お客さんの生活や感情がどう変わるかまで提案することにより、買いたくなる気持ちをつくり出しています。

思わず 「これが欲しかった!」 と感じる、価値の伝え方の秘訣に迫ります。

投稿日 2025/12/04

花王 「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」 が実践した、マーケティング6ステップの全貌

#マーケティング #顧客理解 #価値実現

良い商品を作れば売れるという思い込みにとらわれるすぎると、ビジネスは失敗に陥ります。

商品開発から顧客獲得、そしてお客さんへの価値実現まで、ひとつでもステップを飛ばしてしまうと、どんなに優れた技術や商品も宝の持ち腐れになってしまいます。

今回は、花王の 「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」 を事例に、成功するマーケティングの6つのステップを解説します。

投稿日 2025/12/03

セブンティーンアイスの顧客起点のマーケティング 4P

#マーケティング #4P #顧客起点

時代の変化とともに、お客さんが持つ自社商品・サービスへのイメージと、商品の実態との間には、売り手が気づかぬうちに溝が生まれているものです。

このギャップはビジネスの機会損失になってしまいます。

江崎グリコの 「セブンティーンアイス」 は、この問題を乗り越え、40年以上の歴史がありながら過去最高の売上を更新しました。成功の裏には、お客さんを起点にしたマーケティング 4P を緻密に再構築した戦略にありました。

今回は、セブンティーンアイスの事例から 「顧客起点のマーケティング 4P」 を解説します。

投稿日 2025/12/02

デリ Oisix 。新しい事象が生み出す新しい問題。問題解決からの価値創出

#マーケティング #新しい問題 #価値創出

目の前の変化を、どうすればビジネスチャンスに変えられるでしょうか?

テクノロジーの進化や生活様式の変化は、これまでにない 「新しい問題」 を生み出します。その問題を見過ごせば脅威となりますが、いち早く解決策を提示できれば 「価値創出の機会」 になります。

今回は、世の中の変化からビジネスチャンスを見出すための方法を、4つのステップで紐解きます。

投稿日 2025/12/01

カレンダー予定共有アプリ TimeTree 。「そんな使い方あるんだ!」 を金脈に変える発想転換術

#マーケティング #顧客理解 #価値創出

お客さんの 「想定外の行動」 にこそ、まだ見ぬ成長のヒントや新しい価値創造のチャンスが眠っているかもしれません。

カレンダー予定共有アプリの TimeTree は、「ユーザーの推し活」 という意外な使われ方を発見し、事業成長へと変えました。今回は、TimeTree の事例から、売り手の想定外を顧客価値につなげる秘訣を探ります。

固定観念に縛られず、顧客の声なき声に耳を傾けることで、どのような新しい可能性が開けるのでしょうか?

投稿日 2025/11/30

調理プロセスを魅せる東急ストア。「作る過程」 を魅せて顧客価値を高める

#マーケティング #プロセスの可視化 #価値向上

お店に並ぶたくさんの商品の中で、お客さんの目を引き、思わず手に取ってもらうためには何が必要なのでしょうか?

商品そのものの魅力はもちろん大切ですが、実は 「見せ方」 ひとつで、お客さんが感じる価値は大きく変わります。

今回は、食品スーパーの東急ストアが三軒茶屋店で取り組んでいる総菜売り場の事例を取り上げます。商品を変えずに価値を高める 「見せ方の工夫」 と、マーケティングの本質について考えていきます。

投稿日 2025/11/29

マーケティングフレームワークの功罪。守破離の実践でマーケティングを成功に導く方法

#マーケティング #フレームワーク #本

3C 分析や SWOT 分析の各項目を埋めただけで満足してしまい、顧客獲得や売上への成果につながらない…。

問題は、そのフレームワーク自体にあるというよりも、使い方に原因が潜んでいるのかもしれません。

書籍 「マーケティングフレームワークの功罪 - 成果を生む戦略策定のための独自プロセス獲得法 (菅恭一) 」 は、フレームワークを 「借り物の型」 から 「自社独自の武器」 へと変える実践的な方法論を教えてくれます。


この本をもとに、フレームワークの本質的な価値と、フレームワークを日々のマーケティング活動に根づかせる方法を考えます。

投稿日 2025/11/28

検索は "知性の拡張" へ。Google が仕掛ける検索のリブランディングとパーセプションチェンジ

#マーケティング #ブランディング #パーセプションチェンジ

どれだけ改善を重ねても、消費者や顧客企業からの見られ方や認識そのものが良くなければ、本当の価値は伝わらないものです。

今、Google はこの課題に挑んでいます。Google は AI を駆使し、中核サービスである検索のイメージを根底から変える、壮大な挑戦を始めました。

この事例から、自社のブランド価値を再定義し、お客さんから選ばれ続けるためのヒントを考えます。

投稿日 2025/11/27

パナソニックの移動型無人販売ロボット PIMTO 。顧客の 「ジョブ」 を解決する最適な 「ワーカー」 になる方法

#マーケティング #状況とジョブ #ワーカー

今回は、空港で活躍が期待されるパナソニックの移動型の無人販売ロボットである 「PIMTO (ピムト) 」 の事例を取り上げます。

この事例からは、お客さんの 「片付けたい用事 (ジョブ) 」 を解決する 「ジョブ理論」 に学びがあります。

お客さんが本当に解決したいジョブとは何か、そしてビジネスにどう活かせるのか。その秘訣を紐解きます。

投稿日 2025/11/26

日高屋に学ぶ、差別化の罠を避け、多くの顧客に愛され続ける普通戦略

#マーケティング #差別化の罠 #普通という王道

競合の商品やサービスとの差別化を追い求めるあまり、かえってお客さんが離れてしまう…。そんな 「差別化の罠」 に、知らず知らずのうちに陥ってはいないでしょうか。

首都圏で400店舗以上を展開する中華チェーン 「日高屋」 は、業界の常識とは逆のアプローチで成功を収めています。創業者が掲げたのは 「普通でどこでも好かれる味」 という、一見地味に思える戦略でした。

今回は日高屋の事例から、過度な差別化がもたらす弊害と、万人受けを狙う王道戦略の威力について考えます。

投稿日 2025/11/25

梱包資材を 「コスト」 から 「ブランド体験」 に変える shizai 。顧客価値の再定義

#マーケティング #価値の再定義 #ブランド体験

自社のビジネスにおいて 「これは単なるコスト」 と割り切っているものはないでしょうか?

もしかしたら、その 「当たり前」 が、お客さんを魅了するチャンスに変わるかもしれません。

今回は、ネット通販の配送に使われる 「梱包資材」 の事例を取り上げます。コスト削減の対象でしかなかった資材を、「お客さんへのブランド体験を伝えるツール」 へと昇華させた shizai という会社の取り組みです。

常識を疑い、新たな顧客価値を生み出すヒントを探ります。

投稿日 2025/11/24

ビニールハウスから甲子園へ。1年で潰れると言われた聖愛高校野球部に学ぶ、自ら考え自立する組織づくり

#マーケティング #マネジメント #本

予算も人材も限られた中で成果を出さなければならない。
上からの指示を忠実に実行することが評価される風土。
目先の数字に追われて、人の成長など考える余裕もない。

これらは少なくない企業が直面している現実かもしれません。

その突破口のヒントが、"1年で潰れる" と言われた弱小野球部を甲子園に導いた、ある監督の指導法にありました。


書籍 「1年で潰れると言われた野球部が北国のビニールハウスから甲子園に行った話 (原田一範) 」 は、組織づくりや人材育成への示唆を与えてくれます。

投稿日 2025/11/23

顧客の 「満足」 は 「飽き」 の始まり。セブン-イレブンが向き合う本当のライバルとは?

#マーケティング #顧客理解 #顧客満足

企業は競合他社の動向に目を向けがちですが、本当の競争相手は実は別のところにいます。それは 「変わり続けるお客さんのニーズそのもの」 です。

では、どうすれば常に変化する顧客心理を捉え、お客さんから飽きられることなく選ばれ続けることができるのでしょうか?

その答えのヒントが、セブン-イレブンの外国人観光客への取り組みにあります。セブン-イレブンから、本当の顧客理解とは何かを考えます。

投稿日 2025/11/22

なぜ映画 「鬼滅の刃」 は熱狂を生んだのか? "前座" と "本番" というマーケティング方程式

#マーケティング #コミュニケーション #前座と本番

今回は、劇場版 「鬼滅の刃」 無限城編の大ヒットを例に、消費者の心をつかむマーケティングの新しい方程式を紐解きます。

ヒットの裏側に隠された戦略と、私たちの心を揺さぶる感動の仕掛けについて、ぜひ一緒に探っていきましょう。

投稿日 2025/11/21

長引く夏の "憂鬱" を "楽しみ" に。味の素 「五季そうさまプロジェクト」 に学ぶ、変化に適応する問題設定からの価値実現

#マーケティング #問題設定 #価値実現

 「なんだか今年の夏は長かったな…」 
 「9 月も中旬なのに秋という感じがしない…」 

ここ数年、そんな風に感じることはないでしょうか? かつて日本では当たり前だった四季の感覚が、気候の変化によって少しずつズレてきているのかもしれません。

この誰もが感じている季節感のズレにビジネスチャンスを見出し、新たな一歩を踏み出した企業があります。それが、うま味調味料でおなじみの 「味の素」 です。

味の素は、主力商品 「ほんだし」 の売上減少という危機を乗り越えるためにプロジェクトを開始しました。新しい季節 「まだなつ」 を定義する、その名も 「五季そうさまプロジェクト」 です。

今回はこの事例を、「新しい事象 → 新しい問題 → 解決策 → 価値実現」 というフレームワークに沿って解説していきます。

投稿日 2025/11/20

まるで絵本な 「物語のあるヨーグルト」 。二階建ての価値構造でつくる選ばれる理由

#マーケティング #差異化 #二階建ての価値構造

今回は、古谷乳業の 「物語のあるヨーグルト」 を取り上げます。

この事例をケーススタディに、二階建ての価値構造で選ばれる理由をつくるマーケティングについて掘り下げます。

投稿日 2025/11/19

マッサージチェアあんま王。顧客の 「状況」 と 「状態」 を理解し、「モーメント」 を捉えるマーケティング

#マーケティング #モーメント #状況と状態

自社の商品やサービスに自信があるのに、なぜかお客さんに響かない…。そんなもどかしい経験をしたことはないでしょうか?

その原因は、お客さんのニーズを表面的な 「点」 でしか見ていないからかもしれません。

顧客ニーズを捉えるためには、消費者やお客さんが置かれた 「状況」 や心理的な 「状態」 を深く理解し、商品が本当に必要とされる 「モーメント (瞬間) 」 を見つけ出すことが大事です。

今回は、業務用マッサージチェア 「あんま王」 の V 字回復の事例から、お客さんの 「状況」 と 「状態」 、そして 「モーメント」 に着目したマーケティングを紐解きます。

投稿日 2025/11/18

UMAMI COLA (うまみコーラ) 。常識をひっくり返すバイアスブレイクからの価値創造

#マーケティング #価値創造 #バイアスブレイク

うちの商品は、どうすればもっと売れるんだろう…。

もしかしたら、業界の 「当たり前」 や消費者の 「思い込み」 の裏に、新たな成長のヒントが隠されているかもしれません。

今回取り上げるのは、一見、矛盾しているようなコンセプトで、発売から約1年で出荷本数を10倍に伸ばした 「UMAMI COLA (うまみコーラ) 」 です。成功の裏には、従来の常識を疑い、逆転の発想で新たな価値を生み出す 「バイアスブレイク」 という思考法がありました。

UMAMI COLA がいかにして清涼飲料業界の固定観念を打ち破り、消費者の心をつかんだのかを紐解きます。

投稿日 2025/11/17

あなたの脳は簡単にだまされる - ブラックマーケティングの正体と対策法

#マーケティング #人間心理 #本

なぜ人は 「限定セール」 や 「送料無料」 という言葉を見ると、つい商品をカートに入れてしまうのでしょうか?

実は、私たちの脳は想像以上に簡単に操られています。どんなに理性的で賢い人でも、巧妙に仕組まれた手法の前では、知らず知らずのうちに 「欲しい」 と思わされ、無意識のうちに財布の紐が緩んでしまうのです。

今回はある書籍から、そのカラクリを脳科学の視点から解き明かし、賢い消費者、そして誠実なマーケターになるためのヒントを探ります。

本のタイトルは 「ブラックマーケティング - 賢い人でも、脳は簡単にだまされる (中野信子, 鳥山正博) 」 です。


賢い人も簡単に騙されてしまうメカニズムと、その防御法をマーケティングの観点から掘り下げます。

投稿日 2025/11/16

宝酒造みりん。価値の可視化でブランドコンセプトを強化する

#マーケティング #ブランドコンセプト #価値の可視化

実際には優れた機能や便益があるのに、その魅力が伝わらずに 「買う理由が見つからない」 と思われてしまう…。少なくない企業が抱える解決したい問題ではないでしょうか?

ご紹介したいのは、宝酒造 (たからしゅぞう) の事例です。

みりんという身近な調味料において、目に見えない価値を可視化することにより、お客さんの心を動かし、確信を持った購入につなげるという取り組みです。

事例から、顧客価値を効果的に伝える 「価値の可視化」 の意義と実践のポイントを紐解きます。

投稿日 2025/11/15

Cook Do オイスターソース 限界麺。カテゴリーエントリーポイント (CEP) とブランドエントリーポイント (BEP) を制するマーケティング

#マーケティング #カテゴリーエントリーポイント #ブランドエントリーポイント

今回は、味の素の 「Cook Do オイスターソース 限界麺」 というユニークな施策を取り上げます。その裏には、消費者の購買心理をつかむ戦略的な仕掛けがありました。

この事例から、お客さんに選ばれ続けるブランドになるための秘訣を考えます。

投稿日 2025/11/14

クレディセゾンのブラックカード。顧客理解からの発見、価値の再定義、顧客価値の提案

#マーケティング #顧客理解 #価値の再定義

自社の商品やサービス、自信を持って提供しているはずなのに、なぜかお客さんの反応が薄い…。そう感じたことはありませんか?

もしかすると、売り手側の 「当たり前」 が、お客さんの 「本当に求めていること」 とズレているのかもしれません。

商品やサービスの改善を続けていても、売り手側の常識や過去の成功体験にとらわれていては、お客さんの心には届きません。重要なのは、顧客とのリアルな接点で得られる小さな気づきを見逃さず、そこから顧客の価値観や文脈を読み解くことです。

今回は、クレディセゾンのブラックカード事業の事例を取り上げます。お客さんとの接点での顧客理解をもとに顧客価値を再定義し、お客さんの顧客文脈に合わせて訴求する重要性を考えます。

投稿日 2025/11/13

映画 「鬼滅の刃」 無限城編 第一章 猗窩座再来。走馬灯と優しさが紡ぐ悲しい物語

#マーケティング #ストーリー #鬼滅の刃

先日、映画『劇場版 「鬼滅の刃」 無限城編 第一章 猗窩座再来』を観てきました。 映画館という大スクリーンと音響設備による映像美と臨場感は圧巻でした。

あらためて考えさせられたのは、なぜ 「鬼滅の刃」 が多くの人の心をつかむのかです。

今回は、映画の概要を振り返りつつ、私が感じた鬼滅の刃の魅力について、3 つの視点から考えます。

投稿日 2025/11/12

就活生への企業からのコミュニケーションに学ぶ、BGC と UGC の相乗効果を生むマーケティング

#マーケティング #コミュニケーション #BGCとUGC

企業が発信する情報と、ユーザーが自発的に生み出す情報――。2つのコンテンツが持つ力を戦略的に活用できているでしょうか?

消費者は企業からの一方的なメッセージだけでなく、同じ立場の人々のリアルな声も重視します。しかし、自社発信の情報に注力し、ユーザー発信のコンテンツを見落としていないでしょうか。

2つを組み合わせることにより、ブランド認知度の向上だけでなく、他には従業員の採用活動においても効果を発揮します。今回は、その相乗効果を最大限に活かす方法を考えます。

投稿日 2025/11/11

大正製薬のテレビと YouTube の統合マーケティング。効果を最大化する 「エントリーポイント」 と 「アベイラビリティ」 とは

#マーケティング #小さく始める #相乗効果

新しいマーケティング施策を始めたいが、社内の理解が得られない…。
広告を打っても思うような売上につながらない…。

今回は、大正製薬の事例をもとに、

  • 新しい施策を社内でスムーズに進める方法
  • 消費者が商品を 「欲しい」 と思う瞬間を捉える仕掛け
  • そのチャンスを確実に購買につなげる仕組み

について紐解きます。

投稿日 2025/11/10

万人受けより一点特化。ボードゲーム専用レンタルスペース LIQUOR GAMERS ROOM の利用用途を絞るマーケティング

#マーケティング #利用用途 #顧客価値

ビジネスをしている人は、幅広いニーズに応えたいと考え、万人受けする商品やサービスを目指します。しかし、その結果として特徴が薄れ、誰の心にも深く刺さらず、その他大勢の商品に埋もれてしまう原因になっているかもしれません。

それとは逆のアプローチ、すなわち、利用用途を意図的に絞り込むことにより、特定のお客さんから強い支持を獲得することができます。

今回は、ボードゲーム専用レンタルスペース 「LIQUOR GAMERS ROOM (リカーゲーマーズルーム) 」 の事例から、利用用途を絞るマーケティングを掘り下げます。

投稿日 2025/11/09

ビジネスでの経済安全保障に対応するための 、「インサイト」 と 「フォーサイト」 の重要性と実践方法

#マーケティング #地政学と経済安全保障 #インサイトとフォーサイト

不確実性の高い領域においてこそ、インサイト (深い洞察) とフォーサイト (将来への見通し・アクションプラン) が欠かせません。

今回は、地政学と経済安全保障をテーマに、データを起点に 「事象 → インサイト → フォーサイト」 へと展開し、実践に役立つ考え方とアクションの導き方を解説します。

投稿日 2025/11/08

疲労回復パジャマ BAKUNE 。新しい選択基準を提案し、独自ブランド資産を構築するカテゴリー戦略

#マーケティング #カテゴリー戦略 #独自ブランド資産

自社商品は、お客さんや消費者から 「真っ先に思い浮かぶ選択肢」 になっているでしょうか?

TENTIAL (テンシャル) 社の BAKUNE (バクネ) は、パジャマという日用品で 「リカバリーウェア」 という新しいカテゴリーを創出し、存在感を放っています。

今回は、TENTIAL の BAKUNE の事例から学べる、「カテゴリー戦略」 と 「独自ブランド資産の構築」 について見ていきます。

投稿日 2025/11/07

[書評] トヨトミの世襲 - 小説・巨大自動車企業 (梶山三郎) 。企業継承の光と影、成功企業が陥る罠とは?

#マーケティング #経営 #本

あなたの会社では、トップの鶴の一声で方針が変わり、現場が振り回されることはありませんか?

あるいは、耳の痛い意見は遠ざけられ、いつしか 「イエスマン」 ばかりが重用される…。そんな組織の停滞感、もしかしたら他人事ではないかもしれません。

この文脈でご紹介したい本が、巨大自動車企業を舞台にした小説 「トヨトミの世襲 - 小説・巨大自動車企業 (梶山三郎) 」 です。


一見華やかに見える大企業の内実には、私たち自身の職場にも通じる 「病根」 が潜んでいるかもしれません。

この物語を紐解きながら、組織を蝕む構造的な要因と、得られる教訓を考えます。

投稿日 2025/11/06

親子で金融経済を学べるアプリ 「PochettePlus」 。CEP と BEP からのエントリーポイント設計

#マーケティング #カテゴリーエントリーポイント #ブランドエントリーポイント

自社の商品やサービスは、消費者やお客さんにとって 「思い出してもらえる存在」 になっているでしょうか?

どんなに優れた商品でも、お客さんの必要な瞬間に頭に浮かんでもらえなければ、選ばれることはありません。そこで大事になるのが、お客さんが 「必要になるシチュエーション」 において、選ばれる瞬間までの導線設計です。

今回は、みずほとセガが共同開発した子ども向け金融教育アプリの 「PochettePlus (ポシェットプラス) 」 の事例をご紹介します。お客さんに選ばれる 「エントリーポイント設計」 の秘訣を紐解きます。

投稿日 2025/11/05

ヒガシマル醤油 。目的から戦略、実行まで指標設定が全体をつなげるマネジメント

#マーケティング #SNS #KGIとKPIとKAI

SNS でフォロワー数は増えたものの、売上への貢献が見えない。バズった投稿があっても一過性で終わってしまう。そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

しかし、ご紹介する食品メーカーのヒガシマル醤油は違いました。ひとつのバズった投稿をきっかけに運用方針を根本から見直し、SNS を流通企業との商談材料として活用する戦略的なマーケティングを確立しました。

今回は、KGI, KPI, KAI (Key Action Indicator (重要行動指標) ) を連動させるマネジメントについて考えます。

投稿日 2025/11/04

ロボット遠隔操作システム WELDEMOTO (ウェルデモート) 。マーケティング活動の6つのステップで読み解く価値創造

#マーケティング #顧客設定 #選ばれる理由

自社の商品やサービスは、お客さんから 「選ばれ続ける理由」 を持っているでしょうか?

競合が存在し、市場が変化する中、一度選ばれただけではこれらかも生き残り続けられるとは限りません。では、どうすれば 「選ばれ続ける商品」 になれるのでしょうか?

今回は、そんな課題へのヒントとなるかもしれない、あるアトツギ企業の事例をご紹介します。マーケティング活動を6つのステップで読み解き 「選ばれる理由」 を生み出す方法を紐解きます。

投稿日 2025/11/03

木曽路のお食い初め。目立つ "表" だけではなく、"裏" の仕組みを整えるマーケティング

#マーケティング #裏の仕組み #ハレとケ

お客さんの来店動機を、どのように設計すればいいでしょうか?

飲食店に限らず、商品やサービスの買ってもらったり利用を促すためには 「なぜ今ここに来るべきか」 という理由づくりが重要です。

企業は広告や販促に力を入れますが、大切なのはその裏側にある "仕組み" かもしれません。今回は、和食チェーンの木曽路が提供する 「お食い初め」 のサービスを事例に、見えにくいけれどお客さんを動かす "裏の仕組み" に注目します。

来店動機を能動的に生み出すヒントを探っていきましょう。

投稿日 2025/11/02

伊勢丹がランドセルをライブコマース。ジョブとバリア・ドライバーの顧客心理から読み解くマーケティング

#マーケティング #ジョブとワーカー #バリアとドライバー

うちの商品は魅力的なはずなのに、なぜかお客さんに響かない…。
色々工夫しても、購入の最後の一押しが足りない…。

もしかすると、お客さん自身も言葉にできない 「本当に望んでいるコト」 や、購入を後押しする 「心のスイッチ」 を見落としているのかもしれません。

今回は、伊勢丹のランドセルのライブコマース販売で成果を上げた事例を取り上げます。

お客さんの心をグッとつかみ、選ばれるためのヒントを 「ジョブ理論」 と、購入の 「バリアとドライバー」 といった心理的な視点から紐解きます。

投稿日 2025/11/01

V 字復活のチェキに学ぶ、時代を超えるブランドを育てるマーケティング

#マーケティング #顧客設定 #顧客価値

スマホ全盛時代にあえてアナログで勝負する企業は、いかに成長できるか――。

インスタントカメラ 「チェキ」 の事例は、その問いに対してひとつの道を示してくれます。

今回は、チェキがどのようにお客さんを捉え、競合を把握し、顧客価値を提供してお客さんに選ばれる存在になったのかを紐解きます。

投稿日 2025/10/31

ニューバランス Run Hub 代々木公園。「カテゴリーエントリーポイント (CEP) 」 と 「ブランドエントリーポイント (BEP) 」 を制して選ばれるブランドへ

#マーケティング #エントリーポイント #ブランド

人が商品やサービスを選ぶまでには、2つの重要な 「入口」 があります。

それが 「カテゴリーエントリーポイント」 と 「ブランドエントリーポイント」 です。この2つの入口を制するブランドが、お客さんから選ばれる存在になれます。

今回はニューバランスの事例から、2つのエントリーポイントをつくる秘訣を紐解きます。

投稿日 2025/10/30

廃業寸前から V 字回復!吉開のかまぼこに学ぶ 「弱者の戦略」 の5つのポイント

#マーケティング #経営 #弱者の戦略

資本力も人員も限られた中小企業が、潤沢なリソースを持つ大手と真正面から競争するのは、筋が良いとは言えません。

リソースの少ないプレイヤーには、強者ではないなりの勝ち方があります。

今回は、一度は廃業した老舗かまぼこ店 「吉開のかまぼこ」 の復活劇から、小さな会社が大きな成功をつかむ秘訣を紐解きます。

投稿日 2025/10/29

[書評] 宙わたる教室 (伊与原新) 。科学がつなぐ再挑戦と学びの物語

#マーケティング #学び #本

学ぶことに遅すぎるなんてことはない——。

そう聞いて、あなたはどう感じますか?
年齢や環境、過去の失敗を理由に、新しい挑戦をあきらめていないでしょうか?

小説 「宙わたる教室 (伊与原新) 」 は、そんな私たちに問いかけてくれる物語です。


小説のストーリーでは、様々な困難を抱えた生徒たちが、定時制高校で出会い、科学を通じて自分の可能性に気づいていきます。主人公たちの姿は、学ぶ喜びや挑戦する勇気を思い出させてくれます。

ビジネスにも共通する大切な学びが詰まっています。

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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信中。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。