
失敗について、別の2冊の本に書いてあったことが印象的だったので、ご紹介します。
失敗を成長につなげるためには
1冊目は、凡人を達人に変える 77 の心得 という本です。著者は野村克也氏です。
野村氏が監督をつとめていた時、ミーティングで選手によく話していたことがまとめられています。
随所にビジネスマンの場合にはこう当てはまるといった、野球 → 一般的なビジネスの視点の切り替えがされます。日々の仕事にも考えさせられることが多い本でした。
77の心得の一つが、言い訳をする人間が伸び悩む理由でした。失敗について次のように書かれていました。該当箇所を本書から引用します。
失敗をした時、なぜ人は言い訳をしたがるのか。これは、失敗と正面から向き合いたくないからである。失敗から逃げ出しているのだ。
だから、同じ失敗をまた繰り返す。私はよく講演や著書の中で、「失敗と書いて、せいちょう (成長) と読む」 と言っている。この意味は、失敗を多く経験すれば、成長するということではない。失敗した原因究明をし、それを次の機会につなげれば、成長の糧になるということである。
野村氏は、単に失敗を重ねるだけでは成長することはないと断言します。
失敗をした後に何を考え、どう行動するかが大事であるとします。それができて失敗を次に活かせます。失敗と書いて 「せいちょう」 と読むことができるようになるのです。
そのためには、失敗から逃げないことです。正面から向き合い、言い訳をしません。原因を明らかにし、同じ失敗を繰り返さないためにはどうすればいいかを考えます。
「失敗への言い訳は進歩の敵」 という指摘は考えさせられました。
苦しい時に何を考えるか
2冊目は、不格好経営 - チーム DeNA の挑戦 です。DeNA の創業者である南場智子氏の著書です。
本書には、DeNA 創業当初から現在に至るまで失敗や苦しい局面が多く書かれています。紆余曲折を経てきたことがわかります。
そんな経験をした著者だからこそ言えるのが、苦しい時には何を意識するとよいかです。本書から該当箇所の引用です。
ひとつは、とんでもない苦境ほど、素晴らしい立ち直り方を魅せる格好のステージだと思って張り切ることにしている。
そしてもうひとつは、必ず後から振り返って、あれがあってよかったね、と言える大きなプラスアルファの拾い物をしようと考える。うまくいかないということは、負けず嫌いの私には耐えがたく、単に乗り越えるだけでは気持ちが収まらない。おつりが欲しい、そういうことだ。
3番目を付け加えるとすれば、命をとられるわけじゃないんだから、ということだろうか。たかがビジネス。おおらかにやってやれ、と。
2つ目の、「後から振り返り失敗があってよかったと思う」 という考え方が印象的でした。失敗をしても、このように捉えられれば失敗をした時に冷静になれます。
自分の経験を振り返っても、たとえ大きな失敗でも1年も立てば、後から考えると笑い話になり、酒の肴になるものです。であれば、失敗直後も 「来年の今頃は笑い話になる」 と思うと、肩の力を抜くことができるのではないでしょうか。
ただし、気持よく笑って話せるエピソードになるのか、苦笑いになるのかは、失敗をどう次に活かすかです。