
自分でやった方が早い病 という本には、30代くらいのビジネスパーソンであれば多くの人が当てはまる、仕事の任せ方についてが書かれています。
エントリーの内容です。
- 本書の内容
- 仕事を任せることの3つの勘違い
- それでも任せるべき
本書の内容
以下は、本書の内容紹介からの引用です。
「まわりの人への任せ方がわからない」 「いい仕事があがってこないから任せたくない」 「教える時間がないから自分でやる」 ――。
これが 「自分でやった方が早い」 という病です。病が悪化すると、待っているのは “孤独な成功者” の姿です。「お金はあるが、つねに忙しくて、まわりに人がいない」 「仕事の成功を一緒に喜ぶ仲間がいない」 。それは本当に 「幸せ」 なのでしょうか?
本書ではリーダーシップ研修のプロが、自らの失敗体験を交えながら 「本当の任せ方」 「人の育て方」 を披露します。仕事がデキるつもりでいても、成長がストップし、いつの間にか孤立してしまう恐ろしい病。特に30代以降のビジネスパーソン、必読です。
仕事を任せることの3つの勘違い
本書での指摘で印象的だったのは、仕事を任せることの3つの勘違いでした。本書からそれぞれについて引用します。
① 「任せる」 は失敗が前提
まわりの人や部下に仕事を任せても、一回や二回でできることはありません。百回でも二百回でも失敗するのが当たり前です。そのことを前提にしておかないと、すぐに 「こいつは使えない」 という烙印を押す結果となってしまいます。
② 「任せる」 は 「丸投げ」 ではない
「任せる」 は、まわりの人や部下に仕事を丸投げすることではありません。「お前に任せたから、あとは自由にやっといて。結果だけ報告してくれたいいよ」 というのは、立派にまわりの人や部下が独り立ちできるようになってからです。
(中略)
任せるけれど、すべて見ているし、細かくチェックもする。一挙手一投足を眺めて、脇からハラハラしながら見守る必要があります。いざとなればすぐに助けを出せる態勢を整えておくわけです。
③ 他人に任せても楽にはならない
まわりの人や部下に仕事を任せると楽になる。そう勘違いしている人も多いのですが、それはまわりの人が一人前だったり、部下が立派に成長してからの話です。最初は、必ず仕事量が増えるので、任せた本人の負担も大きくなります。
「任せたら自分は一切何もしなくていい」 というのは 「任せる」 のゴールです。最初から理想像であるゴールを思い描いているために、「任せる」 ことができないのです。
仕事を 「任せる」 と、より大変になるのは当たり前。それを勘違いしていると、より大変になったときに、「自分は被害者だ」 と思ってしまいます。
短期的に負担が増えたとしても任せるべき
ポイントは、まわりに任せたとしても短期的には自分の仕事は減らないことです。むしろ、任せたはずなのに負担は増え、自分でやったほうが早いと思える状態になってしまいます。
しかし、自分でやったほうが早いと思い込み、実際に任せずに自分で抱えている限りは、いずれは限界が来ます。だからこそ、短期的には任せて自分の負担が増えたとしても、任せるべきであると本書では指摘します。
長い目で見て任せる
任せ方を色々試し、時には失敗しながらも、任された側だけではなく、任せる側も成長が促されます。
「自分がやったほうが早い病」 を治すためには、単に仕事を振るテクニックを知ればいいわけではありません。この病気を治すとは、プレイヤーとしてのビジネスパーソンから、マネージャーの視点を持ち、なぜ自分ではなく任せたほうがいいかまで深く理解することです。
任せることの3つの勘違いを頭に入れておけば、何度か任せたものの任せる前よりも負担が増え、自分でやるしかないと思えても、もう少し長い目で見られるようになるのではないでしょうか。