
ものごとの本質を理解するために、どうすればよいかを考えます。
エントリー内容です。
- できる人は本質を把握する
- 本質を理解するための3つのポイント
- 本質を理解するために
できる人は本質を把握する
仕事をいろいろな方と一緒に進めていくと、中にはこの人は仕事ができるという方に出会います。「できる」 と思う理由は様々です。共通するのは、本質を把握することに長けていることです。
観察すると、本質を理解するためのポイントは3つあります。
- 具体例を構造化 (一般化) する
- 一般化したことを他の具体例に当てはめる
- 具体例の構造化と一緒に、成功と失敗要因や環境などの前提条件を明確にする
本質を理解するために
では、ものごとの本質を理解するためには、どうすればよいのでしょうか。先ほどの3つについて、それぞれ考えてみます。
1. 具体例を構造化 (一般化) する
具体と抽象を行ったり来たりできることが最初のステップです。
具体的なことを一般化するためには、どういう構造になっているかで理解します。
例えば、身近なケースを例に考えてみます。近所のスーパーの食品売場の人気商品に 「お1人様 5個まで」 という POP が貼られていたとします。
それを見て、5個までという店側の意図は2つあるのではと思います。
- 1人でも多くのお客に目玉商品を買って欲しい。5個までと制限をして、1人の客による買い占めを防ぐ
- 「5個まで」 と言われるとそれを見なければ1つしか買わないのに、つい 2, 3個買ってしまいたいと思わせる
2点目を補足すると、人は何か制約や禁止事項があると、それを欲しくなったり、超えたいと思う心理です。
スーパーの POP という具体例から一般化すると、それぞれ以下になります。
- 特定の客に偏ることなく、多くの客に買って欲しい (顧客拡大の機会損失の防止)
- 制約や禁止事項を見るとあえてやってみたいという、人間の気持ちを利用した販売促進策心理 (一人あたり売上増の施策)
ここまでが具体例の構造化です。
2. 一般化したことを他の具体例に当てはめる
仕事ができるなと思う人に共通するのは、一般化した構造を他に当てはめることです。
同じ例で続けると、「お1人様 5個まで」 は食品以外でも、多くの売り場で同じようにできる販促方法を考えてみることです。目の前の具体的な事象から一般化し、別の具体的なことに当てはめるというプロセスです。
人は制約を提示されると欲しくなったり超えたくなる心理は、次のような応用ができます。
お客を募集する際に、期限を設けて 「募集を受け付けているのは XX まで」 と制約をつけます。具体的な期限を言えば、募集率を高められることが期待できます。
3. 前提条件を明確にする
「具体 → 一般 (構造化) → 具体」 で注意することがあります。最初の具体例を一般化するときに、前提条件を明確にすることです。
具体例で、成功や失敗要因は何だったのか、置かれている環境は何かです。
前提条件が理解できていれば、目の前の具体例を構造化し、他の具体的なことに横展開したときに、その構造がそのまま使えるのか、それとも前提条件が違うために単純に当てはめてはいけないかの判断ができます。
先ほどのスーパーで 「お1人様 5個まで」 の例で言うと、人気食品の例なので、前提条件が近いであろう他の売り物への応用は、そのまま使えると考えます。
一方で、食品や飲料などの日用品と違う分野では、前提条件を見極める必要があります。
「お1人様 x個まで」 が有効なのは、該当商品がそもそも良い商品であることが前提です。あるいは、気軽に複数個買える商品であることも前提です。いくら販売促進を打ち出しても、その商品自体に魅力がなければ、効果は小さいでしょう。
前提条件を理解し明確になっていれば、単純に横展開ができるのかどうかの判断ができます。
まとめ
今回は、ものごとの本質をどうやって理解することができるかを、3つのプロセスで考えました。
- 具体例を構造化 (一般化) する
- 一般化したことを他の具体例に当てはめる
- 具体例の構造化と一緒に、成功と失敗要因や環境などの前提条件を明確にする
1つめの構造化だけでも、本質は見えています。しかし、それだけでは十分とは言えません。
構造化 + 前提条件の明確化の2つを同時にやることが、本質理解に必要なプロセスです。