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日本の陸上に新しい歴史が刻まれました。
日本人初の 100m 9秒台を記録 (9秒98)
21歳の桐生祥秀選手 (東洋大) が、陸上男子 100m で9秒98の日本新記録を樹立しました (2017年9月9日) 。公式記録での9秒台は日本人で初めてです。従来の日本記録は、伊東浩司選手が1998年に出した10秒00でした。
陸上男子 100m 桐生が日本選手初の9秒台|NHK ニュース
日本人初の9秒台、桐生祥秀が陸上男子100メートルで新記録|ハフィントンポスト
桐生選手の9秒98の走りはこちらです。
— NHK ニュース (@nhk_news) 2017年9月9日
大会後の桐生選手のツイートです。
10秒01 出してから4年— 桐生(kiryu Yoshihide) (@KiryuYoshihide) 2017年9月9日
9秒98に。
たくさん書きたいことはありますが
まずはありがとうございました。
本当に応援が力になりました。
世界のスタートラインです。 pic.twitter.com/ujGnBD8gwB
目標は限界をつくってしまう
陸上 100m で日本人が9秒台を記録することは、日本陸上界の悲願でした。
桐生選手だけではなく他の現役選手や引退した選手を問わず、10秒を切ることは1つの目標だったはずです。しかし、10秒の壁を突破することは明確な目標になる一方、弊害もあります。
目標の弊害は、目標範囲を超えないという限界をつくってしまうことです。
確かに日本人にとっては、これまで誰も9秒台を記録していなかったので目標とする価値はありました。
2017年現在の世界記録は9秒58です (2009年8月にウサイン・ボルト選手が第12回世界陸上競技選手権大会で記録) 。10秒突破を目指すことは、世界記録を目標としている世界のトップ選手とレベルが違います。10秒を切ることを目標にしている限りは、世界と差があるままです。
日本人初の9秒台が意味すること
陸上男子 100m で日本人初の9秒台が意味することは、世界トップレベルを現実的に目指せるという認識をもたらすことです。
選手にとっては、自己ベストを更新するという目標に加え、オリンピックの金メダル獲得、世界新記録が具体的な目標に掲げられるようになるでしょう。
また、これから選手になる次の世代にとっては、10秒の壁は悲願として超えたい目標ではなくなります。はじめから、世界記録などの世界トップレベルの選手と同じ目標意識で育っていくでしょう。
相乗効果の期待
桐生選手が日本新記録の9秒台を出したので、2020年の東京オリンピックが楽しみになりました。
他の選手も今回のニュースで良い刺激になったはずです。切磋琢磨から、陸上界に相乗効果が出ることを期待したいです。
最後に
もう一度、桐生選手の9秒98の動画です。左から4人目、第5レーンが桐生選手です。
これまでの日本記録であった伊東浩司選手の10秒00です。1998年のバンコクアジア大会の準決勝でした。
最後は、2017年現在の世界記録であるウサイン・ボルト選手の9秒58の走りです。なお、動画は著作権のため YouTube 上でしか再生されません。タップまたはクリックから YouTube に移動いただきご覧ください。