
今回は、商品名についてです。
✓ この記事でわかること
- おもしろいと思った商品名の事例 4 選
- 「名は体を表す」
- 商品開発やマーケティングに学べること
この記事で書いていることのポイントは、「商品名での独自化」 です。
4つの事例からネーミングのおもしろさを見ていきます。よかったらぜひ最後まで読んでみてください。
あとのせもち麦
1つ目にご紹介するのは あとのせもち麦 です (公式サイトはこちら) 。
出典: Amazon
一般的には、もち麦の食べ方は、お米に入れて一緒に炊きます。
一方の 「あとのせもち麦」 は、すでに調理してあるサラダやスープにそのままトッピングして使うことを想定している商品です。
商品名に 「後からのせて使う」 という意味を込め、もち麦の新しい食べ方の提案をしています。ここがおもしろいと思いました。もち麦を食べたことがない人にも、使うシーンをイメージしてもらうことも狙っています。
iromekuri
2つ目にご紹介したい商品は文具で iromekuri です (公式サイトはこちら) 。
出典: @Press
iromekuri (色めくり) という商品名に込められているのは、色の豊富さやきれいさ、1つ1つをめくるように使って楽しんでほしいという思いです。1冊に32色の色があり、どれを選ぶか、どこに貼るか使い方と楽しさをネーミングに入れています。
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ここまで見てきた 「あとのせもち麦」 と 「iromekuri」 の2つの商品名には、使い方を直接ネーミングで表現するという共通点がありました。
では次の3つ目にご紹介するのは、商品名を 「動詞」 にするおもしろい事例です。
ハーゲンダッツ
見ていただきたいのが、1996年のハーゲンダッツのテレビ CM です。
2人の大人の男女が絡み合い、ハーゲンダッツのバニラアイスを相手に食べさせ合う官能的な映像です。
CM の最後に、「Shall we Häagen-Dazs?」 と見ている人に言葉で問いかけます。この一言が印象的です。
文法的にはこの表現は正しくないですよね。ハーゲンダッツは名詞なので、Shall we ~ には動詞を使うのが本来です。
しかし Shall we の後にあえてブランド名を入れ、ハーゲンダッツを動詞として扱っているのが興味深いです。今でいうネット検索をすることを 「ググる」 と言うように、ブランド名を動詞にして 「ネーミングからの独自化」 を目指しています。
チョーヤ
最後の4つ目の事例は梅酒のチョーヤです。
チョーヤの広告コピーで、「これはもう、梅酒というより、チョーヤです」 があります。
コピーに込められているのは、「梅酒それ自体と差別化したチョーヤを、ぜひ飲んでほしい」 という思いです。それだけ自分たちのチョーヤ梅酒に絶対の自信があるわけです。
梅酒というアルコール飲料カテゴリーそのものからの、つまり他の全ての梅酒と比べて唯一無二の存在となる独自化を狙っています。そしてそれが、自分たちは実現できた誇りと自信が広告コピーに込められていると見ました。
なお、この話は別のブログ記事で詳しく書いているので、よかったら読んでみてください。
学べること (まとめ)
では最後に今回のまとめとして、4つの商品名の事例から学べることを整理してみましょう。
学びを一言で表現をすれば、「名は体を表す」 です。
自分たちの哲学、目指したい世界観、こだわり、使い方の提案などを商品やサービス名に入れる重要性です。これらを情報としてパッケージや Web ページに説明することも大事ですが、名前に一言で魂を込めることも大事なのです。
自社の商品やサービスの名前の由来は何か、新商品の名前をつける時にどんな思いを込めるか、そして名前をどう伝えていくかは、商品開発やマーケティングで大切にしたいことです。
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