投稿日 2024/12/21

「これ、なんのための時間…?」無駄な会議になる要因5つ。会議を生産的にする方法

#ビジネススキル #会議

 「この会議、何のためにやったんだろう?」 

そんな思いを抱きながら会議室を後にしたことはありませんか?時間だけが過ぎ去り、具体的な成果も次のアクションも決まらない…。そんな非生産的な会議に辟易している方も多いのではないでしょうか。

実は、会議が効果的に機能しない原因には共通点があります。そして、それを解決する方法も存在するのです。

今回は、誰もが経験したことのある 「無駄な会議」 の正体を明らかにし、生産性の高い会議を実現するためのポイントを解説します。

無駄な会議になる要因


仕事で会議に参加したものの、身のある中身ではなく、「この会議は何だったのか」 となってしまった経験はないでしょうか?

非生産的な会議になる要因を整理してみると、結論、次の5つです。

  • 会議のアジェンダがない
  • アジェンダはあるが会議の目的が不明瞭
  • アジェンダが抽象的 (例: 〇〇 について) 
  • 会議の目的やアジェンダを参加者が理解していない (会議への参加意識の低さ) 
  • 会議で成果を必ず出すという認識がない


では順番に詳しく見ていきましょう。

会議のアジェンダがない

会議が非生産的になってしまう要因のひとつに、会議のアジェンダがないことが挙げられます。

アジェンダがないと、会議の流れが定まらず、議論が散漫になりがちです。

例えば、営業部門の週次ミーティングで、参加者が集まったものの、誰も具体的な議題を準備していないというケースです。結果として、雑談や個別の案件報告に終始し、重要な課題の検討や戦略の立案がなされませんでした。

アジェンダはあるが会議の目的が不明瞭

アジェンダがあっても、その会議で何を達成したいのかという目的が明確でないと、議論の焦点がぼやけます。

会議のアジェンダとは、会議という1つのレースを走る際の中継地点となるマイルストーンのようなものです。各中継場所がわかっても、会議目的という最終ゴールが示されていなければ、会議は結局は迷走します。

本来のぞましいのは、目的があり、目的を達成した状況となるゴール設定があり、ゴールに行き着くための各アジェンダが設定されるという会議設計がつくられていることです。

アジェンダが抽象的

アジェンダが抽象的であることも生産的ではない会議の要因です。

例えば 「新商品の発売について」 というアジェンダだったとしましょう。

これだけでは、会議で話し合うのが新商品の具体的に何についてかは、会議が始まるまではわかりません。発売前のユーザー調査の結果が共有される場なのか、発売に向けた進捗確認をするのか、あるいは具体的なキャンペーンへのアイデアを出し合うことかもしれません。

アジェンダが 「新商品の発売について」 だけでは、参加者はどう準備して臨めばいいのか分からず、結果として、会議中に話があちこちに飛び、結論に至らないまま時間が経過してしまうでしょう。

会議の目的やアジェンダを参加者が理解していない

目的とアジェンダを会議オーナーや事務局がつくって用意しても、会議の参加者に伝えられていなく、また事前通知があっても全参加者が会議目的と議題を理解していないと、準備不足や議論への積極的な参加が難しくなります。

会議前にアジェンダが共有されたにもかかわらず、参加者がそれを読んでおらず、何について話すのかを知らないまま会議に参加するというケースです。

会議の論点についての参加者間の認識のズレがある状態で会議を進めると、議論が噛み合わなくなります。会議中に議論が時間配分の通りに進まないだけでなく、必要に応じて再度説明を行う二度手間も起こり、無駄な時間が費やされてしまいます。

会議で成果を必ず出すという認識がない

会議の成果に対する意識が低いと、ゴールから逸脱した議論になったり、具体的な決定やネクストアクションにつながりません。これも非生産的な会議の一因です。

例えば、顧客サービス改善のための会議で、様々な問題点や改善案が議論されましたが、その会議の場では参加者の誰も具体的な改善策まで落とし込もうとしなかったり、「何を」 「誰が」 「いつまでに」 という実行計画を立てる意識がありませんでした。会議後に具体的なアクションプランや次のステップが決まらず、ただ話し合っただけで終わってしまうというケースです。

会議で何かしらの成果を出すという意識が弱いと、会議でのアウトプットへの生産性を下げ、参加者の時間と労力を無駄にしてしまいます。

会議を生産的な場にする方法


ではここまでの内容を受けて、会議を生産的な場にするための対策について考えていきましょう。

会議の目的を明確にする

アジェンダとともに、会議の目的をはっきりと記載し、全員が理解できるようにします。

たとえば開発中の新商品についての会議であれば、「この会議の目的は、新商品のマーケティング戦略に合意し最終確定することです」 ということを事前に参加者に伝えます。

会議のはじまりの冒頭でも目的を確認し、全員が同じ会議のゴールに向かって議論できるようにします。

会議アジェンダを具体的に設定する

会議のアジェンダがないことへの対策は、会議の事前準備として必ず詳細なアジェンダを作成することが重要です。

会議の主催者は、会議の日時が決まったらすぐにアジェンダを作り、参加者に事前に送ります。例えば、「9:00 - 9:15 プロジェクトの進捗報告」 「9:15 - 9:45 新しいマーケティング施策の提案」 「9:45 - 9:55 質疑応答と次のステップの確認」 といったアジェンダ設定をします。

さらに、アジェンダは具体的な内容に落とし込み、議題ごとに期待される成果まで想定しておくといいでしょう。

先ほどの例の 「プロジェクトの進捗報告」 というアジェンダを、「タスク A の進捗報告」 「タスク B の課題共有と解決策の検討」 「ネクストステップのスケジュール確認と調整」 といった具体的な項目に分けます。

アジェンダが具体的で会議の論点がわかれば、会議参加者は自分が何を準備すべきか、どのように会議に臨めばいいかが明確になります。

会議への参加意識を高める

会議の目的とアジェンダは必ず事前に共有し、参加者に事前準備を促し、会議の冒頭で再確認するといいです。

会議の招集メールに目的とアジェンダを記載し、必要に応じて 「このアジェンダについては、各自の担当部分について発表をお願いします」 のような依頼をしておきます。

会議開始時にも 「本日の目的は 〇〇 、アジェンダは…」 と再確認することで、会議への参加意識を高め、全員が同じ方向を向いて会議に臨み、同じ姿勢になれる空気感をつくります。

会議で成果を必ず出す気概を持つ

会議の終わりにクロージングの時間をとり、会議で決めたこと、具体的なアクションプランを確認します。アクションについては、「何を」 「誰が」 「いつまでに」 を明確にし、後からメンバー間での認識のズレが起こらないようにします。

具体的には、会議の最後の5分で、「今日の会議で決定したことはプラン A の実行、代替案としてプラン B の準備です。A については田中さんが担当し、来週の次回の会議で進捗を報告してください。B については山田さんにとりまとめていただき、来週の水曜日までに結果をメンバー全員に共有してください」 と具体的にアクションを落とし込みます。

これで参加者全員が次に何をすべきかについて理解し、会議の成果を確実に前に進めることができます。

* * *

以上の対策を実施することで、会議を生産的な場に変えることができます。

会議の参加者全員が同じ目標に向かって効果的に議論できるようになり、会議の質が向上します。

まとめ


今回は、生産的な会議にするためにはどうすればいいかを考えました。

最後にポイントをまとめておきます。

✓ 非生産的な会議になる要因
  • 会議のアジェンダがない
  • アジェンダはあるが会議の目的が不明瞭
  • アジェンダが抽象的 (例: 〇〇 について) 
  • 会議の目的やアジェンダを参加者が理解していない (会議への参加意識の低さ) 
  • 会議で成果を必ず出すという認識がない

✓ 会議を生産的な場にする方法
  • 会議の目的を明確にする
  • 会議アジェンダを具体的に設定する
  • 会議への参加意識を高める (事前共有と準備の促し, 会議冒頭での目的とアジェンダの認識合わせ) 
  • 会議で成果を必ず出す気概を持つ


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。