#マーケティング #ダイエット #本
ダイエットに挫折した経験は、誰にでも一度や二度はあるはずです。
何度もダイエットに挑戦しては失敗し、リバウンドを繰り返してしまう…。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、これまでのダイエットの常識は間違っていたかもしれません。 "ロジカルダイエット - 3か月で 「勝手に痩せる体」 になる (清水忍) " という本は、今までのダイエットの常識を覆す新しいアプローチを提案しています。
運動よりも食事が重要?急激な減量は逆効果?この本は、科学的根拠にもとづいた持続可能なダイエット法を紹介しています。
しかも、その考え方はビジネスにも応用できるのです。そこで今回は、あなたのダイエットだけではなく、ビジネスも変える可能性を秘めた 「ロジカルダイエット」 の秘訣に、ぜひ一緒に迫っていきましょう。
本書の概要
この本に書かれているのは、論理的な根拠にもとづいた無理をしない持続可能な体重管理の方法です。
特徴は、3か月かけて 「二度と太らない体」 を作り上げることを目指している点です。急激な減量や身体に過度な負担をかけて、ストレスがたまるような我慢を強いるダイエットではなく、ゆっくりと確実に体質を変えることによるダイエットを提案しています。
最初にやることは、そもそも何のためにダイエットをしたいのかという目的の明確化、目標とする体重を決めるところからです。そこから達成したい期日とゴールから逆算し、食事による摂取カロリーのコントロールをするというアプローチです。
本書でわかることは、
- 本当に効果的なダイエット方法
- 適切なカロリー摂取量の計算方法
- 運動がダイエットに効果がない理由
- リバウンドしないための食事術
次のような方にオススメです。
- 最速で痩せることよりも、健康的に確実に痩せたい方
- これまで何度もリバウンドを繰り返し失敗してきた方
- 正しいダイエット知識を知りたい方
読んで実践することであなたは、
- 無理なく続けられるダイエット習慣を身につけることができる
- 二度と太らない体質を手に入れられる
- 健康的な食生活を送ることができるようになる
ダイエット成功の9割は食事
この本では、ダイエット成功の9割は食事にあると主張されています。
消費カロリーに対して、適切なカロリー摂取を習慣化することが重要という考え方からです。食事量を適切に守り継続することで、身体と脳に 「このくらいのカロリー摂取が自分には適切である」 と思わせます。エネルギーを消費しやすい体をつくり、食事のカロリー量を調節するだけで自然と痩せていくわけです。
本書のアプローチの特徴は、「脳と体を合理的・効率的にだましてやせるメソッド」 という点にあります。急激な身体の変化は脳の警戒アラートを発動させてしまい、逆らったり本能的に元に戻ろうとするというリバウンドにつながりやすいです。少しずつゆっくりと変化を加えていくことが推奨されています。
決して焦らず、毎日適切なカロリー摂取にとどめ、それを我慢せずに楽しく取り組むことで、合理的かつ効率的にダイエットを成功させることができるのです。
ダイエットにおける運動の位置づけ
運動はダイエットのために不可欠ではあるものの、運動だけで体脂肪を減らすことは難しいです。
筋トレや有酸素運動でも大幅な減量効果は期待できず、運動によるカロリー消費は思ったほど多くはありません。
運動はダイエットの "土台"
では運動は何のためにするのか?運動をすることは、筋力や心肺機能を高め、日常のカロリー消費量を増やすための 「土台」 を作るためにあります。
ダイエットは食事が9割なので、ダイエットにおける主役は食事です。運動の役割は主役ではなく 「脇役」 ですが、ダイエットを成功させるためには運動は必要です。運動は日々のカロリー消費を増やすためのカギとなるからです。
活動量が多い人は日常のあらゆる場面で体を動かし、その結果、エネルギーを多く消費します。活動量が多い人は太りにくく、自然とやせやすくなります。
運動で効果があるのは筋肉をつけること
筋トレにはカロリー消費への効果は小さいですが、脂肪のたるみを目立たなくさせる効果があります。
たとえば、腹筋を鍛えることでお腹が引き締まって見えるようになります。これは脂肪が減り、筋肉が発達した結果です。体脂肪が減らない限り痩せたとは言えず、運動による 「シェイプアップ効果」 と 「やせること」 は別の現象です。
日常の中で活動的になる
運動は筋トレや有酸素運動だけではなく、カロリー消費という観点では、普段の日常生活でどれだけ小まめに体を動かせるかが大事です。ニート (NEAT: 非運動性熱産生) という運動以外の身体活動で消費されるエネルギーをいかに増やせるかがポイントです。
仕事や家事などの日常の生活シーンにおいて、移動をしたり、階段を上ったり、物を運んだり、掃除をしたりといったいろいろな行動をとっています。ニートという、これらの運動以外の体を使った活動によって消費されるエネルギーが多い生活習慣にすることを目指します。
痩せやすい身体を手に入れるために
では、ロジカルなダイエットから、痩せやすい身体にするためにはどうすればいいかを見ていきましょう。
自分の消費カロリーを把握する
人の1日の消費カロリーは、基礎代謝をベースに活動量によって変動します。
たとえば、体重が 60kg の人が安静に過ごす場合、1日の消費カロリーは 1440kcal になります。これは次の計算式で求められます。
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基礎代謝量 (kcal) = 1メッツ × 24時間 × 60kg = 1440kcal
この基礎代謝量に、日常の活動量が加わることで1日の総消費カロリーが決まります。活動量は人によって異なり、① デスクワーク中心の人、② 立ち仕事が多い人、③ 非常に多く動く人などで、それぞれ消費カロリーが大きく変わります。
活動量は 「メッツ・時」 で表されます。メッツ (Metabolic Equivalent of Task の略) は活動の強度を示す指標です。
メッツの最小数である1メッツとは、横になって動かないような安静時です。よって24時間でもし動かない状態を1日続けると 「1メッツ × 24時間」 から、24メッツ・時となります。
24メッツ・時をベースに、① ほとんど動かない人は、② 立ち仕事が多い人、③ 非常に多く動く人の活動量はそれぞれ次のようになります。
- ほとんど動いていない人: 34メッツ・時
- 立ち仕事が多い人: 38メッツ・時
- 非常に多く動いている人: 48メッツ・時
具体的な消費カロリーを知るためには、日々の活動内容を記録し、それぞれの行動に対応するメッツの値を掛け合わせて算出します。このようにして自分にとって適切なカロリー摂取量を見極めることができます。
個人の体重や日常的な活動レベルにもとづいて、1日の消費カロリーを算出し、それに応じた摂取カロリーにすることを習慣化することで、効率的なダイエットが可能となり、無理なく理想の体重を維持することができるのです。
やせている人の特徴
太っている人とやせている人の違いの1つに、「食事でお腹が一杯になったときに、そこで食べるのをやめられるかどうか」 があります。
やせている人は満腹を感じたら食べるのをやめられますが、もしそこでコントロールができないと、余計に食べてしまう分だけ過剰なカロリーを摂取してしまいます。これが積もり積もって太り過ぎになるわけです。
満腹後も食べ続ける理由は、食べることに快楽を求めているからです。食事が 「必要な栄養やエネルギーを得ること」 というよりも、「快楽を味わうこと」 になってしまっていることが原因です。
この食事行動を変えない限りダイエットは成功につながらず、やせている人、太りにくい人になることはできないと本書では指摘しています。
本書 「ロジカルダイエット」 は、科学的な根拠にもとづき、実践的で持続可能なダイエット方法を提案しています。ロジカルと言っているとおり、主張は論理的で説得力があります。
この本は、ダイエットを一時的で無理やりの体重減少ではなく、長期的な生活習慣の改善として取り組むものであることを読者に促します。多くの人々が抱えるダイエットの悩みや困りごとに対する新たな視点と解決策を提供してくれます。
ビジネスへの示唆
この本を読み進めると、効果的なダイエット方法とビジネスにおいて成果を上げるプロセスには共通点があることに気づきます。ダイエットの成功を 「ビジネスで成果を上げる」 と置き換えることで、本書 「ロジカルダイエット」 で書かれている内容はビジネスにも示唆に富みます。ロジカルダイエットの考え方の本質を見出すことで、より効果的かつ持続可能なビジネスでの成功につながります。
現状把握と目標設定
ダイエットでの適切なカロリー摂取量の計算は、ビジネスにおける現状分析と目標設定に置き換えることができます。
自社ビジネスの市場環境や自分たちの置かれた状況を正確に把握し、ビジネス目標と実行内容から逆算して必要な情報のインプットを見極めることが重要です。
たとえば、企業の規模や業界の特性、顧客理解、競合動向、現在の市場シェアなどにもとづいて、今足りていない必要な情報を洗い出し、情報収集と分析のプロセスを考えることが有効です。
情報のインプット
本書 「ロジカルダイエット」 では、ダイエットの成功の9割が食事と主張するくらい食事からの 「摂取カロリー」 を重視します。ビジネスに当てはめれば、この考え方は 「ビジネスにおける情報インプットの重要性」 と捉えることができます。
ビジネスでは、適切な情報を適切なタイミングで取り入れるかが大事です。たとえば、市場環境、顧客理解、競合分析、社内動向の把握などの情報は、ビジネスにとっての 「栄養源」 となるわけです。
適切な量と質の情報を効率的に収集し、活用できる組織体制とすることで、情報の 「代謝」 が良好な状態になるでしょう。
アウトプットから逆算した情報インプット
食事に対する考え方は、ビジネスでの情報や知識に対する姿勢や態度として捉えられます。
本書 「ロジカルダイエット」 の考え方をビジネスに応用する際に重要なのは、「運動を土台にし、食事でのカロリー摂取をコントロールする」 というアプローチです。ビジネスの文脈では、「アウトプットや行動から逆算し、アウトプットありきでの情報インプットを心がける」 ことに置き換えられます。
具体的には、仕事でのアウトプット (報告書の作成, プレゼンテーション, 意思決定など) をまず想定し、アウトプットを生み出すために必要な情報を逆算して収集するアプローチを取ります。目的意識を持った効率的な情報収集が可能になり、収集した情報が確実にアウトプットにつながるでしょう。
たとえば、週次の部門内の報告会に出ているとします。報告会での発表や共有をすることから逆算して、必要となる情報 (市場動向, 顧客からの声・フィードバック, 競合動向など) を事前に収集しておきます。これにより、情報収集は単なる作業にとどまらず、具体的な目的を持った活動となります。
また、このアプローチは 「情報の代謝」 を高めることにもつながります。定期的なアウトプットが求められることで、組織全体が常に新しい情報を求め、効率的に処理する能力を高めることができます。市場の変化に迅速に対応できる組織づくりにも貢献することでしょう。
さらに、このアプローチを組織全体に浸透させることで、「情報を収集するだけ」 「会議をするために集まっているだけ」 といったあまり生産的とは言えない活動を減らし、常に成果を意識した行動を促します。組織の生産性向上につながるだけでなく、メンバーの一人ひとりの目的意識も高めます。
過剰な情報収集を避ける
ダイエットにおいてやせている人に見られる共通点である 「お腹が一杯になったときに、食べるのをやめられる」 というのは、ビジネスにおいては 「十分な情報が得られたときに、さらなる情報収集を控える」 と同じです。
過剰な情報収集は時間と工数の無駄につながるだけでなく、意思決定を遅らせる要因にもなります。適切なタイミングで情報収集を終え、行動に移る決断が大事です。
情報を意思決定の材料として冷静に扱い、それ以上でもそれ以下でもなく、執着しすぎないことです。情報過多による行動の遅れ、長期的な組織の健全性を維持することにつながります。
アウトプット習慣をつける
ビジネスにおける 「運動」 、つまりアウトプットの意義は、「成果を上げるための土台づくり」 と言えます。
インプットした情報を日常的に加工・処理し、アウトプットすることが苦にならないくらいになり、日々活発に業務活動ができる力を育むことが重要です。
これは、ダイエットにおける 「活動量」 の重要性と同じです。日々の小さな行動や意思決定、アウトプットが習慣になっていることで、ビジネスでの成果につながりやすくなります。
まとめ
今回は、書籍 "ロジカルダイエット - 3か月で 「勝手に痩せる体」 になる (清水忍) " を取り上げ、学べることを見てきました。
最後にポイントをまとめておきます。
- ダイエット成功のカギは食事 (摂取カロリーコントロール) : 消費カロリーに対し適切なカロリー摂取の習慣化が重要。身体と脳に 「このくらいのカロリー摂取が自分には適切」 と認識させ、急激な変化は避け、少しずつゆっくりと変化を加えていく
- ダイエットでの運動の位置づけ: 運動はダイエットに不可欠であるが、運動だけで体脂肪を減らすことは難しい。筋トレや有酸素運動のカロリー消費は限定的であり、ダイエットの主役は食事。運動は筋力や心肺機能を高め、日常のカロリー消費を増やすための土台を作る役割を果たす
- 痩せやすい身体を手に入れるために: 自分の消費カロリーを正確に把握し、適切な摂取カロリーを設定する。やせている人の特徴は、満腹時に食べるのをやめられること。食事を快楽のためだけではなく、必要な栄養やエネルギーを得るものとして捉えるといい
- ビジネスへの示唆: 現状把握と目標設定、適切な情報インプットの重要性、アウトプットから逆算した情報収集など多くの共通点がある。過剰な情報収集を避け、適切なタイミングで行動に移る決断が大事。日常的なアウトプット習慣をつけることで、情報の 「代謝」 を高められる
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