
Free Image on Pixabay
ビジネスでの会議を有効に使うためには、どうすればよいでしょうか?
そのために見過ごされがちなことは、会議の 「予習」 と 「復習」 です。会議設計という準備と、会議後に議事録を有効に使いフォローすることです。
会議を有効な場にする 「会議設計」
会議設計のポイントは3つです。
Why: なぜその会議をやるかの目的を明確にする
- 目的からその会議での成果イメージ (獲得目標) に落とし込む
- 成果イメージとは、その会議が終わった時にどんな状態になっているか
What: 会議のアジェンダ設定
- 目的と成果イメージから逆算し、会議で話し合うテーマを議題として整理する。各議題に対して論点を洗い出す
- 各議題のゴールイメージを設定する。「XX について合意する」 とし、単に 「XX について検討する」 ではゴールイメージが曖昧になる (会議後にゴールを達成したかどうかが判断しにくい)
How: 誰に出席してもらえばよいか、どんな会議形態がよいのかを決める
- 出席者は本当に必要なメンバーで、なんとなくの参加者はいないことが望ましい
- 情報共有の場なのか、ディスカッションをするのか、関係者間で意思決定や合意をするのを明確にする
会議設計ができれば、出席者に事前情報を伝えます。直前ではなく、なるべく24時間以上前が望ましいです。
会議の目的や議題とともに、会議資料も併せて共有します。また、参加者に会議で発表してほしいことも依頼します。
定例会のような会議であれば、前回の議事録の確認し、前回で何を決め、何が持ち越されたのかを把握しておきます。
会議を有効な時間にするためにはこうした準備が大切です。会議は 「準備が8割」 です。
会議設計のトレーニングとして、自分が会議オーナーではない会議についても自分がオーナーならどう会議を設定するかを考えるとよいです。
議事録は会議の成果物
会議を単に集まってなんとなく話して終わりではなく、会議で決めたことのアクションの進捗管理をするために、議事録を有効に使います。
議事録を参加者の発言集とするだけではなく、その会議がどんな価値を生み出したかを見える化し、共有するために使います。
議事録は会議の成果物です。議事録の中に、会議で決めたこと、持ち越したこと、ToDo が書かれているかで、その会議が意味のあるものだったかがわかります。
議事録作成のポイントは次の3つです。
- 決定事項:会議で何を決めたのか
- 持ち越し:決まらなかったこと、次回に持ち越した内容
- ToDo:アクションアイテムについて、「何を」 「誰が」 「いつまでに」
意思決定に参加者の発言が重要であれば、各メンバーの発言や議論内容を議事録に書きます。
議事録は会議中に並行で作成し、上記3点をその場で参加者に見てもらい認識に齟齬がないようにします。議事録は会議後のなるべく早いタイミングで関係者に共有します。
議事録には ToDo には 「何を」 「誰が」 「いつまでに」 が書かれているので、会議後のアクションの進捗フォローとしても使います。
その会議はかけたコスト以上の価値を生み出すか?
会議を考えるにあたり、前提として持っておきたい認識が2つあります。
- 会議へのコスト意識
- その会議は価値を生み出しているか
会議はコストがかかります。関係者で集まって話しているとコスト意識は持ちにくいのですが、人件費で会議を計算するとどのくらいのコストが発生しているかがわかります。
例えば、10人が集まる1時間の会議の場合、出席者の人件費時間単価を5,000円とすると、5,000円 × 10人 × 1時間 = 50,000円 です。もしこれが毎週実施の定例会のようなものだとすると、1年を50週と単純化すれば年間コストは250万円です。
問われるのは会議にはそれだけのコストを使った価値があったのかということです。
例えば、ある会社の年間売上が500億円、(原価と人件費などの販管費を引いた) 営業利益が50億円だとします。売上500億と営業利益50億は、1の利益を上げるためには10倍の売上が必要ということです。
つまり、1のコストに対して10の売上が見込めるのであれば、そのコストは費用対効果がプラスになります。1回の会議で5万円のコストだとすると、「この会議は50万円の売上につながる価値を生み出しているのか?」 という意識が大切です。
「会議のコスト意識」 と 「会議が価値を生み出しているか」 の感覚を持つからこそ、会議の準備としての会議設計と、会議の成果物として位置づける議事録が重要です。