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このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。
今回のエントリーでは、2016年10月の1ヶ月で、クリックが多かった本をご紹介します (4冊) 。順番はクリック数の多かったものです。
経営の教科書 - 社長が押さえておくべき30の基礎科目 (新将命)
書評としてのエントリーは残していませんが、「大局観をいかにして磨くか」 というテーマが興味深かったので、ブログエントリーとして取り上げました。
大局的な視点でものごとを見るには 「多、長、根」 という3つがキーワードだとします。
- 多:複数の視点から全体像を把握する
- 長:短期ではなく長期のスケールで考える
- 根:本質に立ち返る
詳しくはこちらのエントリーで紹介しています。
大局観を持つための視点は 「多 / 長 / 根」
エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)
書かれている内容で印象的だったのは以下でした。
- 近い将来にエネルギーがフリーになるとほぼ断定されている。人間の社会生活の原動力のベースとなるエネルギーが、ほぼコストなしに無尽蔵に算出されるようになる
- エネルギー問題というボトルネックが解消されるので、人々の生活の基礎となる衣食住が無料になる
- 生活必需品の全てが事実上無料で提供されるため、お金を使わなくても生きていける
- お金を稼ぐために働く必要がなくなる。お金や資本主義という社会形態も変わる。ただし、お金を得る以外の労働へのモチベーション、例えば社会貢献や自己実現のために働くことは残るので、労働が全くゼロにはならない
- 病気や老化がなくなり、寿命からも解放される
こうした社会全体の変化は、エクサスケールというコンピュータに実現されると著者は言います。本書には、エクサスケールコンピューティングの詳細よりも、それによってどういった恩惠が人類にもたらされるのかの近未来像が描かれています。
本書は総ページ数が600ページほどあります。内容は興味深く、一気に読み終えました。全ての箇所は精読しなかったので、もしじっくりと読めばある程度の時間は必要です。
もちろん、書かれていることが本当に、数十年以内くらいのタイムスパンで起こるかどうかはわかりません。
それでも、壮大なスケールで書かれている本書からは考えさせられることが多く、読んでよかったと思える内容でした。
書評エントリーはこちらです。
書評: エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)
なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)
様々な企業のビジネスモデルが紹介され、興味深く読めます。他の類似本と違うのは、単にビジネスモデルを紹介しているだけで終わっていないことです。
ビジネスモデルの事例紹介 → 仕組みの一般化 → 他業界にある同様のモデル紹介 となっています。具体化 → 抽象化と縦に考え、抽象化 → (他の) 具体化と横展開されているのです。
同じビジネスモデルでも違う業界に適用されているので、そのモデルの本質的な仕組みを理解できます。書かれている内容がきっかけや刺激になり、そのビジネスモデルを自分の業界や、自分の仕事に活かせないかと考えてみると発想が広がるでしょう。
この本の関連エントリーです。本書で取り上げられていたビジネスモデルのうち、最も印象的だったコマツ建機の KOMTRAX (コムトラックス) について取り上げています。
KOMTRAX:コマツ建機の美しいビジネスモデル
外資系コンサルの知的生産術 - プロだけが知る 「99の心得」 (山口周)
気付きが多い良書でした。この本をおすすめしたい方としては、レポートやプレゼン資料の作成に自分のやり方が確立していて、普段はこの類の本は読まない方です。
本書の最初に、「知的生産の戦略策定」 という考え方が出てきます。ここで言う知的生産物とは、レポート、企画提案書、プレゼン資料などを指しています。
知的生産のための戦略をどうするかで、興味深かったのは 「自分の知的生産物を、どうやって他の知的生産物と差別化するか」 という視点です。
一般的には差別化と言えば 「競合との差別化」 になります。本書でユニークなのは、知的生産では 「受け手がすでに持っている知識との差別化」 としていることです。
知的生産物を届ける相手がすでに持っている情報や知識に対して、自分がつくるレポートなどに新しい情報や有益な価値があるかどうかです。この差別化の視点は読み手である自分が持っていなかったものです。
この学びだけでも、読む価値がありました。詳しくはこちらのエントリーをどうぞ。
受け手の既存情報との差別化で、レポートやプレゼン資料をより価値のあるものにしよう
この本については、もう1つ関連エントリーがあります。
あなたのレポートやプレゼンには 「事実」 「洞察」 「行動の提案」 まで入っていますか?