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このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。
今回のエントリーでは、2017年1月の1ヶ月でクリックが多かった本をご紹介します (5冊) 。クリック数の多かった順番で並んでいます。
WHY から始めよ! - インスパイア型リーダーはここが違う (サイモン・シネック)
TED での 優れたリーダーはどうやって行動を促すか を語ったサイモン・シネックの著書です。
本書で紹介されているアイデアを一言で表現すると、「人は何を (What) ではなくなぜ (Why) に動かされる」 です。
「なぜ」 は、自分の動機やビジョン、理念です。自分が信じていることを語り、共感が生まれれば人々を惹きつけることができるという考え方です。
本書ではゴールデンサークルというフレームが紹介されています。Why, How, What の3つの円があり、この順番がポイントです。
一般的にはゴールデンサークルの外側から内側に向けて考えると言います。What → How → Why の順番です。しかし優れたリーダーは逆で、Why → How → Whatの順で伝えます。
具体例として Apple が取り上げられています。iPhone や Mac を What からではなく、Why からメッセージがあったと著者のサイモンは説明します。Apple の場合は Why は 「世界を変えること」 であり 「Think different に価値がある」 です。
関連のエントリーはこちらです。
Why からはじまるゴールデンサークル:シンプルかつ応用度の高い思考アイデア
経営の教科書 - 社長が押さえておくべき30の基礎科目 (新将命)
書評としてのエントリーは残していませんが、「大局観をいかにして磨くか」 というテーマが興味深かったので、ブログエントリーとして取り上げました。
大局的な視点でものごとを見るには 「多、長、根」 という3つがキーワードだとします。
- 多:複数の視点から全体像を把握する
- 長:短期ではなく長期のスケールで考える
- 根:本質に立ち返る
詳しくはこちらのエントリーで紹介しています。
大局観を持つための視点は 「多 / 長 / 根」
なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)
様々な企業のビジネスモデルが紹介されています。不動産、バス、素材、地銀、建機、旅館、タイヤなどの業界です。
本書が他の類似本と違うのは、日本企業の事例が多く扱われていること、そして、単にビジネスモデルを紹介しているだけで終わっていないことです。
紹介されている各ビジネスモデルについて、以下の3つのステップで説明がされます。
- ビジネスモデルの事例紹介
- 仕組みの一般化
- 他業界にある同様のモデル紹介
流れとして、具体例 → 抽象化 → (他の) 具体例、と横展開されています。
この本でのビジネスモデルを学ぶ考え方は、異業種にあるモデルから着眼点を得ることです。具体的に、異業種のどこを見ればよいか、どうすれば移植できるか、その際の課題は何かが書かれています。
同じビジネスモデルでも違う業界に適用されているので、そのモデルの本質的な仕組みを理解できます。書かれている内容がきっかけや刺激になり、そのビジネスモデルを自分の業界や、自分の仕事に活かせないかと考えてみると発想が広がるでしょう。
書評エントリーはこちらです。
書評: なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)
ザ・会社改造 - 340人からグローバル1万人企業へ (三枝匡)
本書は会社経営者によって書かれた本です。実在の株式会社ミスミグループを舞台に、主人公である著者も三枝の実名で描かれます。
経営に参考になるだけではなく、リーダーシップ、組織マネジメント、戦略論、マーケティング、営業、など、様々な視点で学びが多く、示唆に富む内容でした。
著者がミスミで CEO を務めた12年での多岐に渡るストーリーです。書かれている1つ1つの改革は連動し、全体の戦略に沿っています。
興味深く読めるのは、著者が企業経営において改革 (本書では 「改造」 と表現) を進めていった中で、試行錯誤のプロセスが具体的にリアルに描かれている点にあります。美談だけではなく、改革の失敗や挫折が、関係者の証言と併せて詳しく書かれています。
書評エントリーはこちらです。
書評: ザ・会社改造 - 340人からグローバル1万人企業へ (三枝匡)
究極の身体 (高岡英夫)
運動や体の本で、今まで読んだ中で最もおすすめの一冊です。人の身体構造や運動のメカニズムについて独自理論が、興味深く読めます。
本書の究極の身体の定義は 「人体の中で眠っている四足動物、あるいは魚類の構造までをも見事に利用しきって生まれる身体」 です。
人間の進化は、魚類 → 爬虫類 → 哺乳類 → 人間と経ています。人間の身体には、魚類、爬虫類や哺乳類などの四足動物の構造も受け継いでいると著者の高岡英夫氏は言います。
著者の問題意識は、究極の身体を持っているにもかかわらず、現在の人類の多くはその身体資源を使いきれていないことです。
究極の身体を実現するために印象的だったことは、以下でした。
- 究極の身体に不可欠なことは重心の意識。そのために筋肉の脱力が必要
- 身体の中にセンター (軸) を構築する。センターは、身体の重力線とほぼ一致するところを通る身体意識
- 究極の身体の立ち方は、吊り人形のように頭部の糸で身体を吊り上げ、そこからゆっくり下ろして足を接地させたような立ち方 (緩重垂立) 。体重を支えるギリギリのところまで力を抜いたプラプラの状態
身体動作や運動構造に興味のある方は、おもしろく読める本です。書評エントリーはこちらです。
書籍 「究極の身体」 がおもしろい