
今回ご紹介したい本は、ビジネスの限界はアートで超えろ! (増村岳史) です。
- 何が書かれている本?
- アートでビジネスの限界を超えるとは?
- アート思考で 「0 → 1」 を生み出す方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事からわかるのは、本の中身 (何が書かれているか) 、読む時のポイントです。
アートとデザインの違いなど、興味深く読めた本でした。ぜひ記事の内容も参考に、この本も読んでみてください。
この本に書かれていること
本書に書かれていることは、アートやアーティストの思考法が、どのようにビジネスに活かす考え方や方法です。
以下は内容紹介からの引用です。
複雑で変化がとても激しく、不確実性が高い今日のビジネス環境において、従来の知識や論理的思考・分析のみに頼った発想や思考では限界があります。ビジネスにおいても、全体を直感的に捉えることのできる感性や、課題を独自の視点で発見し、創造的に解決する力の重要性が日増しに高まってきています。
今まで我々は、左脳が主につかさどるロジカルシンキングを鍛えてきました。論理が持つ力ももちろん重要ですが、これからの二十一世紀をしなやかに生き抜いていくためには、アートが持つ感性の力も同じぐらいに重要なはずです。
本書では、さまざまな事例の紹介を交えながら、みなさんが日々対峙しているビジネスと、日頃あまり接することのないアートの相互関係について探っていきます。
この本のテーマは 「アート思考」 です。
アート思考によって、ロジカルシンキングの限界を超え、ビジネスにイノベーションをもたらす、ゼロからイチを生み出すと書かれています。
この本を私が興味深く読めた視点は、以下です。
興味深かったこと
- アートでビジネスの限界を超えるとは?
- アートとデザインの違い
- アート思考とは
- アート思考を身につける方法
以下、それぞれについてご説明します。
アートでビジネスの限界を超える
アーティストが日々実践している思考法である 「アート思考」 は、ビジネスの限界を超えることに役に立つと、この本では書かれています。
アーティストたちの思考法であるアートシンキングは、ロジカルシンキングの限界を超え、ビジネスにイノベーションをもたらします。そしてそれは、センスとロジック、理論と実践、主観と客観を繰り返すところから生まれます。
(引用:ビジネスの限界はアートで超えろ! (増村岳史) )
本書が指す 「ビジネスの限界」 は、ロジカルシンキングの偏りすぎによって起こります。
論理一辺倒だけではなく、アート思考によってアイデアを生み、イノベーションを実現していきます。
アート思考とは何か
では、アート思考とは何でしょうか?
アート思考とは、アーティストが日々実践している思考法です。
アーティストは、個々人が持つ直観力、創造力、感性をフル稼働し、自分がつくりたいと思うものをカタチにしていきます。世の中にはない、新たな価値を生み出すのです。
アートに求められるのは、美術的な感性だけではありません。感性とロジック、理論と実践、主観と客観をそれぞれ両方を繰り返しながら、創っていきます。
アートとデザインの違い
そもそも、アートとは何でしょうか?
この本で興味深かったのは、アートとデザインの比較です。
アートとデザインの違い
- アートは問題提起、デザインは問題解決
- アートは自分の内側から表現したいと思うことを表現する、デザインは依頼者 (クライアント) の問題を解決する
アートとは、自己表現です。自分の内面から生まれる表現したいと心から思うことを作品として世に生み出します。
一方のデザインは依頼者の課題ありきです。課題に対してデザインによって問題を解決します。
デザインについて、本書で印象的だった内容を引用します。
グラフィックデザイナー亀倉雄策は生前、デザインとアートの違いをこのように述べていました。
「アーティストは自分の身体の中にあるすべての思いや感情を吐き出し表現するのが仕事であり、それゆえに作家なのである。デザイナーはあくまでクライアントの課題を解決するのが仕事であるので制作物に作家性を 1% でも入れたのであればデザイナー失格である」
つまり、アーティストはとことんまで自己を表現するのに対して、デザイナーはクライアントの課題解決のために、たとえば、プログラマーがクライアントのシステムを構築するためにプログラミング言語を使ってプログラムを書くように、軸は常にクライアントに寄り添ったところにあります。 アーティストもデザイナーも同じように (視覚) 表現をしますが、目的は大きく異なるのです。
(引用:ビジネスの限界はアートで超えろ! (増村岳史) )
アート思考を身につける方法
アート思考は、アーティストそのものにまでなる必要はありませんが、ゼロからイチを創るアーティストの考え方や方法を実践する思考法です。
では、アート思考を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか?
もちろん、すぐにアート思考ができるかというと、そう簡単ではありません。しかし、本書にはアート思考をビジネスの場でも活かすヒントが書かれ、示唆に富みます。
私が思ったアート思考を身につけるポイントは、以下です。
アート思考を身につける方法
- 見るのではなく 「観る」 。観るとは、対象を能動的に捉え考える (右脳 + 左脳)
- 全体の俯瞰と細部を観るを交互に行う (絵画初心者は細部ばかりに目がいく)
- 美術のスキルがアート思考を高める。デッサンを描くなど、観察し絵を描く
- アート思考の根源は 「美意識」
いずれも一朝一夕ではありませんが、教科書通りの簡単ではないからこそ、アート思考はおもしろいと思いました。
まとめ
今回は、ビジネスの限界はアートで超えろ! (増村岳史) という本をご紹介しました。
アートとは何か、アート思考の考え方、どうすればアート思考を身につけられるかが、とても興味深く読めた本です。
最後に今回の記事のまとめです。
アーティストたちの思考法であるアート思考は、ロジカルシンキングの限界を超え、ビジネスにイノベーションをもたらす。
本書が指す 「ビジネスの限界」 は、ロジカルシンキングの偏りすぎによって起こる。論理一辺倒だけではなく、アート思考によってアイデアを生み、イノベーションを実現していく
- アートは問題提起、デザインは問題解決
- アートは自分の内側から表現したいと思うことを表現する (自己表現) 。デザインは依頼者 (クライアント) の問題を解決する
- 見るのではなく 「観る」 。観るとは、対象を能動的に捉え考える (右脳 + 左脳)
- 全体の俯瞰と細部を観るを交互に行う (絵画初心者は細部ばかりに目がいく)
- 美術のスキルがアート思考を高める。デッサンを描く。観察し絵を描く
- アート思考の根源は 「美意識」
ビジネスの限界はアートで超えろ! (増村岳史)