出典: PR TIMES
今回のテーマは、データを活用した商品開発やマーケティングです。
✓ この記事でわかること
- 男性化粧品マニフィークの商品開発
- 商品開発に Amazon データを活用
- Amazon データはどう使った?
- マニフィークの事例から学べること
- 「OODA からのデータ活用方法」 とは?
興味深かった商品開発の事例をご紹介します。そこから学べることとして、データを使っての商品開発やマーケティングを解説しています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
男性化粧品マニフィーク
今回取り上げるのは、 男性向け化粧品ブランド 「マニフィーク」 です (公式サイトはこちら) 。
出典: PR TIMES
以下は日経新聞からの引用です。
コーセー子会社のコーセーコスメポート (東京・中央) が展開する男性向け化粧品ブランド 「マニフィーク」 が若年層を中心に支持を広げている。「自然」 をテーマに、付け心地や香りにこだわったアイテムをそろえる。
男性の化粧品需要が徐々に高まるなか、販路を電子商取引 (EC) サイト中心に絞るなど、独自の戦略を打ち出して競合との差異化を図っている。
(中略)
マニフィークは若年層だけでなく、肌の見た目を整える BB クリームが中年層からも支持を集めており、販売は当初計画を上回るペースで拡大しているという。
マニフィークの商品開発
マニフィークが誕生したのは2020年9月です。
ブランドの立ち上げにあたって、コンセプトをつくるところから Amazon のデータを活用しました。ここが興味深かったです。
再び記事から引用します。
ブランドの立ち上げに向けて、アマゾンジャパン (東京・目黒) に協力を求めた。同社が持つビッグデータを活用してブランドコンセプトなどを練るためだ。分析の結果、意外なことがわかった。
「キャンプなどのアウトドアを好む男性と、化粧品を使う人の親和性が高い傾向にあった」 (コーセーコスメポート戦略事業部の野村靖氏) 。そこで、この知見を反映し、コンセプトは 「いい顔は、自然でつくる。」 とした。
出典: マニフィーク
販売方法やパッケージにも活用
Amazon のデータからは商品コンセプトだけではなく、販売や商品パッケージにも活かしています。
日経の記事によれば、
データ分析は販売手法にも生かした。主要ターゲット層の 20 代後半 ~ 30 代は EC サイトの利用が多いと分かり、オンラインでの販売を軸とした。
(中略)
EC サイトに合わせて商品パッケージも工夫した。キャッチコピーなどは盛り込まず、グレーなどの背景を基調にブランド名や商品名は白黒と、あえてシンプルにした。
野村氏は 「EC サイトと商品パッケージの両方でアピールを狙うと、ごちゃごちゃしてしまう」 と説明する。すっきりした見た目にすることでコンセプトを分かりやすく伝えることを追求した。
EC 販売に絞る決断
とはいえ EC サイト販売を決めることは、簡単ではありませんでした。
ただ懸念もあった。肌に直接付ける化粧品は通販で購入しにくいと考える人も少なくない。マニフィークのような新興ブランドであればなおさら、店舗で実際に試し、スタッフの助言を参考にしながら選びたいものだ。
野村氏は当初 「アンテナショップを立ち上げて、顧客との接点を持つのが先ではないか悩んだ」 と振り返る。
議論の末 「EC サイトのデザインや見せ方を工夫すれば、オンラインでも十分に訴求できる」 (野村氏) と判断。通販ならではの特徴を生かす方向性を固めた。マニフィークの公式サイトでは、アイテムごとに花畑や木々、海中のイメージ画像を添え、化粧品を使うことで自然の恵みを得られるような印象にした。
データから何を読み取るか
では、ここまで見てきたマニフィークの商品開発から、学べることを掘り下げていきましょう。
今回のテーマは 「ビジネスでのデータ活用」 です。大量にあるビッグデータや情報から何を読み取り、どう商品アイデアや売り方に転換するかに学びがあります。
データは、自分たちが知りたいそのものズバリの答えは教えてくれません。あくまで事実としての事象です。データからの解釈と創造、意思決定をするのは人間の役割です。
では、どうすればデータから示唆を出したり、アイデアを生むことができるのでしょうか?
ヒントは OODA ループにあります。
OODA ループとは
OODA ループとは一言で言えば、意思決定と実行のプロセスです。OODA は英語の4つの単語の頭文字からです。
✓ OODA ループ
- Observe (観察) : 情報を収集する
- Orient (状況判断) : 収集した情報を解釈し、何を意味するのかを考える
- Decide (意思決定) : 状況判断から決断をする
- Act (行動) : 行動に移す
OODA からのデータ活用
それでは、OODA の4つをマニフィークの商品開発と販売に当てはめてみましょう。
次のようにきれいな流れになっています。
✓ OODA からのデータ活用
- Amazon データからアウトドアが好きな男性と化粧品を使う人の親和性を発見した [観察]
- コンセプトに 「自然」 を取り入れ、想定顧客は EC サイト利用が多いことにも着目 [状況判断]
- ブランドコンセプトは 「いい顔は、自然でつくる。」 。販売は EC で、パッケージや EC での見せ方 (売り方) はシンプルにした [意思決定]
- 決断した戦略と施策を実行 [行動]
以上のようにデータ活用の方法を OODA と照らし合わせると、人の役割が見えてきます。
データからどういう視点で観察をし、そこから自分たちのビジネスの文脈で何を解釈するかは、人の役目です。
ビジネスではすんなりとものごとが決まることは多くはなく、悩みや迷い、葛藤があるものです。例えばマニフィークでは、アンテナショップの展開をやらないという決断をしました。
マニフィークの事例から学べるのは、データ活用におけるデータの解釈から意思決定の方法、そして 「決断と実行に人の意思を込めること」 の重要性です。
まとめ
今回は男性化粧品のマニフィークの商品開発から、データ活用の方法を見てきました。
最後にまとめです。
マニフィークの商品開発
- コンセプト立案、パッケージ、販売方法 (見せ方や売り方) に Amazon データを活用
- 販売は当初計画を上回るペースで拡大している
データ活用の姿勢
- データは、そのものズバリの答えは教えてくれない。あくまで事実としての事象
- データからの解釈と創造、意思決定をするのは人間の役割
OODA からのデータ活用 (マニフィークの場合)
- Amazon データからアウトドア好きな男性と化粧品利用者の親和性を発見 [観察]
- コンセプトに 「自然」 を取り入れ、想定顧客は EC サイト利用が多いことにも着目 [状況判断]
- ブランドコンセプトは 「いい顔は、自然でつくる。」 。販売は EC で、パッケージや EC での見せ方はシンプルにした [意思決定]
- 決断した戦略と施策を実行 [行動]
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