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経営者と、プロダクトマネージャーとマーケターを考えます。
まず経営者について、経営者は会社の成長段階によって3つのタイプがあることをご紹介します。
3つのタイプには、プロダクトマネージャーやマーケターと共通点があります。共通点から、プロダクトマネージャーとマーケターに求められる役割を書いています。
エントリー内容です。
- 会社の成長段階ごとにみる経営者の役割
- プロダクトマネージャーの3つの役割
- 経営者・プロダクトマネージャー・マーケターの共通点
会社の成長段階ごとにみる経営者の役割
論語と算盤と私 という本に、経営者は、企業の成長ステージによって大きく3つに分類できると書かれています。
3つとは、起業家、事業家、経営者 (狭義の意味) です。
起業家 (創業期)
- 事業を立ち上げ、0 から 1 を生み出す
- 事業を構想し仲間を集め、アイデアや技術から、製品やサービスを開発する
- 初期の顧客を獲得する
事業家 (成長期)
- 1 にした事業を、継続して利益を創出する 10 の規模に育てる
- ビジネスモデルや事業のオペレーションを洗練させる
- 継続して売上や利益が出る仕組みをつくる
経営者 (成熟期)
- 事業規模が 10 のものを 100 にする
- 1つの事業を10倍にするよりも、10 の事業を10個並行して運営する
- 個々の事業を深く見るよりも事業全体を俯瞰し、組織や経営のマネジメントをする
企業の成長段階において、トップに求められる役割は異なります。
プロダクトマネージャーの3つの役割
プロダクトマネージャー (PM) は、製品やサービス開発に責任を持ち、主導する役割を果たします。
先ほどの企業のトップの3つの段階および求められるタイプは、PM にも当てはまります。
開発
- プロダクトを 0 から立ち上げる開発マネジメント
- 製品やサービスのアイデアが受け入れられる市場があるか (product market fit) 、最初の顧客やユーザーは誰かを見極める
- アイデアから初期仮説をつくり、検証するための必要最小限のテスト用プロダクト (MVP: Minimum Viable Product) を開発する
拡大
- プロダクトを 1 から 10 にする
- 安定してプロダクトが運用され、使われるように仕組みをつくる
- 開発初期は属人的な運用であるが、拡大期には組織で運用がまわるようにする
安定
- プロダクトのメンテナンスや定期的なアップデートを、滞りなく行われるよう主導する
- いかに安定した運用ができるかどうかが求められる
- 1つのプロダクト開発に深く入るよりも、複数のプロダクトを俯瞰してマネジメントをする
経営者・プロダクトマネージャー・マーケターの共通点
経営者が企業の成長段階によって求められることがあり、プロダクトマネージャー (PM) の役割も同様であることは興味深いです。
共通点から見えてくること
なぜ両者の役割が同じかを考えると、PM がやっていることは、プロダクトの CEO だからです。
経営者は、企業の事業を開発し発展させ、成熟するようマネジメントをします。PM はプロダクトという対象を生み出し、拡大させ、成熟したプロダクトにします。
扱う対象は、経営者は事業や組織、PM はプロダクトです。しかし本質的には、いずれも外部環境に応じて常に変化をし適応し、開発・成長・成熟というプロセスを目指します。
マーケターに当てはめると
扱う対象によって自分たちの対応を適切に変えることは、マーケティングにおいても同様です。
マーケティングでは、自分たちの顧客がアーリーアダプターかマジョリティのどちらを想定するかによって、マーケティング戦略や施策は異なります。
また、顧客が新規か既存 (リピート客) かによっても変わります。リピート客でも、ロイヤリティの高い顧客ではさらに対応が変わります。
自分の状況と果たすべき役割を見極める
経営者、PM 、マーケターで、扱う対象の段階の違いによって求められる役割が異なります。
重要なのは、今の自分はどの段階にいるのか、果たすべき役割は何かを常に自問しながら進めることです。状況を見極め、認識した上で戦略を立て、実行し、実行からのフィードバックや学びから戦略と施策に反映させることが求められます。
最後に
今回は、経営者の企業の成長フェーズごとの3つの役割に分け、プロダクトマネージャーとマーケターとの共通点を考えました。
フェーズごとに役割は異なります。人によっては、向き不向きがあるでしょう。企業のトップでも、安定運用や経営を俯瞰するマネジメントは苦手で、0 から 1 にする事業の立ち上げが得意な人、その逆の人もいます。
今の自分の状況と求められる役割の把握とともに、自分自身の理解も大事です。