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商品やサービスの提供価値についてです。
商品・サービスを使う人にとってどんな価値があるかを、どうやって知ることができるかを考えます。
エントリー内容です。
- その人が頭に浮かんだ選択肢と比較して、価値を知る
- 他の選択肢がない唯一無二について聞く方法
- 価値を言語化する
その人が頭に浮かんだ選択肢と比較して、価値を知る
商品やサービスの価値を知るためのオーソドックスなやり方は、その人にとっての 「他の何か」 と比較して答えてもらうことです。
質問は、2つのやり方があります。
1. 他と比較しての 「自分たち強み」 から直接的に
具体的な質問は、「あなたが頭に浮かんだ選択肢の中で、他ではなくそれを選んだ理由は何ですか」 となります。
この質問のポイントは2つあります。
相手視点の比較設定
- 競合の設定は自分たちでするのではなく、商品・サービスを使う人の視点で行う
- 「あなたが頭に浮かんだ選択肢の中で」 と聞く
相対的な比較
- 選んだ理由を、その選択肢との比較から答えてもらう
- 「他ではなくそれを選んだ理由」 と "他ではなく" を強調する
他の選択肢ではないこと、つまり競合に比べて自分たちの商品やサービスが選ばれる理由が、その商品・サービスの強みです。他では満たせないことであれば、独自の価値を提供できていることになります。
2. 他と比較して 「他の弱み」 から間接的に
もう一つの質問の方法は、競合を主語にして自分たちの強みを間接的に知るやり方です。
先ほどの1つめの質問は、自分たちを主語にして自分たちの強みを直接聞きました。主語を入れ替え、次のような質問をします。2つの質問を続けて聞きます。
- その商品またはサービスが買えなかった、使えなかった場合に、代わりに何を買いますか / 使いますか?
- 本来買いたい / 使いたいと思ったものと比べて、代替のものでは不便だと思うこと、足りないものは何がありますか?
代替商品やサービスで満たされないことが、もともと買おうと思ったものが選ばれる理由です。これがないから、代替というセカンドオプションなわけです。
自分たちの強みを知るために、競合 (代替のもの) の弱みを聞き、間接的に自分たちの優位な提供価値を理解します。
他の選択肢がない唯一無二について聞く方法
次に考えたいのは、他の選択肢や代替するものが存在しない、唯一無二のものだった場合です。どうやって価値を知ればよいかです。
例えば、ある人にとって、仕事のオフィスで飲む飲料は1つに決まっているとします。
具体的には、そのブランドのストレートティーです。500ml の紙パックの紅茶とまで決まっています。いつも買う時は迷うことなく、その紅茶を必ず買います。コンビニに売っていなければ、近くの別のコンビニで買うほど、唯一無二の存在です。
このケースでは、他の選択肢が存在しません。そのブランドの紅茶 (500ml パック) を買うことが習慣化されています。
このレベルになると毎日買うのが当たり前なので、本人自身も今さらなぜそれを買うのか、どんな価値を得ているかが、言葉では説明できないことがあります。
自分でも明確に説明できないような深層にある心理は、1回の質問で引き出すことは難しいです。
何度か質問を繰り返し、本人も質問されて考えてみて始めて価値に気づくことができます。
具体的には、以下の質問が有効です。
- なぜそう思いましたか?
- その時はどんなふうに感じますか?
- それは具体的にはどういうことですか?
- 要するにこういうことですか?
- 何か他にはありませんか?
- 別のもので例えると、どう表現できますか?
価値を言語化することの大切さ
価値を理解するために有効なのは、日頃から価値を自分の言葉で言えるようにすることです。
まずは自分にとっての価値は何か、具体的に説明するとどう言えるかです。日常生活で自分が無意識にも感じている価値を言語化することが、価値を知ることのトレーニングになります。
他人にとっての価値は、質問などの対話や観察によって理解します。単に理解するだけではなく、なぜそうなのかを深掘りし、他人が抱く価値に共感しようとする姿勢が大事です。
最後に
今回は、提供価値とは何か、価値を知るためにどうすればよいかを考えました。
最後に、関連するエントリーの紹介です。以下は、消費者インサイトについて書いたものです。
このエントリーでご紹介した価値について知る方法は、消費者インサイトを見い出す方法に通じます。よろしければ、ぜひご覧ください。