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今回は、マネジメントについてです。マネジメントの本質は何かを考えます。
エントリー内容です。
- 組織マネジメントの全体像 (Why, What, How, Who)
- 個人のレベルにも当てはまる
- プロダクトマネジメントに見る4つのマネジメント
「マネジメントで苦労していることは?」
以前に仕事である会議に出席した時のことです。各マネージャーが参加しており、会議での話題はマネジメントについてでした。
各マネージャーへの質問は 「マネジメントで苦労していること、困っていることはないか」 でした。質問を受けて、マネージャーそれぞれからの回答は、メンバーをどう育てるか、モチベーションをいかに高めてあげられるか、仕事をどこまで任せるとよいかなどでした。
共通するのは人のマネジメントです。会議での議論は、人材育成の視点になりました。
組織マネジメントの全体像
上記の議論で思ったのは、チームのマネジメントには 「人」 以外も対象があることです。
組織のマネジメントには、人 (who) のマネジメントも含めて大きくは4つあります。
- Why: 組織のビジョン (存在意義)
- What: 使命や戦略
- How: 組織の業務オペレーション
- Who: 組織の人材育成や評価
以下、それぞれについての補足です。
Why: 組織のビジョン (存在意義)
- 組織として目指すものは何かをマネジメントする
- 自分たちの組織として創りたい世界観は何か
- 何のために存在するのか。自分たちのありたい姿
What: 使命や戦略
- 組織で共有するビジョンを実現するために自分たちは何をするか
- 使命として持つこと、何をやって・何をやらないかの戦略
How: 組織の業務オペレーション
- 使命や戦略として決めたことを日々の業務に落とし込むマネジメント
- PDCA を組織としてまわすなどのオペレーション
Who: 組織の人材育成や評価
- 組織のメンバーの一人ひとりに対して、人としてどう向き合うか。いかに育て評価するか
- メンバーそれぞれの内面に働きかけ、内発的動機づけを行なう
- 強制してメンバーを動かすのではなく、自律した人材になるよう導き支援する
4つは連動する
マネジメントと聞くと、4つのうちの最後の who に目が行きがちです。事実、冒頭でご紹介した会議でも質問は 「マネジメントで困っていること」 だったのに対して、各マネージャーの答えの多くは暗黙的に who である 「チームメンバー」 のことでした。
確かに組織を預かる立場からすれば、チームメンバーをいかに育てるかなどのメンバーのマネジメントは大事です。
一方で、時には視座を上げ、マネジメントの視点を複数持てるとよいです。Who だけではなく、How, What, Why のマネジメントです。4つが連動することによって、組織のマネジメントは機能します。
個人のレベルにも当てはまる
マネジメントの4つの視点は、組織だけではなく個人にも当てはまります。
目の前の仕事ばかりに意識が向かうと視野が狭くなってしまいます。仕事をどう進めるか、あるいは誰に頼めばよいかなど、how や who の視点です。
もちろん、how と who は大事ですが、what と why も意識として持っておきたい視点です。
What とは、単に仕事のタスクレベルのことではなく、個人での自分の使命は何か、何を成し遂げたいと思うかです。
Why は、仕事を通じてどんな社会を創りたいのか、理想とする実現したい世界観は何かです。創るプロセスを通じて自分はどうありたいかも含まれます。
自分で自分自身をマネジメントするという観点から、マネジメントの4つを持てば大局的に自分の仕事を捉えることができます。
プロダクトマネジメントに見る4つのマネジメント
プロダクト開発においても4つのマネジメントは当てはまります。
開発を主導するプロダクトマネージャー (PM) の役割は、プロダクトを開発する意義を見い出し、開発するプロダクトを定義することです。
今回の文脈で言えば、なぜ開発するのか (why) 、何を開発するのか (what) です。PM が特に責任を持つのは why と what です。
一方で、PM としての仕事もやっている経験から、どうやって開発するのか、誰に任せるかの具体的なことは、全てを PM が背負わなくてもよいと考えます。
PM が示した開発プロダクトの意義と定義に対して、開発計画に落とし込むのは開発エンジニアリードであるという役割です。
最後に
今回は、マネジメントについて4つのレイヤーで考えました。
- Why: ビジョン
- What: 使命や戦略
- How: オペレーション
- Who: 人
組織マネジメント、自分自身のマネジメント、プロダクトマネジメントのいずれにも当てはまります。
マネジメントに限らず、Why, What, How, Who は、使いやすいフレームです。