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今回は、仕事でのオンラインの社内コミュニケーションについてです。
あるスタートアップのコミュニケーション環境が興味深かったので、取り上げています。
- スタートアップでの Slack の使い方
- この話の本質は?
こんな疑問に答える内容でブログを書いています。
具体的なブログ記事の内容は、
- 社内のオンラインコミュニケーションが Slack だけで成立
- ガラケーとスマートフォンと同じ構図
- メールにはなく Slack ならではの価値
この記事を読んでいただければ、古いものが新しいものに代替されることの本質とは何かがわかると思います。
ぜひ最後まで読んでみてください!
社内のオンラインコミュニケーションが Slack だけで成立
フリーランスとして事業支援をしているスタートアップでは、社内のオンラインコミュニケーションは、ほぼ全て Slack に一本化されています。
社外のお客との連絡のやり取りはメールですが、社内のメンバーとのオンラインの情報共有は Slack だけで成立しています。社内の人からメールが送られてくるケースは、日常では、会議招集の通知、グーグルドキュメントのアクセス権付与の通知くらいです。
前職の企業では、オンラインの社内コミュニケーションの主要ツールはメールでした。
チャットはサブで、メールとチャットは使い分けられていました。チャットの使われ方は、1対1で使うことが多かったです。メールよりもカジュアルに使いたい時、急いで連絡を取りたい時に使っていました。
ガラケーとスマートフォンと同じ構図
社内でのオンラインのコミュニケーションが、Slack だけで成立していることは、前職の状況と比較すると興味深いです。少なくとも社内の人だけのやりとりでは、メールの用途が Slack に取って代わった (リプレイスされた) ということです。
リプレイスの状況が構図として似ているのは、かつての携帯電話 (フィーチャーフォン・ガラケー) とスマートフォンです。
昔の携帯電話でできたことはスマホでも可能で、さらにスマホはフィーチャーフォンではできなかったことも可能です。つまりスマホは従来の価値を内包し、加えてスマホならではの利用価値があるのでフィーチャーフォンに取って代わったのです。
メールにはなく Slack ならではの価値
あるものが、別のものにリプレイスされるのは、既存の価値を全て満たし、さらに新しい価値を提供するからです。先ほど見たフィーチャーフォンとスマホは典型的な例です。
メールと Slack に話を戻すと、社内コミュニケーションのメールの用途は Slack で事足ります。
さらに Slack は、以下のようなメールより高い利用価値があります。
- コミュニケーションのスピードが早い
- 絵文字によるリアクションで簡単にメッセージや気持ちを伝えられる
- 通知のコントロール。メールに比べて、相手への通知や自分への通知設定が柔軟に変えられる。メールは to と cc で変えられるが、受信側からするとメールの届き方は同じ
- メールに比べて文面がシンプル
- 情報共有がしやすい。例えば、メールだと送るまでもないと思うことも、Slack だと気軽にシェアできる
- 個別メッセージとチャネルの使い分けができる
最後の 「個別メッセージとチャネルの使い分け」 について補足です。
Slack には、相手との1対1または複数グループでのダイレクトメッセージと、複数メンバーで構成するチャネルがあります (ダイレクトメッセージも一定人数以下の複数人は可能) 。
私のイメージは、前者のメッセージはチャットで、後者のチャネルはコミュニティのように機能することです。チャネルはプロジェクトやサービス・プロダクトの単位など、任意につくることができます。
Slack を社内コミュニケーションに使っていて思うのは、メッセージとチャネルでは使われ方が違うということです。
メッセージには相手に情報を送る、自分に送られてくるという感覚が強く、チャネルのほうはメッセージに比べて送受信の感覚が弱いです。チャネルにはその分、情報をコミュニティ内に 「置いておく」 という感じです。掲示板に書き込みをする感覚に近いです。
Slack のメッセージにはメールと同じような使い方のイメージがありますが、チャネルのユーザー体験はメールにはありません。この価値が Slack でしかないものです。
まとめ
今回のまとめです。
- あるスタートアップでは、社内のオンラインコミュニケーションが Slack だけで成立している。メールは、社外のお客との連絡のやり取りが主。あとはカレンダーやグーグルドライブからの通知くらいしか来ない。メールの用途が Slack に取って代わった (リプレイスされた)
- リプレイスの状況が構図で似ているのは、かつての携帯電話 (フィーチャーフォン・ガラケー) とスマートフォン。スマホが、携帯電話でできたことに加え、それ以上の利便性がある
- つまりスマホは従来の価値を内包し、加えてスマホならではの利用価値があるのでフィーチャーフォンに取って代わった。あるものが、別のものにリプレイスされるのは、既存の価値を全て満たし、さらに新しい価値を提供するから
最後に
今回は、あるスタートアップに見る、オンラインの社内コミュニケーションについて考えました。
今後は大企業でも同じように Slack のようなチャットだけで成立し、メールは取って代わられるのかです。それとも Slack がメールの社内連絡機能を代替するのは、数十人規模のベンチャー企業だからこそなのかは興味深いです。