
今回は、プロダクト開発についてです。
- プロダクト開発はどう進めればいい?
- プロダクト開発戦略の立て方
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、プロダクト開発の進め方です。
プロダクトマネージャーとして普段考えていることや、新しいプロダクトを開発するにあたって開発戦略をどう立てるかを書いています。
マーケティングとプロダクトマネジメントを専門にしている立場から、プロダクト開発を戦略思考とマーケティングの観点から解説します。
仕事でプロダクト開発に携わっている方、プロダクトマネージャーに興味のある方にも参考になると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。
プロダクトの存在意義
いきなりですが、ビジネスにおいてプロダクトは何のために開発するのでしょうか?
一言で言えば、プロダクトの存在意義は 「ユーザーの抱える問題を解決すること」 です。
ユーザーの問題解決が、プロダクト開発の目的です。ユーザーに価値を提供し、その対価で自分たちの売上や利益が得られます。
戦略とは何か
では、プロダクトを新しく開発するにあたって、どう進めていけばよいでしょうか?
ここからはプロダクトの開発戦略のつくり方を解説します。
プロダクト開発に限らず、一般的には戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。戦略はリソース配分の指針です。
良い戦略の条件は、次の5つがあります。
良い戦略の条件
- 目的が明確である
- やることが絞られている (リソースを集中投下できる)
- 実行できる
- 中身が具体的で、目的・戦略・実行プランに一貫性がある
- シンプルに説明できる
プロダクト開発戦略
プロダクトの開発戦略を考える時は、私は次のフレームを使っています。
プロダクト開発戦略のフレーム
- ターゲットユーザー
- 問題設定
- 使い方と提供価値
- 実現方法
以下、それぞれについて解説します。
[戦略要素 1] ターゲットユーザー
戦略で大事なのは、目的を達成するための的になる目標と、目標が絞られているかです。
最初に絞るのは、ユーザーです。あらゆるユーザーを想定するのではなく、ターゲットユーザーを決めます。
別の表現をすれば、ターゲットユーザーとは相思相愛になれる人です。
相思相愛になれる人
- 自分たちが使ってもらいたいと思う人
- プロダクトを使いたいと思ってくれる人
自分たちの顧客を最初に決め、残りの戦略の要素をつくっていきます。
[戦略要素 2] 問題設定
ターゲットユーザーを決めた後は、プロダクトが解決する問題を設定します。
自分たちが使命として解決したい問題は何かです。
ターゲットユーザーが抱えている問題で、すでに顕在化したニーズや不満もあれば、ユーザー本人もはっきりとは意識していない潜在的な問題の場合もあります。
後者の潜在的な問題は、マーケティングで言うところの消費者インサイトに近いものです。
消費者インサイトとは 「人を動かす隠れた気持ち」 です。普段は消費者本人は意識していませんが、そうだと気付かされれば行動を起こしたり、時には生活習慣をも変えるような奥にある気持ちです。
プロダクトの存在意義は 「ユーザーの問題を解決すること」 だと最初に書きました。問題設定とは、自分たちは何の不を解決するかです。
問題設定の見極めは、「頻度 x 不の深さ」 の二軸で考えるといいです。
[戦略要素 3] 使い方と提供価値
3つめの開発戦略の要素は、使い方と提供価値です。
ターゲットユーザーは、具体的にどのようにプロダクトを使うのか、その時にユーザーが得られる本質的な価値は何かです。
使い方と価値を一緒に考えるのは、価値は使っている最中、あるいは使った直後にもたらされるからです。
ポイントは、その使い方において、価値が本当にユーザーにとってうれしいものなのか、競合他社のプロダクトと差別化されているかです。
差別化とは、次の2つを満たしていることです。
差別化とは
- ユーザーに違いが認識される
- その違いに意味がある (価値になっている)
[戦略要素 4] 実現方法
4つめの戦略要素が 「実現方法」 です。
使い方と価値の実現方法は、マーケティングの 4P の要素で整理します。4P とは、Product, Price, Place, Promotion です。
マーケティングの 4P からの応用
- プロダクトの機能やスペック (Product)
- 価格設定 (Plice)
- 提供チャネル (Place)
- 使い方と価値の伝え方 (Promotion)
狭い意味での実現方法は、1つめのプロダクトの機能やスペックなどの要件です。
プロダクト開発戦略では、開発のスコープをもう少し広く捉えます。開発したプロダクトの価格設定、ユーザーへの提供プロセス (チャネル) 、使い方と価値のメッセージ内容や方法までを含めます。
というのは、戦略要素の3つめまでに考えた 「使い方や提供価値」 を実現するためには、プロダクトをつくって終わりでは不十分だからです。
つくったプロダクトをユーザーに届け、具体的な使い方やどんな価値があるかを伝えるところまでです。
まとめ
今回は、プロダクト開発についてでした。
プロダクトの存在意義、開発戦略をどうつくるかを解説しました。
最後に今回の記事のまとめです。
- プロダクトの存在意義は 「ユーザーの抱える問題を解決すること」 。
ユーザーの問題解決が、プロダクト開発の目的。ユーザーに価値を提供し、その対価で自分たちの売上や利益が得られる
- 戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。戦略はリソース配分の指針。
良い戦略の条件は、
- 目的が明確である
- やることが絞られている (リソースを集中投下できる)
- 実行できる
- 中身が具体的で、目的・戦略・実行プランに一貫性がある
- シンプルに説明できる
- プロダクト開発戦略のフレームは、
- ターゲットユーザー
- 問題設定
- 使い方と提供価値
- 実現方法 (機能要件だけではなく、価格設定・提供チャネル、使い方と価値を具体的に伝えるところまで)