
今回は、ブランド戦略を応用したキャリアのつくり方です。
- 将来に不安を感じる…
- 自分のキャリアをどう考えればいいの?
- ブランド戦略を使ったキャリアのつくり方
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、ブランド戦略、ブランド戦略のフレームワークを使ったビジネスキャリアのつくり方です。
ブランドエクイティピラミッドというフレームから、自分のキャリアを戦略的にどうつくっていくかを書いています。
ご自身のキャリアを振り返ったり、これからを考えてみる時に参考になると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。
ブランドエクイティピラミッド
ブランド戦略を設計する方法に、ブランドエクイティピラミッドがあります。
簡単にご説明すると、以下の4つの要素で形成されます。Where, Who, What, How です。
ブランドエクイティピラミッド
- 攻略する市場 (ブランドがプレイする領域 (業界など) )
- ターゲット顧客 [Who]
- 顧客が得られる本質的な価値 [What]
- 価値を実現する手段 [How]
ブランド戦略は、ピラミッドの上から順につくっていきます。作成過程で上に戻ることはありますが、基本的には、市場、ターゲット、価値、実現手段、という順番です。
ブランドエクイティピラミッドのポイント
ポイントをいくつか解説します。
ブランドエクイティピラミッドのポイント
- How の前に Who と What を明確にする
- What は本質的な価値
- 持っている資産から顧客価値への転換
以下、それぞれについてご説明します。
[ポイント 1] How の前に Who と What を明確にする
ブランドエクイティピラミッドでの How は、ベネフィットを実現する手段全般です。ベネフィットとは、顧客にとってそのブランドの本質的な価値です。
How にはモノ自体や機能・スペックも含まれます。
ともすると、手段である How から考えがちになりますが、最初に考えるべきは誰にどんな価値を提供するかです。Who と What が明確になってからはじめて、手段であるどうやってその価値を実現するかを考えるのです。
[ポイント 2] What は本質的な価値
ブランドエクイティピラミッドでの What は、顧客が得られる本質的な価値です。
マーケティングには 「顧客がほしいのはドリルではなく、壁に穴を開けたいから」 という考え方があります。ドリルを買いに来たお客は、本当に欲しいのはドリルそのものではなく、「自宅の壁に穴を簡単に開けられること」 という価値を求めているわけです。
ブランドエクイティピラミッドでは、いかに顧客が求めている本質的な価値を見い出せるかです。
顧客が得られる価値というベネフィットがズレていると、その後にくる How が正しく機能しません。
[ポイント 3] 持っている資産から顧客価値への転換
ブランドエクイティピラミッドの最後の How は、顧客価値を実現する手段です。
自分たちが持っている無形・有形資産を使って商品やサービスをつくり、いかに顧客に届け、どんな価値を提供するかです。つまり、持っている資産を価値に転換することが、自分たちがやることの本質です。
ビジネスキャリアへの応用
ここからは、ブランドエクイティピラミッドの考え方を、ビジネスキャリアに応用してみます。
ピラミッドの4つの要素に当てはめると、次のようになります。
ブランドエクイティピラミッドからのキャリア設計
- 自分が働く場・環境 (業界、会社、組織、職種、上司・同僚など) [Where]
- 一緒に仕事をする人 (特に誰に対して自分の成果を提供するか) [Who]
- 自分が提供する本質的な価値 [What]
- 提供価値を実現する資産や手段 [How]
いくつか補足をします。
[補足 1] 環境とターゲット
キャリア形成で大事なのは、自分が活動する環境をどこに選ぶかです。
環境とは、業界、会社、職種などです。環境が自分に合っているか、その業界や会社が成長しているのかどうかは、キャリア形成に大きく影響します。
ブランドエクイティピラミッドでは、まずターゲット顧客を決めたように、キャリアにおいても Who の要素は大事です。自分を1つの会社と見立て、誰に自分は価値を提供するかです。
価値を感じるのは相手であり、相手次第であなたが同じことをやっても価値と思ってもらえることもあれば、そうではない場合もあります。
会社員であれば、提供価値から自分の業績を評価されるので、この意味でも Who の設定は大事です。
[補足 2] 提供価値と実現手段
ブランドエクイティピラミッドでは、What と How がブランドの活動を具体化します。
キャリアでも大事なのは、自分にとっての What である 「自分が提供する本質的な価値」 と、How の 「提供価値を実現する資産や手段」 は何かを理解することです。
ブランドピラミッドの How には、モノ自体、スペック、機能が含まれました。
これを人 (あなた自身) に当てはめると、How は、
- 性格、特性、知識や経験、専門スキル
- 大切にしている価値観。持っている夢 (ビジョン)
- これら持っている有形・無形資産を使っての活動
そして、重要なのはあなたの持っているもの (資産) から、どんな本質的な価値を提供するかです。自分の持っているものから、相手にとっての価値にどう転換するかです。
[補足 3] 価値は相手が感じるもの
自分の How だけでは、相手にとっての価値ではありません。
価値とは、提供されるもののプロセスや結果としてあくまで相手が感じるものです。提供する自分自身ではないのです。
あなたが How を使い、それを本当に価値と感じるかどうかは相手次第です。同じことをやっても、相手によって、さらには同じ人でも状況によって価値になることもあれば、ならないこともあります。
だからこそ、最初に環境 (Where) とターゲット設定 (Who) を明確にするのです。つまり、What と How の前提を決めます。
まとめ
今回は、マーケティングのブランドエクイティピラミッドと、ビジネスキャリアへの応用をご紹介しました。
ぜひ記事の内容から、
- マーケティングのものの見方や考え方
- ブランド戦略
- キャリアを振り返ったりこれからを考えてみる時
最後に今回の記事のまとめです。
- ブランド戦略を設計するフレームがブランドエクイティピラミッド。ブランドエクイティピラミッドとは、
- 攻略する市場 (ブランドがプレイする領域 (業界など) ) [Where]
- ターゲット顧客 [Who]
- ベネフィット (顧客が得られる本質的な価値) [What]
- ベネフィットを実現する手段 [How]
- ブランドエクイティピラミッドのポイントは、
- How の前に Who と What を明確にする (誰に何を)
- What とは本質的な価値
- 持っている資産から、顧客価値への転換
- ブランドピラミッドをビジネスキャリアに応用すると、
- 自分が働く場・環境 (業界、会社、組織、職種、上司・同僚など) [Where]
- 一緒に仕事をする人 (特に誰に対して自分の成果を提供するか) [Who]
- 自分が提供する本質的な価値 [What]
- 提供価値を実現する資産や手段 [How]
- 重要なのは、あなたの持っているもの (資産) から、どんな本質的な価値を提供するか (資産から価値への転換) 。
自分の How (資産や提供手段) だけでは、まだ相手にとっての価値にはなっていない。価値とは、提供されるもののプロセスや結果としてあくまで相手が感じるもの