
今回は、書評です。
哲学の世界へようこそ。- 答えのない時代を生きるための思考法 という本をご紹介します。
この記事でわかること
- 書籍 哲学の世界へようこそ。の概要
- 哲学者の思考フレームと思考プロセス
- 答えのない時代に 「答え」 を考える方法
この本では哲学者が答えが1つではない問いに、具体的にどう考えるかの思考法が紹介されています。
答えがないとは、ビジネスの世界そのものです。哲学者の思考プロセスは、ビジネスパーソンにも学びがあります。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
この本に書かれていること
この本の内容を一言で言えば、哲学者の思考プロセスを具体例 (ケーススタディ) で学べる本です。
哲学では、世の中の常識をあえて疑い、問いを立て自ら考え抜きます。唯一の正解がない問題設定をします。
以下は、この本の内容紹介からの引用です。
人生は理不尽の連続だ。だからこそ、君に一生使える 「思考の武器」 を贈ろう。
AI 、友だち、サイコパス、同性愛――
身近な思考実験を通して、常識を疑うための4ステップが身につく!ベストセラー『いま世界の哲学者が考えていること』の著者が語る、いま哲学する力が必要な理由と、それを鍛える実践的レッスン。
常識を疑うための4ステップ
常識を疑うための4つのステップ (思考フレーム) とは、次の通りです。
思考フレーム
- 直感をもとに立場を決める (その立場を選んだ根拠は?)
- 根拠に説得力を持たせる (その根拠はどれだけ妥当か?)
- 別の観点から問い直す (より納得のいく根拠はないか?)
- 使える結論を導き出す (感情ではなく理性にもとづいた結論か?)
良質な問いを立てる
この本を読んで思ったのは、問いを自ら立てる重要性です。哲学的な良質な問いです。
では、良質な問いとは、どのようなものでしょうか?
哲学的な良質な問い
- 唯一の正解がない
- 簡単に答えが出ない
- 抽象度が高い
哲学では、世の中で常識とされていることをあえて疑います。そのためには、「気づく → 疑う → 問いにする」 という流れです。
このプロセスは、暗黙知から形式知 (人に説明ができる知識) への変換に似ています。
直感から始まる思考プロセス
この本で紹介されている思考プロセスは、次の4つのステップです。
思考フレーム
- 直感をもとに立場を決める [直感]
- 立場に説得力を持たせる [根拠]
- 別の観点から問い直す [反証]
- 使える結論を導き出す [結論]
この思考フレームのポイントだと思うことは、以下です。
思考フレームのポイント
- 直感から始まっている
- 直感を掘り下げて検証していく
- あえて別の観点から問い直す (反証)
- 自分の見解を2回出す (始めの直感、検証・反証後の結論)
問いを考え抜く
今回ご紹介した方法では、直感から始め、後から論理的に、多角的に考えていきます。
唯一の答えのない 「良質な問い」 に対してこのプロセスで進めることが、考え抜くことにつながります。
最初の直感的な自分の意見や答えと、検証と反証後の見解は、異なることもあるでしょう。自分なりの答えが変わるかどうかは問題ではなく、重要なのは考え抜くことです。
最初の意見・スタンスに囚われないことが大事です。
まとめ
今回は、哲学の世界へようこそ。- 答えのない時代を生きるための思考法 という本をご紹介しました。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
哲学者の思考プロセスを具体例 (ケーススタディ) で学べる本。哲学では世の中の常識をあえて疑い、問いを立て自ら考え抜きます。唯一の正解がない問題設定をする。
2.
哲学的な良質な問いを立てる (気づく → 疑う → 問いにする) 。
- 唯一の正解がない問い
- 簡単に答えが出ない問い
- 抽象度が高い問い
3.
思考フレーム
- 直感をもとに立場を決める [直感]
- 立場に説得力を持たせる [根拠]
- 別の観点から問い直す [反証]
- 使える結論を導き出す [結論]
4.
思考フレームのポイント (問いを考え抜く)
- 直感から始まっている
- 直感を掘り下げて検証していく
- あえて別の観点から問い直す (反証)
- 自分の見解を2回出す (始めの直感、検証・反証後の結論)
哲学の世界へようこそ。- 答えのない時代を生きるための思考法 (岡本裕一朗)